県議会だより

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平成20年2月議会一問一答質問(3)

安心行政について

子育ての安心について何点かお尋ねします。県内市町村の妊婦の健康診査への公費助成と産科の診療施設や医師の配置の状況について、健康福祉部長にお尋ねします。
だんだん、産む施設や地域が限られてきたように感じますが、育てる施設である保育所はどうでしょうか。県内の保育所の設置状況と乳児保育、夜間、24時間サービスの状況についてお尋ねします。保育施設の充実は、病院や介護施設など24時間サービスのマンパワー確保のためにはどうしても必要な施策でありますので、これらの定着にご配慮下さい。
次に、学校への信頼を高めるために県内学童・生徒の学力向上についてお尋ねします。先日の46位という新聞報道はショックでした。子どもの学力が国体の競技力とほぼどっこいではいけません。島村抱月は「出雲人」で「出雲人、文もせず武もせず、茶のみを食らう」と言っておりますが、もはや、学力非常事態宣言が必要だと思います。学力テストの状況と成績上位学校の取り組みを学校現場の指導にどう活かすのか、教育長にお尋ねします。
産み、育てるというところの最初、即ち、妊娠、出産、保育に至る、一番不安な時期の出産・育児支援部分が核家族化によって、家族の支援が希薄となり、社会にその役割が期待されています。また、学業の不振や不登校などの問題は、全国一の夫婦共稼ぎ家庭比率などによる家庭の教育力の不足もあるのではと思います。知事にお尋ねしますが、こうした問題に県としてどう対処されますか。

法正良一健康福祉部長答弁

妊婦の健康診査について

妊婦健診でありますけども、まず一般的に妊婦の健康管理という面から、出産までに大体13回から14回程度健診を受けることが望ましいというふうにされております。公費による妊婦健診、これはやはり該当者の経済的な負担の軽減、こういった面からも重要であるというふうに思っております。平成18年度の状況では、県内のすべての市町村におきます公費負担による妊婦健診というのは、大体2回から4回でありました。一番多いところで4回で、多くは2回でありました。これはこの点につきまして、国は平成19年度から市町村への財政的な手当て、交付税措置をした、拡充をしたということがございます。県といたしましても、市町村に対して、公費負担の拡充、こういったことにぜひ取り組んでいただきたいと、こういった働きかけをしてまいりましたし、また検査の項目、共通的な項目とか、あるいは単価の調整、こういったことも働きかけてまいりました。その結果でありますけども、平成19年度には12市町村が回数をふやしました。来年度におきましては、県内すべての市町村におきまして、最低5回、要するに5回以上の公費負担による妊婦健診が行われるという予定でございます。
それから、妊婦健診ができる施設の状況ということがございました。この健診ができる県内の医療機関でございますけども、病院が18、それから診療所、開業医さんでありますけども、これが14ということで、32施設でその健診ができるという状況にございます。
それと、一方で医師不足が非常に大変な課題であるわけですけども、関連いたしまして、県内におきます分娩を取り扱う医師の数でありますけども、ことしの1月現在では、県内で52名という状況でございます。病院で42名、開業医、診療所で10機関10名という状況でございます。これは18年4月に同じような調査をしたことがございますけれども、これと比べると、医師の数で5名減少しているという状況にございます。今後、医師の確保ということが大きな課題でありますけども、一方で、分娩を扱う診療所、開業医の先生方の高齢化、こういったことも非常に進んでおります。今後も医師あるいは施設の減少、このことも懸念はしているとこでありまして、医師確保ということについて強力に取り組んでいきたいというふうに思っております。

