県議会だより

Reports

平成20年2月議会一問一答質問(4)

行政の健全性確保について

県の体力の健全性となる部分について総務部長にお尋ねします。島根県のいわゆる不良債権はどのぐらいありますか。また、その債権管理はどうなっていますか。
島根県の債権の中には、かなりの不良化したものがあるようです。クレジットなどの債権の回収の秘訣は、最初の3日間だと聞いたことがありますが、不良化したものについては「損切り」も必要です。県の債権について客観的に審査し、放棄等の手続きを進める第3者機関の設置が必要だと思いますが、知事のご見解をお尋ねします。
県内の治安を司る警察の状況についてお尋ねします。島根県でも、近年、警察官の銃器による自殺がありました。これは警察官による市民の殺人事件だとの指摘がある一方、日本人は自殺に対して寛大です。しかし、県民の安全を守っていただく警察官には、精神的な余裕が必要ですが、ケア体制などはどうなっておりますか。警察本部長にお尋ねします。
次に、県庁の人事システムについてお尋ねします。自画自賛と言われている事業評価のあり方や責任の所在が不明確で、忙しい分野と暇な分野が偏在するとして評判の悪いフラット制やグループ制を改める考えはありませんか。また、人事のサイクルが一律でエキスパートがいないとの指摘が聞かれますがいかがですか。
最後に、知事にお尋ねします。現在の組織は、知事の意図がストレートに反映される執行体制となっていますか。戦略的な課題、例えば、産業振興や少子・高齢対策など部局連携で取り組む課題の多くは中途半端で、食品の安全対策やブランド化などは何年も進展が見られません。私は、総合調整を図る役割、内閣官房のような役割を担う組織が必要だと思いますがいかかですか。

大橋亘県警本部長答弁

警察官の精神的なケア体制について

警察官の銃器による自殺事案というようなことで御指摘がございましたが、本県では、一昨年、昨年と警察官がけん銃を使用して自殺する事案が発生をいたしまして、県警察といたしましては、これを重く受けとめ、職員に対し、与えられた使命、職の重みをしっかりと自覚させるよう、職務倫理教養を徹底しているところでございます。
議員御指摘のとおり、当然のことながら、業務を的確に遂行する上で、個々の職員が心身ともに健康であるということが不可欠でございます。これまでも保健師による巡回指導、あるいは産業医とタイアップした活動、メンタルヘルスセミナーの開催、部外相談窓口の設置等の諸施策を推進してまいりました。さらに、本年4月からは、産業医未設置の小規模の警察署におきましても、新たに健康管理医を嘱託配置するなど、メンタルヘルスを中心といたしました職場健康管理対策をさらに強化することとしております。

加松正利総務部長答弁

債権管理について

県税貸付金などの滞納状況につきまして、平成18年度末時点での収入未済額、普通会計ベースを申し上げますと、合計で約38億円、うち過年度の発生分が約27億円でございます。その内訳で額の大きいものを申し上げますと、県税が約11億4,000万円、うち過年度の発生分が約7億4,000万円、また貸付金元利収入約23億9,000万円、うち過年度発生分約17億4,000万円というふうになっております。過年度発生分の期間別の状況につきましても付言いたしますと、県税で3年以上5年未満のものが約1億9,000万円、5年以上10年未満のものが約7,000万円、10年以上のものが約1,000万円。また、貸付債権の中の中小企業近代化資金で申し上げますと、3年以上5年未満のものが約2億5,000万円、5年以上10年未満のものが約5,000万円、10年以上のものが約1億1,000万円というようになっております。これにつきましては、滞納者に対しまして、書面、電話、戸別訪問によって督促を行いますとともに、差し押さえも含めた徴収の強化を図るなど対応を行っているとこでございます。
また、このほか未収金のほかに、企業局や各種公社のいわゆる含み損につきましても申し上げておきますと、この含み損は企業会計で取得価格すなわち帳簿価格の方が現在の時価よりも高いものでございますけども、企業局の事業資産のうちでこの含み損となる可能性があるものを試算いたしますと、八戸川工業用水道事業が約7億円、江津地域拠点工業団地の未造成部分が約8億円になるものと考えております。
また、各種公社のうちの主なものといたしまして林業公社について申し上げますと、これは総投資額770億円に対して標準伐期に達したものを市場価格で評価し、それ以外を事業に要した費用の合計額で試算いたしますと、約712億円となりまして、この差でありますと約58億円がいわゆる含み損に当たるものと考えております。林業公社におきましては、こうしたこととは別に、林業をめぐる厳しい経営環境のもとで、平成16年度に経営改善策を織り込んで策定した長期経営収支見込みでは、収支不足を約292億円と見込んでおるとこでございまして、現在、次期計画を来年度中に策定すべく公社において検討を開始したとこでございます。
行政評価の関係につきましては、これは効率的な、あるいは社会経済情勢に沿った事業遂行という観点が必要だと考えてますが、その実施方向につきましては、簡素化について今検討しているとこでございます。

