和而不流(和して流れず)

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高校での必修単位の未履修について

高校の予備校化は、ついに必修単位の未履修や架空評価にまで発展しました。学校5日制や学習指導要領の改訂に伴う修得単位数の変更等によって、高校での1教科あたりの授業時間数は減少しています。
学力低下が懸念されるなかで、学校は否応なく大学受験への対処が求められており、進学校では受験科目の重点的なトレーニングが常態化してきました。
今回明らかとなった必修単位の未履修は、高校教育の目的が「社会人として必要な知識習得」から「大学受験に必要な知識習得」に変質していることを如実に顕したものであり、座視することはできません。
大学センター試験まで3ヶ月という時期に、未履修科目の集中講義を強制することは疑問で、時程短縮などの救済(配慮)は当然ですが、政府や国会は、未履修の学校や教職員への対処を云々するよりも、「日本人として必要な知性と教養をどう定着させるのか」という教育の本質に関わる議論を教育基本法の改正論議に併せて徹底的に行う必要性があると感じます。

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