県議会だより

Reports

令和7年6月定例県議会一般質問(2)

GDP(国内総生産)について

先ごろ、日本のGDPがドルベースでアメリカのカリフォルニア州に抜かれた発表され、2025年中にはインドに抜かれて5位(6位)になる可能性が指摘されました。

アベノミクスによる通貨の供給増による円安誘導は、国内物価を安定させたことは事実ですが、世界の成長からは大きく後れをとったことは否めず、いま、そのツケが顕在化しています。平成初年の数値から見ると、アメリカは3倍、中国は18倍なっているのに対し、日本は横ばいで、ほとんど経済成長が無いとされています。

必ずしもGDPランキングが高ければ人々が幸せに暮らしていると言えるわけではありませんが、豊かさのひとつの指標です。

また、1人当たりの数値を見ると1位はルクセンブルグで140,307ドル、2位はアイルランドで117,979ドル、3位はスイスで110,246ドル、アメリカは83,062ドルで8位、ドイツは56,036ドルで18位、日本は34,554ドルの37位で、34,653ドルの韓国の下にランクされています。こうした日本の経済停滞、いわゆるGDP低落の要因をどう見ているのか政策企画局長の見解をお尋ねします。

 

都道府県別のGDPを比較すると、島根県は東京都の約40分の1で格差は超然としていますが、東京が豊で島根県が貧しいと考えるのは早計です。確かに、財政指標や所得水準、社会インフラやアミューズメント施設、文化、スポーツなどの施設の数や規模は大きく違いますが、少しの時間とコストを使えば参加することは可能であり、居住スペースや通勤距離、時間などの優位性はGDPの数値では測れません。WELどうとそれをもって幸、不幸を論ずることは適当ではありません。世界保健機関(WHO)では、ウェルビーイングのことを個人や社会のよい状態。健康と同じように日常生活の一要素であり、社会的、経済的、環境的な状況によって決定される(翻訳)と紹介していますが、キャッチフレーズで示すことができない幸せの指標を端的に表す係数があれば、本県の特徴や良さをアピールできると思いますが、そうした指標を何に求めるべきなのか政策企画局長のご見解をお尋ねします。

井手久武政策企画局長答弁

日本のGDPの停滞原因について

内閣府が公表しとります年次経済報告書、いわゆる経済白書によりますと、日本の実質GDPは、バブル経済が崩壊する前の1990年を100とした場合、2021年が126.3、年平均で約0.8%の伸びであるのに対しまして、同様にアメリカは207.3で年3.5%、イギリスは172.7で年2.3%、フランスは155.3で年1.8%、ドイツは150.9で年1.6%でありまして、日本の実質GDPは、他の先進国と比べまして緩やかな伸びとなっております。

白書によりますと、こうした背景としまして、GDPの構成要素の●   ●を見ますと、所得の伸び悩みにより個人消費が伸び悩んでいること、デフレ下で設備投資が伸び悩んでいること、また労働面から見ますと、完全週休2日制の普及、働き方改革の取組のほか、短時間労働者の増加などにより1人当たりの労働時間が減少し、経済成長の供給面の源の一つでありますマクロの総労働時間が減少してることなどが挙げられております。

また、IMFがGDPを国際比較する際には、アメリカドル建てで換算しました名目GDPが使われておりますけれども、民間のシンクタンクによりますと、円安の進行が相対的に日本の名目GDPを押し下げる要因として考えられるとされております。

井手久武政策企画局長答弁

島根県の特徴やよさをアピールできる指標について

大都市と比較しまして、幸せや豊かさが感じられるものとしましては、暮らしやすさ、住みやすさ、子育てのしやすさ、働きやすさなどが挙げられます。全国で比較が可能な直近の統計資料などを基に、島根県の特徴やよさを表す指標として考えられるものとしましては、暮らしやすさや住みやすさにつきましては、データとして令和3年の社会生活基本調査におけるものとして、東京都より30分以上短い通勤通学時間、また令和5年の住宅・土地統計調査において、全国7位であります持家住宅の延べ面積、また子育てのしやすさや働きやすさとしまして、令和7年4月1日時点の速報値においてゼロとなっております保育所の待機児童、令和3年の社会生活基本調査におきまして全国9位となっております、6歳未満の子を持つ夫の家事関連時間の長さといったものがあります。

こうした幸せや豊かさを示す具体的な指標を用いまして情報発信をするということは、説得力のある情報を届けるといった点から大切であると考えておりまして、県ではこれらの指標や、また島根と東京とを比較しました大学卒業後の人生シミュレーションにつきまして、パンフレット「しってるようでしらないしまねの暮らし。」そういっておりますけれども、こうしたパンフレットにまとめまして、高校生や大学生などへ配布をしております。

引き続きまして、こうした具体的な指標を用いた島根県の特徴やよさ、またあわせまして、「誰もが、誰かの、たからもの。」で表しております島根の人のよさ、人のつながり、そういったものも含めまして、機会を捉えまして、県内外にアピールをしてまいりたいと考えております。

周山幸弘健康福祉部長答弁

アバター婚活の全県展開について

アバター婚活は、インターネット上の仮想空間を利用した婚活イベントでありまして、参加者は、まずアバターと呼ばれる自分に似せた仮想のキャラクター同士で名前などを伏せて交流を行い、その後、対面形式のイベントに参加してマッチングを行うものであります。

その特徴としましては、自宅などから気軽に参加が可能であり、対面でのコミュニケーションが苦手な方でも緊張することなく会話を行うことができ、会話を通じて、お互いの内面から相手とのつながりを感じられることから、対面後のマッチング率も高い傾向にあることが報告されております。

県内では、昨年度、出雲市と雲南市が合同で、また大田市は単独で実施されており、5月に開催した市町村担当者会議では、大田市の事例を基に、アバター婚活のメリットなどを紹介したところであります。

一方、現状では、参加者の集客が課題だと聞いており、全国的にも新しい取組であることから、一般的な認知度が低いこと、また単独の市町村実施では参加者の範囲が狭くなることなどがその要因と考えられます。

県といたしましては、県の交付金を活用して複数の市町村が連携して実施できるよう、広域的な展開を支援するとともに、県としても、様々な婚活イベントを実施する中で、アバター婚活をどのように効果的に実施することができるか研究しているところであります。

過去の投稿

園山繁の活動日誌