加松正利総務部長答弁

人事評価について

フラット化、グループ化でございますけれども、フラット化、グループ化につきましては、これは平成16年度よりそれまでの係制を見直しで導入をしたものでございます。これは従来の係を大ぐくりにして業務遂行の柔軟性、機動性を高める、あるいは総戦力化により事務対応能力を充実強化する。さらに、中間の階層を少なくして、意思決定を迅速化することを目的とするものでございまして、その効果は相当程度上がっていると考えられますが、他方で、グループリーダーに業務が集中し、効率化、迅速化が十分に機能していない。若手職員の指導育成や中堅職員の活性化が図られていないなど、議員の皆様や職員などから問題点やさまざまな御意見をいただいているとこでございます。
このように、いろいろな御意見もいただいてますので、このフラット化、グループ化のメリットを生かしながら、どのようにしたらよりよい組織となるのか、見直しの検討を進めていきたいと考えております。
また、人事異動サイクルとの関係で、エキスパートの養成が必要ではないかという点につきましては、これはおっしゃるとおり、専門的な経験、能力を有する職員の育成配置というのは重要になってきておると考えております。今年度におきましても、産業振興分野、情報政策分野などの特定の行政分野につきまして、経験者の配置ですとか、同一所属あるいは同一職務に3年を超えての人事異動を行っておりますけども、今後におきましても、必要に応じて通常の3年の人事ローテーションにかかわらず、こういうふうな対応、経験者の配置等を柔軟に行っていきたいと考えております。

溝口善兵衛知事答弁

債権放棄と知事官房機能について

一般論としてそういうことも研究すべき一つの課題だろうと思います。しかし、県の債権はやはり公的な財産でありますから、債権放棄には慎重を期さなければいけないということがあります。財政、それから厳しい折、未収金の収納、やはり努めていかなきゃいかんという問題があります。それから、債権の種類によっていろいろ性格が違うわけでございますから、仮に債務者が倒産したような場合、あるいは徴収が難しいと、もうそれは明らかになったような場合、債権によっていつの時点でどういうような判断をすべきかというのは、これは違い得ると思いますから、よくどういう対応が適切なのか研究してみたいと思います。そういう過程の中で、御指摘のような第三者機関のようなものが要るのかどうかも検討してみたいと考えておるところであります。
私が知事になりまして、澄田知事さんのもとでの体制を引き継いでまいっております。そこで、大体その体制で動いてきておると、私自身は思っております。私の重要課題であります財政の健全化でありますとか、あるいは産業振興だとか、関係するとこも多いわけでありますけども、少なくとも県庁全体として、あるいは幹部の職員の皆さん一緒になってその方向に進んでおるというふうには思っております。
しかし、外から見ますと、今おっしゃったような県の対応のおくれとか、そういう問題があると思います。私はそういう問題をやっぱりなるべく早く取り上げて対応するようなことも、我々として努力していかなきゃいかんと思っております。そのためにどういう対応がいいのかということについては、さらによく勉強をしてみたいと思います。おっしゃるように、組織全体が一つの方向に向かうようにしませんと、これはなかなかうまくいきません。それは私の過去の経験からでもそうで、別に県庁だけの経験じゃありませんけども、そう思います。
1つ、私がやっているのは、少なくとも政策レベルの議論は、なるべく敏速に私と管理職員の間でできるようにしようということで、いろいろな方向が決まる前に前広の相談をしてもらうとか、あるいはそれに対して私が、物事が決まってから上がってくるんじゃなくてまだやわらかい段階で指示をするとか、そういうために毎週幹部の会合をやっております。2つに分けて、副知事以下官房に近い人たちを集めて、その後に部長以上の会合をやっておりまして、それもそういう考えからやっているわけでございますけども、そういう点をさらに強化していくということも私の一つの課題だと考えておりますので、よく勉強してまいります。

過去の投稿

園山繁の活動日誌