県議会だより

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平成17年2月議会一般質問(4)

改正油濁法施行に伴う取り組みについて

最後に改正船舶油濁損害賠償保証法の施行に伴う問題について申し上げます。昨日の改正法施行によりPI保険未加入の100tを超える外国籍の船舶は日本国内の港に入港できなくなりました。国土交通省による2月28日までに917隻の申請に対し682隻の証明書を交付したとのことでありますが、関心の北朝鮮籍の船舶については16隻にとどまっており、北朝鮮からのべにずわいカニが水揚げされている境港の水産関係者は大きな不安を抱えております。特に、カニの加工業者にとっては原料確保の観点から死活問題とされ、平年180億円ものカニ関連販売額は120億円に減少するだろうとの観測もあります。県内の旅館、料理店など観光関連事業者にとっても、山陰観光の1つの目玉であるずわいカニやべにずわいカニの確保は大きな問題であり、加工事業者とともに法の施行に伴う影響は大きなものと感じております。
特に、拉致と核兵器問題による北朝鮮への経済制裁への世論の高まりは、国民の80%がこれを容認するとの報道もあり、看過できない状況であります。国の立法や政策の変更などによってまじめな一般事業者が影響を受けた場合、これを保護・支援することは行政のつとめであり、責務だと思います。改正油濁法の施行に伴う関係事業者への支援および経済制裁が発動された際の適切な補償について県知事として積極的な取り組みをしていただきますよう付言して質問を終わります。

澄田知事答弁

改正船舶油濁損害賠償補償法の施行に伴う関係事業者への支援、および経済制裁が発動された際の適切な補償についてお答えします。
ご承知のようにこの法律は、船舶事故に対する原因者負担制度を確立する観点から改正されたものでありますが、法律の施行により、保険への加入率が極めて低い北朝鮮の船舶については、入港が大きく減少すると見込まれることから、カニを輸入している企業をはじめとして、一部の県内企業において経営への影響が出るものと懸念しております。
このため、今後、その正確な実態把握に努めるとともに、影響を受ける企業を受ける対しては、その対処方策について、県としても積極的に関わるとともに、必要に応じて経営相談や金融支援などを行い、経営への影響が最小限にとどまるよう努めてまいります。
また、経済制裁が発動された場合の補償についてでありますが、現在、国において、拉致問題の解決などを目的として、北朝鮮との通商を制限する、いわゆる「経済制裁」についての論議がなされております。私としては、円満に解決されることを期待しておりますが、仮に、経済制裁が発動された場合、船舶の入港禁止などその内容によっては、本県産業に影響が出ることも想定されます。そうした場合には、国に対して必要な対策を求めるなど、適切に対応してまいります。

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