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ここ数か月、コメの小売り価格とトランプ関税にまつわる問題がトップニュースで、国政の最重要課題がこの2つであるかのような状況です。
金子みすゞは、大正時代末期から昭和時代初期にかけて活躍した童謡詩人ですが、わずか26歳の生涯に約500編の詩を遺しました。「みんなちがってみんないい」で終わる「私と小鳥と鈴と」は小学校の教科書に掲載されており、「朝焼け小焼けだ大漁だ」で始まる「大漁」は東京大学の入学試験に出題されこともあり、ともに代表作として有名ですが、今日は詩集のなかにある「星とたんぽぽ」と「露」という2つの作品を紹介します。
星とたんぽぽ
青いお空の底ふかく、海の小石のそのように、
夜がくるまで沈んでる、昼のお星は眼にみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。
散ってすがれたたんぽぽの、
瓦のすきに、だァまって、
春のくるまで隠れてる、強いその根は眼にみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。
露
誰にもいわずにおきましょう。朝のお庭のすみっこで、花がほろりと泣いたこと。
もしも噂がひろがって蜂のお耳へはいったら、
悪いことでもしたように、蜜をかえしに行くでしょう。
金子作品は、悲喜交々の中で表面的な現象に一喜一憂する私たちに自省を促し、「見えるものと見えないもの」「表と裏」など、物事の本質や真理を見定めなさいという示唆を与えていると感じています。
私は、このところ気になっている身近な問題について5点の質疑を行いますので、よろしくお願いいたします。
│掲載日:2025年06月20日│