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小生は十六島湾の海岸縁りに住まいし、昭和50年から北浜漁協の市場(十六島地方水産卸売市場)でセリに参加してきました。いまも平田水産株式会社や島根県漁連の松江魚市場の現役構成員です。外国船の操業や資源の枯渇、輸入水産品の増大などにより、漁獲量(水揚高)の減少と魚価の低迷により、漁家経営は危機に瀕しており、漁村は崩壊寸前となっています。
政府は資源保護を理由にした沖合底曳き船団や大型巻き網船団などの廃業を促進(補助金を支給)しましたが、漁労体の減により山陰沖の海は韓国船など外国船に占拠されたと言っても良い状況となっています。県内漁業の操業実態の推移と現状についてお尋ねします。
│掲載日:2007年04月12日│
本県といたしましては、これまで、基幹漁業の再編整備、担い手対策、資源管理や栽培漁業の展開などに取り組んで参りましたが、昭和50年と比較して、漁業生産量や漁業就業者などが大幅に減少しており、この状態を深刻に受け止めなければならないと考えています。
もちろん、この背景には、資源の減少や魚価の低迷、漁業就業者数などの減少といった全国的な傾向があり、例えば、全国の海面漁業生産金額は、昭和60年には2兆2000億円あったものが、平成15年には1兆400億円まで減少し、漁業就業者数も、昭和50年の49万人から平成15年には24万人となっています。漁業の問題は、資源の自然変動など、人為的な関与が困難な要因や、魚価の低迷・外国漁業の関連など、県や漁業関係者のみでは解決困難な課題が多いのも事実であります。
外国漁船の漁法別操業状況ですが、平成11年の新日韓漁業協定以前は、本県沖合の領海十二海里までは、韓国・中国などの外国漁船は自由に操業できておりましたので、正確な漁法別操業状況は把握できておりませんが、水産庁などにより、底びき網やあなご筒などの韓国漁船が、多い年には年間3000隻あまりが現認されております。
新日韓漁業協定の発効後は、我が国排他的経済水域内で操業する場合には許可が必要となり、これまで本県漁船と漁場や資源の巡る競合・トラブルの多かったアナゴ筒、バイかご、ズワイ底曳などの漁業は徐々に許可隻数が減少し、現在は全面禁止となっています。
現在、本県沖合で操業可能な外国漁船の漁業種類及び許可隻数は、韓国のはえ縄漁業294四隻、いか釣漁業380隻、まき網漁業33船団、中国のいか釣漁業55隻で、これらも年々許可隻数、漁獲割当数量は減少しています。
近年は、漁港漁場などの生産基盤や漁村集落の環境整備が進むとともに、基幹漁業の再編整備や日韓新漁業協定の締結により、底びき網などでは、一部資源の回復もあって、一経営体あたりの生産金額は増加するなどの成果も見られますので、関係団体とも連携し、漁業者や市町村の意見を取り入れながら、漁業振興策を推進してまいります。