県議会だより

Reports

令和7年11月定例県議会一般質問(2)

引きこもり、不登校について

平成26年度に県内のひきこもりの状況を調査したところ、想定を超える数の実態があり、学校を卒業しても職につかないいわゆる無業者の増加が明らかになり、この間、引きこもり支援センターの設置や若年者に対する職業指導の充実などが実施されてきました。

島根県の不登校は全国的に高い状況です。不登校が常態化すると、社会との接触が希薄となると引きこもりにつながり、保護者の高齢化や死亡により生活保護に移行するケースが少なくありません。

子どもは自らを取り巻く環境を家庭から保育園、小学校へと拡大し、社会性を身に着けることで適応力を高めていきますが、近年は、何らかの理由で、躓くと一旦休みの状況に陥るケースが多くあり、これを復旧するケーススタディが必要となっていることは論を俟たないところです。

そこで、お尋ねしますが小、中、高校の不登校の現状についてお聞かせください。(教育長)

 また、引きこもりの状況についてもお聞きいたします。(健康福祉部長)

 

県内には公立、私立の小学校、中学校、高等学校とは異なる小学生、中学生、高校生向けの適応指導施設が設置されています。市町村やNPOなどが運営する施設の実態把握についてお尋ねします。また、適応指導施設と学校の連携はどのように図られていますか。(教育長)

 

島根県では、県内2カ所にひきこもり支援センターの設置がされ、該当者の社会参加が図られているが、その状況についてお聞かせください。また、近年、絵画や音楽など多様な特技を生かした就労支援施設・事業所等が設置されてきていますが、そのご認識についてお訪ねします(健康福祉部長)

 

県内には、不登校児童や、引きこもりの人などを対象として、eスポーツやPCを使った指導を取り入れた学習塾やボイスプラスというアナウンスやシナリオ製作などを通して自己の能力開発を行うことによって社会参加を促進させる取り組みを始めたNPOなどがあります。自宅や学校、職場と異なる居場所、いわゆる「サードプレイス」と言われる場づくりを進めることが無業者(ニート)や引きこもりの人たちの社会とのつながりを復旧させるために有効と言われています。こうしたことを実施するためには、マンパワーも必要ですが、現状は篤志家に頼っている状況ですが、空き家や廃校跡など活用されていない施設を活用したサードプレイスの設置やマンパワーの確保を支援する考えはありませんか。(健康福祉部長)

野津建二教育長答弁

小中、高校の不登校の状況について

昨年度の国公私立を合わせました県内の不登校児童生徒数は、1,000人当たりで小学校32.1人、中学校80.7人、全国は同様に23.0人、67.9人となっております。本県は、全国同様に増加傾向で過去最多となっており、小中学校とも全国平均を上回っております。高等学校は、県内の全日制、定時制合わせて1,000人当たりで26.8人、全国は23.3人で、全国平均を上回っております。全国は減少いたしましたが、本県は増加し、過去最多となっております。

野津建二教育長答弁

適応指導施設の実態把握について

公的施設としては、市町村教育委員会が設置する教育支援センターが10市町に12施設あります。現在把握している民間施設としては、小中学生を受け入れる準備があり、県内に拠点がある11施設を教育委員会のホームページに掲載しております。このうち10施設は高校生も受け入れており、中には単位を修得できる広域通信制高校のいわゆるサポート校も含まれております。このほかの施設については把握ができておりませんが、不登校の子どもたちに学びの機会など有効な支援を提供するために連携が必要だと考えられますので、引き続き把握に努めてまいります。

 

野津建二教育長答弁

適応指導施設と学校の連携について

公的な教育支援センターと学校とは、教員が定期的にセンターを訪問したり、センターが学校に報告に行ったり、相互に子どもの生活の様子を共有し、教材の提供や課題の受渡し、学習進度の確認などを行っております。

これまで多くの民間施設と学校とは連携が進んでいなかったため、意見交換の場として昨年10月にフリースクールと連絡協議会を設置し、学習評価など国の通知に基づく不登校支援の在り方について共通理解を図ることから始めました。今年に入ってから民間施設の意見や要望を受け、国の不登校支援の考えに関する現場の指導員の方々への研修実施や、施設を周知するため紹介リストのリーフレットの作成を行いました。なるべく多くの方が触れることができるよう、公民館や図書館など様々な場所にリーフレットを設置しております。