法正良一健康福祉部長答弁

保育サービスについて

御指摘ありました、今、保育、子育ての過程での保育所の問題でございます。
お話ありましたように、県内におきます保育所の状況でございますけれども、平成19年10月の段階で269カ所、入所人員が1万9,871人、2万人弱であります。こういった状況でございます。これは5年前と比べますと、施設数につきましては、統廃合があっておりますので6カ所の増でございますが、入所している子供の数は2,200人ふえているという状況にございます。
それから、お話にありましたゼロ歳児、いわゆる乳児保育でありますけれども、これについては、平成19年には1,858人でありました。これも5年前と比べますと440人の増という状況にございます。
さらに、24時間とかあるいは休日保育と、こういった点についてもお話ありました。24時間あるいは長時間保育と、こういったサービスは、24時間の保育サービスは県内2カ所で行われております。議員からお話ありましたように、益田の医師会病院における院内の保育所もそれに含まれてございます。それからまた、24時間という体制にはなっておりませんが、夜の10時でありますとか深夜まで長時間保育を行っている保育施設も5カ所ございます。それから、休日等の保育の状況でありますけれども、休日保育は、平成19年度では23施設、4,908人、約5,000人弱であります。これは平成15年の当時と比べますと、施設数あるいはその入所している子供の数というのは、いずれも約倍ということになっております。また、院内の保育施設で休日を行っている保育施設も5カ所ございます。
先ほど申し上げましたように、5年前との比較を申し上げましたが、いずれもそういった意味で、保育の数、いわゆる子供の数がふえているという状況がございます。このことは、やはりそういったニーズといいますか需要があるということでもあろうというふうに思っております。そういった点で、例えば24時間の保育でありますとか、いろいろ運営上の課題もございますけれども、さまざまな休日保育でありますとか、あるいは病児病後児保育と、こういった特別保育も含めまして、その運営費を支援していくような仕組み、こういったことについても考えていきたい、検討していきたいというように思っております。

藤原義光教育長答弁

教育非常事態宣言について

先日の報道をされましたのは、ベネッセの方で分析した結果でありまして、ことし、この間の報道に限らず、近年非常に下位に甘んじてるというのは承知しておりまして、私の方も憂慮しておるところであります。
この調査そのものが、必ずしも正確にあらわしてるかというとこについては、いろいろ分析してみる部分もありまして、例えば都市部は非常に私立学校の志向が強い中で、島根県の場合は、特に保護者が、国公立の方にいわばだめもとでも一たんは国公立のセンター試験受けてみりゃというふうな形の場合が非常に多いということ、あるいは浪人の数が多いと、非常にどうしても点数が高くとれる、それだけ学力がアップしておる、そういうふうな問題とかいろいろあるわけではありますが、どうであろうが、近年下がっておるということは、これは間違いのないことであります。過去におきましては、同じようなテストに、センター試験にあっても、島根県中位段階のときもあっております。近年下がっているということについては、もう少し原因を詳細に分析する必要がありますが、例えば去年文部科学省が行いました小学校の6年生、中学校の3年生の全国の学力調査、これと今回のセンター試験とリンクしておりません。文部科学省の調査は、東北の各県は押しなべて高かったわけでありますが、今回傾向とします都市部が非常に高く出ておるというふうな傾向がありまして、必ずしもリンクしてないというようなこともあります。
いずれにしても、この状況については、非常事態という話がございましたが、宣言をするかしないかは別としまして、非常な非常事態だというふうに考えておりまして、そうしたことからも、これまでも18、19年度と県単の学力調査を行いまして、生徒の学力を分析する中で対策を講じていくということにいたしておるとこでございまして、すぐにはこれは効果が出てまいりませんが、こうした取り組みを行うことによりまして、できるだけ早く効果が出てほしいなというふうに思っております。

溝口善兵衛知事答弁

教育力の再生について

御指摘のように、核家族化が進み、あるいは夫婦で一緒に働かれると、そうすると子供さんたちを見る、過去と比べれば、大人がテイクケアするといったことが少なくなるわけであります。そういう意味で、そういう補完をどうするかという問題があります。放課後、学校でたしか活動できるような場があったりいろいろします。そういうことも行政として進めていく必要があります。
それから、この問題は、私は東京にもいましたから、そういうところと比較してみるとわかるんですけども、さっき教育長も言いましたけども、戦後の教育の中で、公立高校とかに対する評価が変わってまいりまして、特に大都市部において、中学校から私立に行く、そのためには試験に通らなきゃいかんということになります。そうすると、もう小学校からそのための準備を始めるということが起こるわけです。それから、公立中学に行っても、今度は高校の段階でどうするということになりますから、総体的に大都市の子供たちの方が早い時期から勉強モードというんですか、そういうモードにいや応なく入らされるというところが、私はあるんじゃないかと思います。それが多分学力にも出てると思います。この前の新聞発表を見ますと、上の方はほとんど大都市地域です。下の方は大体この島根と同じようにゆったりした地域でありまして、そこは画然と分かれております。したがって、それは教育の問題というよりも、そういうどういう時期から子供がそういうモードに入っていくかということにも関係してる問題でありまして、そういう観点からもよく考えなきゃいかんと思いますし、いずれまたそういうモードに入っていくわけです。その時期が早いかどうか。早いのがいいのか、あるいは遅くても大丈夫なのか。いろいろ検討する必要があろうかと思いますが、そういう問題も含めましてよく考えていかなければならないというふうに思っております。

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