和而不流(和して流れず)

Columns

自民党は出直しすべきだ

政治資金および歳費以外の給付の使途公開が急務

地方議員には「政務活動費」と称する国会議員の文書交通費にあたる政治活動費が支給されるが、領収書の添付と残余金の返還が条例で義務付けられているのは、財源が税であり、その使途を明確化・透明化することは議会の役割の基本だからである。

国会議員は内政のみならず外交、防衛に至るまで私たち地方議員とは比較にならないほどの重責を担っており、国家予算の規模は112兆717億円で実に島根県の予算の240倍に達する規模である。しかし、TVの国会中継で繰り広げられる論戦の多くが国政調査権を有する議員が住民生活の実態を取材したものとは言い難い週刊誌由来のスキャンダルであり、政治資金パーティー代金の…

第80代島根県議会議長に就任しました

「議論を尽くす」という議会の本旨を果たすべく最善の努力を重ねます

5月17日に開催された第485回島根県議会5月臨時会において、第80代島根県議会議長に選任されました。平成15年4月に平田市選挙区から県議会議員に立候補してから20年を経ての議長就任で、平田地域からは飯塚普彬先生が平成11年5月に第63代議長に就任されて以来、2人目で、感慨深いものがあります。

就任あいさつで、小生は、3年余にわたる新型ウイルス感染症の流行に加え、ロシアのウクライナ侵略、円安、エネルギーコストをはじめとする諸物価の高騰など、社会、経済を取り巻く環境がかつてない激動の中にある中で、昭和30年に929,066人を数えた本県の人口は若年世代の県外流失によって減少を…

積善の家には必ず餘慶あり

ものごとの兆候を察知し、早期に適切な措置を施すことが肝要だ

「積善の家には必ず餘慶あり」は「善行を続けると子々孫々まで幸いがある」との意で使われますが、その出典は『易経坤為地』です。原文には「積善之家必有餘慶。積不善之家必有餘殃。臣弑其君、子弑其父、非一朝一夕之故。其所由來者漸矣。由辯之不早辯也。易曰、履霜堅冰至。蓋言順也。」とあり、書き下し文は「積善の家には必ず余慶あり。積不善の家には必ず余殃有り。臣にして其の君を弑し、子にして其の父を弑するは一朝一夕の故に非ず。其の由って來る所の者は漸なり。之を辯じて早く辯ぜざる由るなり。易に曰く、霜を履んで堅冰に至ると。蓋し順なるを言うなり。」となります。その意味するところ…

国益を損なう報道姿勢は疑問

- 死者に鞭打つような所作は日本人として慎むべきで恥 -

9月27日の午後2時から日本武道館で参議院選挙のさ中の7月8日に奈良県の駅頭で凶弾に倒れた安倍晋三元首相の国葬が執り行われました。葬儀の形式を国葬とする岸田首相の意向が示されたのは安倍元首相の密葬終了後の7月14日で、当初は吉田茂元首相の国葬から55年ぶりとなる決定にさほどの批判が生じたとは思えませんでしたが、葬儀を2か月も先の日程としたことや内閣に国葬に関わるケーススタディが無いため、国会やマスコミへの情報提供が『後出し』になったことが、決定過程や国費の支出が過大との反対世論の高まりになったと思われます。ニュースでは、国葬に先立ち日本武道館に近い九段坂公園に設置された献花台には2万人を…

宗教への財産や金品を喜捨は古今東西珍しい事ではない

十把一絡げに『ブッ叩く』ばかりのメディアの姿勢にはいささかの違和感あり

日本ではお正月には神社仏閣に初詣、お彼岸やお盆にはお寺やお墓にお参り、クリスマスになるとツリーを飾ってケーキを食べる、キリスト教の教会で結婚式をするなど、檀那寺に所属しながらも違う宗派のお寺に参詣することや神道のみならずキリスト教も含めて、異なる宗教的行事に参加することに極めて寛大な思考を執るのは普通です。
しかし、日常の様々なストレスを宗教(教団)の教義に触れ、『信仰』することで、心身の平静を保ちながら生活している人もたくさんあります。教団の教えに感謝・心酔し、満たされた心で生活をしている人の中には、自らの財産や金品を喜捨する人は古今東西、珍しい事ではなく、小生の知る限りで…

