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県内の漁村の疲弊は極めて大きいと感じています。小生の住んでいる島根半島西端の十六島湾岸地域では0歳から18歳までの若年層が住民の1割に満たない状況となっています。
その要因は沿岸漁業の不振で、漁獲の減による生産市場の閉鎖による運送費負担や鮮度保持のための資材高騰の一方で、魚価はスーパーなどの売値優先の安値安定で、漁業者の実入りは小売価格の2割に満たない水準となっているのです。
こうした厳しい状況のなかで、漁村を支えているのが定置網漁業であり、その事業継続を支えているのがリースによる施設整備と漁獲保険制度であります。しかし、魚の回遊に頼る漁業は、温暖化による水温上昇や海流の異変などにより安定的な漁獲とはなっておらず、島根半島沖の定置網だけを見ても大きなバラツキがみられる状況にあります。
そこで、サザエ、アワビの漁獲減やイカ漁の不振など、沿岸漁業の水揚げの変化に対するご認識について、農林水産部長にお尋ねいたします。
水産技術センターは季節ごとに漁獲の状況や予測をレポートしていただいており、感謝するところですが、今年は、島根半島ではイワシやサバ、ブリなどの回遊魚が記録的豊漁である定置がある一方で、全く不漁にあえぐ定置があります。
隣接する施設でも青物の姿はなく、トビウオも極めて少ないと聞いておりますが定置網は、沿岸漁業を支える極めて大切なツールで、豊、不漁の要因を調査し、適切な対応、例えば指導、助言等の対応がとられているのか農林水産部長にお尋ねいたします。
今般の提案された補正予算には十六島漁港の製氷、貯氷施設の改修が提案されており、感謝いたしますが、この施設の不具合は5~6年は放置されてきたものです。県は、JFの荷捌き所や冷蔵施設、殺菌冷海水の発生装置などの現状、支所、出張所の建屋の老朽化などの把握はどのようにされているのか農林水産部長にお尋ねいたします。
漁業とは直接的な関係はありませんが、山林は海岸の環境保全や藻場の定着、魚類の産卵場確保に大きな役割があるとされ、海岸地域の山林の保全、環境整備は防災のみならず漁業の振興に極めて有効であります。半島防災の計画が発表され、感謝を申し上げるところであり、とりわけ、道路のり面の樹木の伐採が予算化されており、注目するところであり、県内の道路は道路に面したところの樹木が極めて大きくなっており、樹木の伐採をリサイクルすることができれば、一石二鳥で、有機肥料にする、あるいはチップ化してバイオマス燃料にするなどが実践できれば、住民が環境美化や道路や河川など公共施設の維持管理に参加するハートフル事業の拡大につながり、維持管理のコストは飛躍的に軽減できると考えます。こうした取り組みの企画や技術開発を中山間研究センターや産業技術センターなどに研究させて、パイロットプラントをつくり、全県展開してはと考えますが、政策企画局長のご見解をお尋ねいたします。
│掲載日:2025年06月20日│