和而不流(和して流れず)

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古代出雲歴史博物館が竣工しました

630点の国宝・重文が展示されています

澄田県知事が建設に執念を燃やした「歴博」こと島根県立古代出雲歴史博物館が完成し、3月9日に竣工式が行われました。知事は、式辞で「明日を担う島根県の子ども達が郷土に愛着と誇りを持つための拠りどころとなる」と、竹下亘衆議院議員は「『358本の銅剣』『40個の銅鐸』『巨大な宇豆柱』は私たちが古代出雲王国の末裔であることを感じさせる」と祝辞を述べました。
3月10日から5月20日までは「神々の至宝」とする630点の国宝・重文を展示する開館特別記念展が開催され、考古学ファンには必見のイベントとなりますが、「出雲大社そのものが古代出雲の象徴で、博物館はその入口」とすれば設計全般に物足りなさを感じます。
石見銀山はユネスコの世界遺産登録が予定されていますが、銅剣・銅鐸、たたらなど「銀・銅・鉄」の産業遺構を点とするのではなく、時系列的に学術解明し、この地域に根付いてきた金属精錬技術の歴史遺産を線で結ぶことによって地域振興の方策は大きく異なり、出雲と石見は一体化できるような気がします。

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