県議会だより

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令和7年9月定例県議会一般質問(序文)

はじめに

日本は瑞穂の国と形容されてきました。

実りの秋となり、金色に稔った稲穂が美しい田園風景が広がる美しい季節になりました。

かつては、今の時期は稲刈りの農繁期で、家族・隣近所・親戚総出で田んぼに入り、刈り取った稲を稲はでに投げかける光景が見られたものです。

獲れたての米を神棚に供え、秋祭りで収穫を喜び、感謝をする祭りを行なう風習は今も地域に残る習俗です。

日本は弥生の時代から、大凶作や戦後の混乱期などのほんの一部を除けば、穀物類を完全自給自足してきたと言われ、1960年ごろの穀物自給率は80%台でしたが、近年は30%以下に落ち込み、サミ…

令和7年9月定例県議会一般質問(1)

都市と地方の賃金格差について

私は、過去何度か、最低賃金制度に対する疑問を申し上げてきましたが、「東京が高いのがあたり前」「地方が安いのがあたり前」に、合理性があるのか疑問に感じています。

最低賃金の決め方は大都市圏、平均的な地方、利便性に欠ける地方の3段階に分かれており、そうした思考は公務員給与にも反映されています。

確かに、地価は東京が高いし、家賃も高い。でも、コンビニやスーパーの商品価格に都市、地方の相違はなく、住宅メーカーの建築に要する費用もほとんど変わりません。

本当に東京の生活費が高くて、島根県の生活費が安いのでしょうか。

そこで、1点目は、この疑問…

令和7年9月定例県議会一般質問(2)

公立病院について

今期定例会に示された病院会計決算は大幅な赤字を計上されていますが、先ごろ安来市立病院と安来第一病院の経営統合が発表されたように、県内病院の経営状況は極めて厳しいと感じています。

  • 県内医療機関の令和6年度の経営状況についてお示し下さい。(病院局長)

病院経営は、経常赤字の病院割合が、2022年度の23.0%から2023年度には53.4%に急増し、多くの病院では医療サービスだけでは利益が出ず、補助金頼みの経営が常態化していたということになります。

2024年度も赤字病院が6~7割に達する見通しで、現在の診療報酬…

令和7年6月定例県議会一般質問(序文)

はじめに

ここ数か月、コメの小売り価格とトランプ関税にまつわる問題がトップニュースで、国政の最重要課題がこの2つであるかのような状況です。

 

金子みすゞは、大正時代末期から昭和時代初期にかけて活躍した│掲載日:2025年06月20日│

令和7年6月定例県議会一般質問(1)

国政の状況について

6月4日、厚生労働省は2024年の日本人の人口動態統計を公表し、1年間の出生数は68万6061人、合計特殊出生率は1.15で、過去最低を更新したと発表しました。日本人の出生数は、ピークの1949年の約269万人と比べると4分の1で、国立社会保障・人口問題研究所の推計よりもはるかに速いペースで少子化が進んでいるとのことであります。

2月27日公表の速報値では、外国人を加えた出生数の総計は720,988人(前年758,631人)で、減少傾向だった婚姻数は2年ぶりに増加し、前年比約1万組増の48万5063組と発表されました。

一方、死亡数は160万5298人で、自然…

令和7年6月定例県議会一般質問(2)

GDP(国内総生産)について

先ごろ、日本のGDPがドルベースでアメリカのカリフォルニア州に抜かれた発表され、2025年中にはインドに抜かれて5位(6位)になる可能性が指摘されました。

アベノミクスによる通貨の供給増による円安誘導は、国内物価を安定させたことは事実ですが、世界の成長からは大きく後れをとったことは否めず、いま、そのツケが顕在化しています。平成初年の数値から見ると、アメリカは3倍、中国は18倍なっているのに対し、日本は横ばいで、ほとんど経済成長が無いとされています。

必ずしもGDPランキングが高ければ人々が幸せに暮らしていると言えるわけではありませんが、豊かさのひとつの指標です…

令和7年6月定例県議会一般質問(3)

PFC規制などの規制強化と水道事業について

半導体デバイスは産業において不可欠なインフラであり、半導体は「レアメタル」や鉛など、その多くが無機材料であり、時として、生物に対して有害に作用することがあると言われています。半導体デバイスを製造するプロセスでは、基盤からゴミを取り除く「洗浄」工程があり、その際に、不純物のない純水や薬液が使用されることがあると聞きますが、県内の状況について商工労働部長にお尋ねいたします。

 

1997年に採択された京都議定書のなかでは、温室効果ガスの排出削減目標が国ごとに定められ、「2010年までにPFCの排出量をそれぞれの基準レベルより10%以上削減す…

令和7年6月定例県議会一般質問(4)

NHKの受信料問題について

NHKは、2025年10月からインターネットを通じた番組の配信が義務化され、ネット配信のみを利用する場合の受信料を新たに設け、徴収を開始すると聞きます。

ネット配信に関してはサービスを利用しなければ支払い義務は生じませんが、2024年5月に成立した放送法改正により、ネット経由のみ受信する人にも、放送(テレビ)経由で受信している人と同様の費用負担を求めるとしています。

HK受信料を支払う義務があるのはNHKと受信契約を結んだ視聴者で、テレビを持つことによりNHK受信契約を結ぶ義務が発生し、NHK受信契約を結ぶとNHK受信料の支払い義務が発生するという2ステップに…

令和7年6月定例県議会一般質問(5)

水産業の現状について

県内の漁村の疲弊は極めて大きいと感じています。小生の住んでいる島根半島西端の十六島湾岸地域では0歳から18歳までの若年層が住民の1割に満たない状況となっています。

その要因は沿岸漁業の不振で、漁獲の減による生産市場の閉鎖による運送費負担や鮮度保持のための資材高騰の一方で、魚価はスーパーなどの売値優先の安値安定で、漁業者の実入りは小売価格の2割に満たない水準となっているのです。

こうした厳しい状況のなかで、漁村を支えているのが定置網漁業であり、その事業継続を支えているのがリースによる施設整備と漁獲保険制度であります。しかし、魚の回遊に頼る漁業は、温暖化による水温…

令和7年2月定例県議会一般質問(1)

序文(はじめに)

「君子はその位(くらい)に素して行い、その外(ほか)を願わず」という一節は子思(しし)著(あらわ)した中庸にある言葉で、「自己に与えられた環境の中で運命を呪ったり、不平不満を言ったりせず、精一杯の努力をして、それ以外のことは考えない」とする意です。

石破内閣がスタートして4か月が経過しました。「德は孤ならず、必ず隣あり」と言いますが、孤立を恐れず愚直に信念を貫いて宰相の地位に就いた石破総理にその片鱗を見た人は少なくないと思います。

しかし、いま、国会では令和7年度の政府予算に関わる修正協議が行われ、政治の駆け引きの中で地方創生は隅に追いやられ、都市住民の利益に…

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