和而不流(和して流れず)

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「当たり前の意識を刷り込む」ことの必要性について

『学校基本調査』の数字が意味すること

日本では「15~34歳の非労働力人口のうち、通学、家事を行っていない者」を若年無業者または「ニート」と称し、その数は60万人程度、フリーターは、「学生を除く15~34歳の男性又は未婚の女性で、パート・アルバイトして働く者又はこれを希望する者」のことを言い、200万人に達しているとされています。
文部科学省の『学校基本調査』によると、卒業者の進路で、昨年3月の大卒者55万8千人余のうち、卒業時の進路が未定で、今後も就職や進学の意志がなく、何もしていない者、いわゆる「新卒ニート」が33,555人に上り、卒業生全体のおよそ6%となっていることが報道されました。
新卒ニートの出現率は,男子よりも女子が高く、近年の若者が抱く伝統的性役割観への回帰を裏付けていますが、理系よりも文系が高いのは学部の選択時点で明確な志望職種がないことが挙げられます。
高校生・大学生等の就職内定率は、就職を希望している生徒、学生のうち、就職が決まった学生の比率を言いますが、就職・進学を希望しない者や非正規労働を希望する者は統計から除外されており、また、中学、高校、大学の卒業3年後の離職率は、それぞれ64.2%、35.7%、28.8%となっていることからも、若年者に対する就職・職業教育の必要性が高まっています。
日本人の3大義務は「勤労」「納税」「就学」ですが、「生存」「教育」「参政」の権利が強調され過ぎて、若者に対して過保護になっているのでは、との指摘が聞かれます。負担のない給付が成立しないことからも分かるように「誰かがやるだろう」では国の存立は危うく、私たちは、まず「働いて、結婚して、子を育てるという、人として持つべき当たり前の意識を子供達に刷り込むこと」が大人の責務だと感じます。

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