現在では、連絡協議会をきっかけに学校と民間施設との交流が始まり、学習評価などについて連携が進み、施設での学習状況を学校が確認して出席扱いとするケースが増えております。

また、3年間登校できなかった生徒が今年5月に学校が気になるとつぶやいたのを受け、施設から学校に連絡、学校が受入れ体制を整えて、その後連絡を密にすることで9月から登校することができるようになった例もございます。施設からは、協議会の成果を感じているとの評価をいただいております。

不登校の子どもたちへの有効な支援につながるよう、さらに民間施設との連携を進めていきたいと考えております。

周山幸弘健康福祉部長答弁

ひきこもりの状況について

県では、平成25年と令和元年度にひきこもり等に関する実態調査を実施しており、ひきこもり等の方は令和元年度が1,089人で、前回調査と比べて49人増えております。前回調査と共通した傾向としては、男性が約70%、女性が25%で、男性が女性の3倍程度と高い比率となっております。

年代別では40歳代が最も多くなっており、前回調査と比較して50歳代、60歳代が増えており、高齢化が進んでいる状況がうかがえます。家族構成については、父母との同居がほとんどで、一人暮らしの割合は少なく18%となっております。また、ひきこもり等の期間は、前回調査と同様に10年以上が最も多く、その割合も増えていることから、長期化していることがうかがえます。

なお、この調査については、今年度も実施しているところであります。

周山幸弘健康福祉部長答弁

ひきこもり支援センターについて

県では、平成27年度に心と体の相談センター内にひきこもり支援センターを設置し、各保健所においてもサテライトとして相談に当たっているところであります。

また、各市町村には平成26年度から相談窓口が設けられており、支援センターと連携しながら支援に取り組んでいるところであります。

令和4年度には、国のひきこもり支援推進事業が拡充され、より身近な市町村において相談窓口を設置し、支援の充実を図り、これを都道府県がバックアップする体制構築を推進していくこととされました。

本県では、この補助事業を活用し、5市町においてひきこもり支援コーディネーターによる相談支援や居場所の提供、関係機関との連携による個別支援を行うひきこもり支援ステーション事業が実施されており、また6市町において相談支援や居場所づくり、関係機関とのネットワークづくりなど、地域の特性や状況に応じた支援を行うひきこもりサポート事業が実施されております。

支援センターでは、市町村に対する困難事例などへの技術的な支援や対応力向上を図るための研修会を開催するなど、後方支援に取り組んでおります。

ただ、ひきこもりの問題は、ひきこもりに至った要因が不登校や失業、家庭環境や病気、精神的な不調など背景は様々であり、それらが複合的に絡み合うケースもあって、回復は一進一退となり、支援も長期にわたるものが多くあります。

県としましては、今後とも市町村と連携を取りながら、ひきこもり支援の取組を推進してまいりたいと考えております。

周山幸弘健康福祉部長答弁

絵画や音楽など、多様な特技を生かした就労支援の取組みについて

ひきこもりの方など一般就労が困難な方のうち、障がいのある方が利用できる就労支援事業所の中には、数か所ではありますが、利用者の芸術的な能力を評価し、事業所ホームページなどでの絵画の販売や製品パッケージでのイラストの活用、プロのデザイナーとのコラボによるイベント宣伝用ポスター等のデザイン、似顔絵入りの名刺の販売など、商品化、収益化に取り組んでおられる事業所があります。

eスポーツやアナウンスなどを通して社会参加を促す多様な取組があることは、不登校やひきこもりの子が興味を持てることや得意なことがきっかけとなり、やってみようと前向きな気持ちになれたり、成長することが期待でき、選択肢も広がるので望ましいと考えておりますので、御提案のあったような内容は、また工夫してまいりたいと考えております。

県では、ニート、不登校、ひきこもりなどの困難を有する子ども、若者の居場所を設け、社会体験、就労体験を実施する市町村に運営に係る県単補助金を行っているところであり、こうした多様な取組についても補助の対象として支援しております。

民間団体の方については、市町村からの委託や補助を受けることで、こうした居場所づくりに取り組んでいただけると考えております。

 

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