和而不流(和して流れず)

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溝口県政10年の評価について

中央新報のアンケートに次のように答えました

山陰中央新報社は、6月上旬、溝口善兵衛知事の県政運営について島根県議会議員36人と県内市町村の首長19人に対するアンケート実施し、その内容を6月26日の紙面で紹介しました。
アンケートは、「産業振興」「結婚・出産・子育て」「若者の雇用」「1次産業振興対策」「原発・エネルギー対策」「三江線対策」「社会インフラ整備」「U・Iターン対策」「医療・福祉」「中山間・離島対策」「その他」「なし」の12項目の中から、溝口知事の就任から10年で、『成果が上がっていると評価できる項目』と『不十分な項目』『今後重点的に取り組む項目』を1つ選び、その理由を記述した上で、県政運営全般について100点満点で採点するものでした。
紙面には、55人全員から回答を得たとあるように、小生もすべての項目について回答をしましたが、事前に公表の基準などについて十分な確認ができなかったため、記名での紙面掲載には同意しませんでした。(「無回答」や「回答できない」としたわけではありません。)
まことに僭越ですが、小生の目に映る溝口知事の県政運営は、手堅い一方で発信力に欠けていると思います。中央新報社が選んだ10項目(「その他」「なし」を除く)のうち、「三江線」以外の項目については、それなりに進捗が見られたと思いますが、県政の推進力になる政策広報が希薄で、すべての項目について「後手を踏んでいるように見える」のは、まことにお気の毒に感じます。
島根県は直面する一番大きな課題に人口減少に抗うための対策を掲げ、その中心施策を産業振興に求めており、その実践にはこれまでの都市部からの企業誘致に加えて、1次産業を含めた内発的な起業を誘引する対策や東アジア地域など発展する海外の活力を取り込むことが不可欠です。
同時に、地方創生を実現するための医療、福祉、教育結婚、子育て、離島、中山間対策などの政策課題をクリアーするためには、知事が霞が関の視点から脱却し、優秀な行政官であることを捨てる覚悟も必要だと思います。
そうした観点から溝口知事の10年の県政運営について採点すると、手堅い行政手腕とトップリーダーとしての発信力不足を相殺して「50点」というところが妥当なところと思います。

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