県議会だより

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令和7年2月定例県議会一般質問(3)

国スポ・全スポのレガシーについて

2点目は国スポ・全スポのレガシーについてお尋ねします。

国民スポーツ大会は,広く国民の間にスポーツを普及し国民の体力向上を図るとともに,地方スポーツの振興と地方文化の発展に寄与することを目的として,公益財団法人日本スポーツ協会が昭和21年に第1回大会を開催して以来,毎年開催される国内最大の総合スポーツ大会と規定されているが、時代や社会の変化によってその開催意義は変化していると考えますが、はじめに、①国スポ・全スポを島根県で開催する意義について伺います。(知事)

昭和57年のくにびき国体は、島根県が天皇杯、皇后杯を獲得し、県民の高揚感が感じられると同時に「島根県でもやれる」という意識醸成に貢献したと考えます。競技スポーツでは、奥出雲町のホッケーや江の川のカヌー、出雲北陵高校のなぎなた、安来のフェンシングなどは高い競技力が今に引き継がれており、各地のスポーツ活動には国体を契機として始まった大会が続けられていますが、②国スポのレガシーの意義についての所感をお尋ねします。(知事)

ところで、国スポの開催に多額の財政負担が生じ、県民生活に支障が生じてはならないとの判断から、国スポ開催に伴う施設改修についてはすべての競技において大会の開催基準を満たす程度の整備を基本とする方針が定められているとのことでありますが、③国スポの開催に伴う施設改修の方針についてお尋ねします。(知事)

国スポとは少し視点を違えますが、過日お亡くなりになった岩崎嚴先生は島根県の陸上、とりわけ投てき競技の競技者として、また。指導者として大きな貢献をされ、出雲大学駅伝や出雲陸上の誘致、運営に力を尽くされた先達の一人であります。

国スポの陸上競技の会場となる浜山公園陸上競技場では、今年も4月12、13日に陸上シーズンの幕開けとなる吉岡隆徳記念第79回出雲陸上競技大会が開催されます。この大会は、日本陸連が日本グランプリシリーズに位置づけする大会で、昨年に続き本大会で行う YOSHIOKAスプリント(GP種目・男子100m、200m)が、5月に開催される広州2025世界リレーの男子4×100mリレー枠を決める代表選手選考の参考競技会となっています。

「日本グランプリシリーズ」は、2018年にスタートした指定大会を対象に年間を通してポイントを争うトラック&フィールドの大会の総称で、国際大会につながる国内最高峰の競技会としてシリーズを通して競うことにより、世界で活躍できるアスリートの強化・育成を図り、国内各地で開催することでファン層の拡大や応援文化の定着を目指すとされていますが、今後もこの大会を開催するためには若干の施設改善が必要とのことであります。

④出雲市民としては、出雲陸上は出雲駅伝と並んで全国に発信できる稀有の大会であり、できることなら今後も島根県でグランプリシリーズが開催され、一線級の選手の活躍が目の当たりにできる機会を継続してほしいと願っており、浜山公園野球場の整備のような手法での施設改修を希望するところですが、この際知事のご所見をお伺いいたします。(知事)

丸山達也知事答弁

国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会の開催意義について

本県におきましては、昭和57年に、第37回大会といたしましてくにびき大会を開催をいたしました。本県選手団の活躍や県民一人一人が大会運営を支えたという誇りや自信は、その後の島根県の発展を築く原動力となり、県勢発展に大きく寄与したものと考えております。

また、令和12年に開催を予定しております島根島根かみあり全スポ・国スポにおきましては、人口減少や少子高齢化が進む中での開催となりますけれども、今回につきましても、一過性のスポーツイベントとして終わらせるのではなく、将来にわたる持続的な競技力の向上、全ての県民がスポーツに親しむことによる体力向上や健康増進、スポーツを通じた地域づくり、人づくり、郷土愛や地域への誇りの醸成、全国への島根の発信、障がい者の方々への理解を深め、共に支え合う社会の実現といった大きな意義、目標があるものと考えております。

