和而不流(和して流れず)
Columns
高校での必修単位の未履修について
高校の予備校化は、ついに必修単位の未履修や架空評価にまで発展しました。学校5日制や学習指導要領の改訂に伴う修得単位数の変更等によって、高校での1教科あたりの授業時間数は減少しています。
学力低下が懸念されるなかで、学校は否応なく大学受験への対処が求められており、進学校では受験科目の重点的なトレーニングが常態化してきました。
今回明らかとなった必修単位の未履修は、高校教育の目的が「社会人として必要な知識習得」から「大学受験に必要な知識習得」に変質していることを如実に顕したものであり、座視することはできません。
大学センター試験まで3ヶ月という時期に、未履修科目の集中講義を強制することは疑問で、時程短縮などの救済(配慮)は当然ですが、政府や国会は、未履修の学校や教職員への対処を云々するよりも、「日本人として必要な知性と教養をどう定着させるのか」という教育の本質に関わる議論を教育基本法の改正論議に併せて徹底的に行う必要性があると感じます。
│掲載日:2001年11月30日│
最新の記事
- 2024年02月19日
- 自民党は出直しすべきだ
- 2023年05月19日
- 第80代島根県議会議長に就任しました
- 2022年11月08日
- 積善の家には必ず餘慶あり
- 2022年09月29日
- 国益を損なう報道姿勢は疑問
- 2022年08月25日
- 宗教への財産や金品を喜捨は古今東西珍しい事ではない