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農林水産省では、我が国の農林漁業の生産構造、就業構造、農山漁村、農林水産物流通・加工業等の農林漁業をとりまく実態を把握し、我が国の農林水産行政の推進に必要な基礎資料を整備することを目的に、5年ごとに農林水産業を営んでいるすべての世帯や法人を対象に全国一斉の調査を実施しています。
農林業センサスは1950年から、漁業センサスは1949年から始まり、農業と漁業の所得を比較すると、農業では、農家1戸当たりの所得は1960年が13万4,000円、1970年は26万7,000円、1980年は52万5,000円、1990年は59万9,000円、2000年は39万4,000円、2010年は52万1,000円、2020年は91万5,000円となっているのに対し、漁業では、沿岸漁家の1戸当たりの所得は、1978年が153万円、1988年は164万円、1998年は168万円、2008年は138万円、2023年は91万円と大きく減少していることがわかります。
2023年の漁業センサスでは島根県で海面漁業の経営体は1210経営体とされており、2013年の1929経営体から719経営体が減少しましたが、漁業センサスから見えるのは、昭和50年代後半から釣り漁業、採貝・採藻漁業の不振および沖合底引き船団の激減、小型底引き船団も漸減などにより漁家が減少し、漁村の疲弊に直結しているように思います。そこで、まずお尋ねしますが、①2023漁業センサスの内容から漁村の問題点を洗い出し、どのような対策を取っていくのか知事のお考えをお尋ねいたします。(知事)
いま、県内の海岸は夥しい漂着ごみに埋まっています。平成21年7月成立した海岸漂着物処理推進法では、海岸漂着物対策を総合的かつ効果的に推進するため都道府県は地域計画を策定し、市町村等と協調して海岸漂着物等の円滑な処理を推進するとし、島根県でも計画の策定がされ、平成30年に改訂されたと聞いています。
環境省の制度では、漁業者等がボランティア活動で行う美化活動に10,000千円を上限とする補助制度があり、これとは別に、島根県では、平成14年に海岸漂着ごみ等処理事業支援交付金実施要綱が定められ、市町村に対し、交付対象経費と回収・処理した海岸漂着ごみ等の重量(t)に50,000円を乗じて得た額のいずれか少ない額に2分の1を乗じて得た額を交付する制度も設けられました。
今議会には、海岸漂着ごみ等対策事業に294,304千円が計上されていますが、今までは、その執行額のほとんどは漁業者や海岸地域に住んでいる住民とかかわりの無い事業者に発注されています。
私は、JFしまねに一般廃棄物の収集、運搬の事業者登録をさせて、その構成員となる漁業者に業務として海岸漂着ごみの処理をさせてはどうかと考えます。
何故なら、漂着ごみは海が時化る度に海岸に打ち上げられるため、年に1回や2回の請負では手に負えないからです。
現在、関係者で組織する海岸漂着物対策推進協議会が設置されていないため、県と市町村、JFおよび自治会などが一体となって海岸漂着物を処理する体制が構築されているとは言い難いと思います。
沿岸漁業者の所得は大きく減少しており、JFが業務として漂着ごみの処理を行えば、安定収入になるはずです。
②漁村の構成員は超高齢化し、当事者能力が低下する中、増大する漂着ごみの処理をボランティア活動に頼る方法では海岸漂着ごみの処理は進展しないことは明白で、現状を改善するためにどのような対処が必要とお考えになりますか、環境生活部長のお考えをお尋ねいたします。(環境生活部長)
最近、十六島海苔の生産者から海面の上昇により海苔生産が減少しているとの指摘を受けました。十六島海苔は十六島湾の東西で採藻方法や加工の方法が異なります。東側は剝ぎ海苔に代表される生海苔ですが、西側は箱海苔に加工し、炙って食べる海苔となります。風土記時代から今に伝わり、食の文化財と言われる十六島海苔ですが、湾の西側地域では100戸を超える採藻者がいま数人に減少し、存続の危機と言っても過言ではありません。この際、十六島海苔の採藻地である河下海岸について③実情を調査し、採藻地の嵩上げなど、適切な支援が必要と考えますが、農林水産部長のご見解をお尋ねいたします。(農林水産部長)
近年、県内で、サザエ、アワビの水揚げが激減しているように見受けられます。県では平成28年の議会での小生の質問に対し、平成30年度までに定点調査を行って磯焼け(藻場の消失)対策を行なうとし、今議会では知事の施政方針の中で、藻場造成に言及されました。関係者にお尋ねしますと、半島部はウニの食害によって、岩場の苔藻類が無くなり、稚貝が育たないのではないかとの指摘がありました。そうであるならば、早急にウニの駆除が必要です。④沿岸漁業者の収入を支えている採貝がなくなれば、漁村はさらに厳しい状況となるのは必至であり、相応の対策が必要と考えるますが、農林水産部長のご見解をお尋ねいたします。(農林水産部長)
県内の漁港や荷捌き施設および漁協などの水産関連施設はほとんどが整備不良で、JFの支所や荷捌き施設は老朽化が著しく、危険な建物も多く見受けられます。
JFの合併・統合以降、こうした状況がずっと続いており、県はきちんとした指導を行っているのか疑問であり、また、漁業者が大きく減少する中で、県内の漁港や荷捌き施設の再編・統合は手つかずで、多くの施設が存置されていることも不良施設の放置につながっていると考えます。
漁業者の減少によって水揚げが減少し、施設管理の経費が捻出できないのであれば、JFしまねが漁港の空きスペースを一定の管理料を取って、非漁業者に有料で賃貸することを検討すべきだと思います。JFの支所・出張所は漁業・漁村の拠点であり、現状を放置することは荒廃に拍車をかけることになります。今年度の常例検査で、施設管理についても見分されたと思いますが、⑤JFしまねの施設管理の状況を問うとともに、この際、漁業者のためにもJFしまねが管理する老朽施設の更新に関わる適切な財政支援を求めますが、この際、知事のご見解を求めます。(知事)
│掲載日:2026年02月25日│