和而不流(和して流れず)

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宗教への財産や金品を喜捨は古今東西珍しい事ではない

十把一絡げに『ブッ叩く』ばかりのメディアの姿勢にはいささかの違和感あり

日本ではお正月には神社仏閣に初詣、お彼岸やお盆にはお寺やお墓にお参り、クリスマスになるとツリーを飾ってケーキを食べる、キリスト教の教会で結婚式をするなど、檀那寺に所属しながらも違う宗派のお寺に参詣することや神道のみならずキリスト教も含めて、異なる宗教的行事に参加することに極めて寛大な思考を執るのは普通です。
しかし、日常の様々なストレスを宗教(教団)の教義に触れ、『信仰』することで、心身の平静を保ちながら生活している人もたくさんあります。教団の教えに感謝・心酔し、満たされた心で生活をしている人の中には、自らの財産や金品を喜捨する人は古今東西、珍しい事ではなく、小生の知る限りでも、立派な邸宅を丸ごと宗教団体の集会施設に寄贈された方があります。
7月の参議院選挙中に起きた安倍元首相の暗殺を受けて、狙撃・殺傷事件の犯人が母親の旧統一教会への喜捨で家庭が経済破綻したことを動機に犯行に及んだとして、旧統一教会と政治家とのつながりが詮索され、メディアでは、終日、教団や関連団体とかかわりがあった政治家パッシングが続いています。
確かに『霊感商法』がヤリ玉に挙げられた旧統一教会系の団体による『集金』には大きな問題があり、許容できない事案が多数あったと報告されてきました。もとより、不適切な行為を政治家が推奨したり、直接または間接的に関わって金品を受領した事実があれば糾弾されるのは当然ですが、関連団体の主催する大会への祝電発信や信者の集まりに出かけて選挙での支援をお願いしたという事実をもって『教団とのかかわり有り』として十把一絡げに『ブッ叩く』ばかりのメディアの姿勢にはいささかの違和感を覚えるところです。
小生は平成3年から政治に参画して32年になります。今日まで直接、間接を問わず旧統一教会や関連団体をとのかかわりを持ったことはありませんが、国政のみならず地方政治、与党、野党を問わず、宗教団体を実質的な支持母体にして選挙を戦う候補者はたくさん存在しており、それは日本だけに限ったことではありません。日本国憲法には信教の自由が規定されており、同時に『政教分離』が規定され、宗教団体に限らず特定の団体や個人への『便宜供与が禁止』されていることを考えれば、政治家の発言や行動一般は厳しくチェックを受けなければならず、また、自戒が求められるはずです。
「旧統一教会との一切のかかわりを絶つ」と宣言すれば、一旦は収まるとしても、過去に問題があるとされている団体は旧統一教会だけではなく、また、宗教団体に限ったものでもありません。週刊誌報道に端を発した今回の旧統一教会叩きと言うより、政治家叩きの色彩が強いメディア報道は、マスコミの見立てが世論とばかりのものであり、飛躍が過ぎるとの指摘を受けるかも知れませんが、小生には安倍元首相の国葬に向けての反対世論構築を企図・誘導するキャンペーンにさえ感じられるのです。

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