県議会だより

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平成19年9月議会一般質問(4)

スポーツ競技力の向上について

スポーツ競技者に対する支援体制についてお尋ねいたします。島根国体以来、島根の競技力は低下の一方で、国体順位は40位代後半を行き来しており、まるで私の高校時代の成績表を見る思いがいたしております。それに加えて、近年の財政縮減により、スポーツ競技者に対する強化費は削減の一途でであります。
県体協では賛助会制度を設けて、企業・団体187名、個人713名から、540万円を募金し、競技力強化等に充当していますが、私はもっとこの制度の周知を徹底し、拡大すべきだと思います。社会福祉協議会にも同様の制度があり、県内全世帯と企業・団体、個人等から3億(平成18年度には1億9千万)円を超える会費が集められています。島根県内のスポーツ活動や福祉活動を民間が積極的に支援しようという機運を盛り上げる点で目的は同じで、周知の方法や取り組みに温度差があるように思えます。
丁度、23年には全中が予定されておりますが、ジュニアの強化のように、膨大な時間と労力がかかる地道な取り組みに対する費用負担をどのようにするのか、行政支援に依存するのではない、安定的な財政基盤の確立が不可欠であります。
また、小学校の教員には、是非スポーツ競技の経験者を採用してほしいと思います。子供たちが学校のグランドで嬉々として動き回る姿を見ることは稀となりました。私は、島根の振興、とりわけ、どれだけの勢いがあるかはスポーツの競技力の高低如何と言っても過言ではないと思います。
出雲市には、中国地方で3箇所しかない氷上公式競技が実施可能なリンク、湖遊館があります。アイススケートやカーリング、アイスホッケーの公式競技施設がありながら、これを活かさない手はありません。小学校、中学校、高校の屋外スポーツ競技のオフ対策として有効であるばかりでなく、国体の競技得点にも貢献できる可能性があります。
私は知恵を使うとは、何にお金使うかではなく、できるだけお金を使わずに、あるものを最大限活用して、どうやって効果を上げるかを考えることであると考えております。そうした意味では、出雲市の施設であってもこれを県内施設と位置づけ、教員採用や、配置の際に考慮するだけで大きく展開は変わると思います。
県民が挙って頑張る競技者を応援する体制をつくること、また、いまある施設を最大限活用し、地域スポーツの普及・強化をはかるために少し発想の転換を図るべきであります。
「県の予算が削減されて競技力が低下したと嘆くのでなく、県の予算の高にかかわりなく、財政基盤を確立し、長期的な競技力の普及・強化が図れる体制をつくることが何よりも優先する課題である」と言うことを強調し、所見を伺います。

藤原義光教育長答弁

競技スポーツの支援体制について

議員から御提案のありました島根県体育協会の賛助会員の拡大、全国中学校体育大会開催に備えた強化、運営体制の整備、競技スポーツ経験者の教員採用配置による長期的な競技力の普及強化、湖遊館を活用した氷上スポーツの振興につきましては、基本的に私どもも賛同するとこであります。
御紹介ありましたように、島根県体育協会の平成18年度の賛助会費は540万円ということでありますし、また各競技団体においても自主財源確保のため寄附金の募集などによる強化費の捻出に努力されております。
一般募金という限界、制約がありますが、こうした競技団体の取り組みに対しましては、県としても職員への協力要請や関係団体に対する周知など、でき得る限りの協力をしてまいっておりますし、また今後もそうしていかにゃいかんというふうに思っております。
平成22年、中国地方で全国中学校体育大会が開催されます。本県では、剣道競技と柔道競技が開催される予定になっております。これに備えて競技団体の意見も聞いた上で、本年度から強化運営の中心的役割を担います教員を会場地になります出雲地域と松江地域に配置いたしました。今後はこの教員を中心として開催準備を進めてまいります。
長期的な競技力の普及強化のための教員採用については、採用の募集要項に「採用候補者の選考にあっては、スポーツで特にすぐれた実績などを有してることを考慮する」と掲げておりまして、国際大会などで優秀な成績を上げた選手で、教員としてすぐれた資質を有する者について採用に努めておるところであります。
また、教員の配置については、県立学校では従来から特別体育選任教員を継続配置いたしておりますし、またこの4月からはスポーツ推進教員制度を●創出●いたしまして、こういうふうな取り組みも行っておりますし、また中学校では人事異動ルールの運用によりまして指導者の適切な配置に努めております。
御提案のありました湖遊館を利用した氷上スポーツの振興につきましては、競技の特殊性から、北海道とか東北地方などに比べれば競技力に歴然とした差があるのが事実ではありますが、貴重な施設を有効活用した競技力の向上対策という御提案でありまして、競技団体などと意見交換をしていきたいというふうに思っております。
昭和57年に開催したくにびき国体における島根県選手団の活躍は県民に深い感動をもたらしましたが、四半世紀を経過いたしました今日においては、当時の活躍を知る人が少なくなりつつあります。この4月からくにびき国体で獲得した天皇杯、皇后杯を展示するコーナーを県庁の県民室に設置いたしております。この展示コーナーでは、直近の全国大会などで活躍した本県選手のプロフィールなども紹介いたしております。こうした展示を県民の皆さんにもごらんいただくことでスポーツに取り組む際の励みとなることを期待して行ったものであります。
財政状況が厳しさ増す中にありましても、今後ともさまざまな工夫を行いながら競技スポーツの振興を図ってまいりたいというふうに考えております。

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