県民の皆様お一人お一人が、それぞれの力を発揮しながら一体となって取り組むことで、夢や希望や感動を生み、郷土愛や誇り、将来を担う子どもさん方のふるさと意識の醸成を図ることで、人のつながりの大切さを育んでいく大会となるよう、開催の準備を進めていきたいと考えているとこでございます。

丸山達也知事答弁

国スポのレガシーについて

くにびき国体で活躍された選手の中には、現役選手を引退された後も指導者として選手や指導者の育成に当たられ、現在も競技団体の中心的な役割を担い、次の島根かみあり国スポに向けて競技力向上に御尽力いただいてる方々がたくさんおられるとこであります。

このように、こうした方々が地域に残り、次の世代を担う選手、指導者を育てられ、地域でスポーツを頑張る人を応援する機運が醸成されたことで、一旦県外に進学や就職をされても、島根に残り、スポーツに関わっていただく環境が今後も引き継がれていくということが、くにびき国体で得られた財産でありまして、開催した大きな意義の一つであると考えております。

奥出雲町におけますホッケーや美郷町、川本町におけますカヌーをはじめ、なぎなたやフェンシングなど、国体等で活躍した選手が指導者となり、母校や地域で児童生徒の指導に当たられておられます。なぎなたでは、出雲北陵高校で指導を受けられ、県外の大学で活躍された2人の選手が地元に就職され、働きながら競技活動を続けられて、昨年の佐賀国スポにおいては入賞を果たしてくれたとこでございます。

現在、島根かみあり国スポに向けまして、指導者確保や選手育成を進めてるとこでございますけども、こうした人材が、競技活動を通じて得られた経験や人的ネットワークを生かして、その後の地域のスポーツを支える新たな担い手として大会後も活躍していただけるように取り組んでいきたいと考えております。

 

丸山達也知事答弁

国スポを開催に伴う施設改修の方針について

国スポ・全スポの開催に向けましては、県内市町村や競技団体、関係機関で構成します準備委員会を設け、準備を進めてきております。その準備委員会におきまして、令和3年3月に競技施設整備基本方針を策定しまして、施設整備を行う場合には、大会開催に真に必要な施設に限定し、大会終了後においても地域住民に広く活用されるよう配慮することと定められているとこであります。この方針に従いまして、国スポにおきます38の正式競技、特別競技につきまして、中央競技団体からの指摘などを踏まえまして、県の競技団体、開催地市町村など、関係者と調整した上で、各競技施設の整備を進めてきておりまして、既に完成した施設や整備に着手している施設もある状況でございます。

陸上競技の会場市となっております出雲市の浜山公園陸上競技場では、この方針及び日本スポーツ協会が定めます国民スポーツ大会施設基準に基づきまして、走路の改修、照明設備の設置、メインスタンドの拡張、電光掲示板の更新など、国民スポーツ大会開催に必要な改修を行うことといたしているところでございます。

丸山達也知事答弁

浜山公園陸上競技場の改修について

浜山公園野球場の整備につきましては、建設から40年以上経過し、施設の老朽化に伴い、平成30年度から2か年にわたり、メインスタンドの改修を実施をしてまいりました。また、国スポ・全スポの開催当たりましては、先催県の開催球場の整備状況などを踏まえまして、91メートルとなっております外野の両翼を、公認野球規則で推奨される大きさを満たす98メートルに拡張するなど、必要な整備を現在進めてるとこでございます。

一方で、陸上のグランプリシリーズ大会が開催される各県の陸上競技場は、日本陸上連盟による公認や世界陸連の認証であるなど、施設により取得している認証が異なっている状況でございまして、現段階で浜山公園陸上競技場が取得しております日本陸上連盟公認の1種競技場によりまして、大会開催が可能な状況にございます。ということで、国スポの必要な施設整備を超える整備は考えていないとこでございます。

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