安倍元総理大臣の殺傷事件報道について

日本社会が保持してきた『徳性』を取り戻すことが必要だ

参議院選挙のさなかの7月8日の午前に奈良県の路上で安倍晋三元首相が殺害されるという衝撃的な事件が起きました。TVでは終日、事件報道一色となり、7月9日付けの新聞も元首相の殺害関連の記事で埋まりました。
選挙期間中に生じた元総理大臣経験者の殺害事件ですから、通常の事件報道と異なるのは当然としても、事件の背後関係に例えばテロや政治的な陰謀の疑いが明白であれば当然ですが、現行犯逮捕された容疑者の供述に犯行動機に政治的な側面がほとんど感じられない中で、識者やマスコミ、政治家の皆さんのコメントが判で押したごとく『言論の自由や民主主義への挑戦』『言論が銃弾に屈してはならない』などのフレー…

衆院議員選挙区画定審議会の答申をうけて

衆参を執る2院制の役割を顧慮した選挙制度の抜本改革を

政府の衆院議員選挙区画定審議会は6月16日衆院小選挙区の新しい区割り案を岸田文雄首相に勧告しました。審議会から2020年の国勢調査の確定値に基づいて「一票の格差」を2倍未満に是正するとして示されたプランは、東京都の選挙区を5つ、神奈川県を2つ、千葉県と埼玉県、愛知県をそれぞれ1つ追加し、宮城県、福島県、新潟県、滋賀県、和歌山県、岡山県、広島県、山口県、愛媛県、長崎県はそれぞれ1つ減とする内容となっています。
今回の変更によって、衆議院は選挙区選出289議席のうち首都圏の1都3県で89議席となり、比例区選出176議席では東京、北関東、南関東の3ブロック(1都7県)で61となる見…

令和4年度予算の成立を受けて

バラマキから生産投資への転換を

ゆうちょ銀行は、本年1月17日から窓口での現金取引に硬貨取扱料金と金種指定料金を設定しました。硬貨での預け入れや振込み、払戻しの際の硬貨や紙幣の種類・枚数の指定には、いずれも枚数に応じた料金を徴するもので、ごうぎんやJAなど、他の金融機関に倣ったものですが、社会は、否応なくカードやスマホなどによるキャッシュレス決済に向かっており、通貨を必要としない取引は、国境を越えた電子決済に直結しているだけに、取引を仲介する事業者の適格性の担保が大きな問題で、ロシアのウクライナ侵攻に端を発する国際金融の動揺はこうした問題を浮き彫りにしています。
先日、県職員と意見交換した折、「いま、日本に…

2022 年頭所感

凡事徹底

令和4年は新型コロナウイルスの変異株であるオミクロン株の感染拡大のニュースで明けました。コロナ感染から2年が経過して、なお、欧米の国々では1日に10万人を超える新規感染が相次ぐ中で、一定程度ワクチン接種の効能があるにせよ、日本国内の感染が抑えられてきた要因は、国民が「手洗いの励行」や「マスクの着用」、「三密回避」といった基本的な感染防止対策を『あたりまえのこと』として習慣づけていることに外ならず、「凡事徹底」の有用を感じます。
「凡事徹底」は、「平凡で当たり前のことを突き詰めて行うこと」ですが、「基礎的かつ地味なもの、つい軽く見てしまうことを疎かにせず、繰り返して積み重ねるこ…

人として生きるのであれば社会的責任はゼロにはなり得ない

心神喪失や心神耗弱で犯罪を犯した人は責任能力が回復した時点できちんと罪を償なうべきだ

11月4日、2017年7月に祖父母や近隣住民5人を殺傷し、殺人罪に問われた30歳の男性被告の裁判員裁判で、神戸地方裁判所は「被告は、犯行当時は被害妄想による『心神喪失状態』で、責任能力はない」として無罪を言い渡しました。刑法39条には『心神喪失』は刑事責任能力が無いとして『刑の免除』が、『心神耗弱』は『刑の軽減』が規定されており、凶悪犯罪事件で殺人罪に問われ、死刑を求刑された被告が、心神喪失を理由に無罪や心神耗弱を理由に無期懲役や有期の懲役刑とされる判例は珍しいことではありません。
江戸時代の武士社会で認められていた『仇討ち』が、現代社会では法律で明確に否定され、被害者にとっ…

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