県議会だより

Reports

平成20年11月定例議会一般質問(4)

観光振興と金融支援について

出雲空港や松江駅で、あるいは宿泊しているホテルや温泉旅館で県内観光地へのオプショナルツアーを探してもほとんどありません。
県内の観光はほとんどが発地型の商品で、着地型の商品はほとんど用意されていないのです。従来は定期観光バスがいくらか用意されていましたが、現在はほとんど姿を消してしまいました。松江のぐるっとバスや堀川遊覧船など個別には良いメニューがありますが、コーディネートされたものはほとんどありません。
しまね観光立県条例が制定されたこともあり、観光立県にふさわしいあり方を検討するなかで、着地型のサービスが提供できるような取り組みを期待したいと思います。
例えば、たくさんある発地型の商品の情報を一元的に管理して、空きがあれば紹介・斡旋する仕組みをつくればかなりのメニューが提供できるのではないかと思います。
来年5月、ホーランエンヤーが開催されます。12年ぶりの日本3大船神事への期待は大きいものがあります。しかし、大橋川沿線は12年前に比べてマンションや新しいビルが建設され、せっかくの神事を見学できるスポットは極めて限られているのです。
そこで、是非、県有地や国有地を活用した桟敷の設置を検討されたいと思うのです。一部、松江の地方合庁附近で検討されているようですが、たくさんの人たちが有料で構わないと思います。
そこで知事にお尋ねしますが、着地型商品の提供ができる体制整備を考えるべきだと思いますがいかがでしょうか。また、来年のホーランエンヤーに対する取り組みについてはどのようにお考えになりますか。

また、旅館、ホテルなどイニシャルコストのかかる観光関連業種に対する税制優遇措置を検討されたい。現在、出雲大社や石見銀山、アクアス、だんだんなどの効果でせっかく、増加している観光客があるのに、十分な施設整備が整っていないため、他地域で宿泊する例は多いのです。
現下の厳しい経済情勢は猶予ならざる事態で、製造業にあっては急激な需要の落ち込みによって、自動車や弱電などの関連分野では、生産計画が立てられない状況もあると聞いている。制度金融の遺漏なきを期すためには責任共有制の一時棚上げが不可欠です。
加えて、運転資金の供給も必要ですが、利益が低下し、キャッシュフローが低下した場合は、既存債務の繰り延べが大きな効果を出すのです。しかし、返済条件の変更は、信用カテゴリーの低下となり、新規融資の阻害要因となりがちで、企業経営者は容易に受け入れがたく、条件変更によって経営環境が改善できる場合は信用カテゴリーを変更しないようなルール改正が必要だと思います。
そこで知事にお尋ねしますが、旅館・ホテルなどの投資促進を図るための優遇策をとるお考えはありませんか。また、信用保証制度の足枷になっている責任共有制の棚上げをすべきだと考えますが、いかがでしょうか。また、運転資金の追加融資に偏りがちな制度金融の視点を改めるべきだと考えますがいかがでしょうか。

溝口善兵衛知事答弁

着地型の観光商品提供と金融支援について

着地型旅行商品の提供についての御質問がございました。
着地型の観光というのもだんだん需要がふえておるわけでございまして、島根県においても、数はそうまだ多くはありませんけども、そういった商品の開発も行われております。こういう着地型旅行商品の開発をさらに進めるよう、何ができるか検討してまいります。それから、やはり着地型商品が、全国の人々に知られるということが大事でございまして、そういう面で情報の発信をどういうふうにしたらいいのかとか、販売力の強化をどうしたらいいのかといったような点につきましても研究してまいりたいと思うところであります。
それから、それに関連しまして、ホーランエンヤーのための桟敷席の設置についての質問がありました。
これは御指摘にもありましたが、事業実施主体であります伝統ホーランエンヤー協賛会というものがありまして、そこで桟敷席の設置計画が進められていると聞いております。できるだけ多くの方々にこのホーランエンヤーの魅力を満喫していただけるよう、桟敷席の設置など観覧場所の確保や運営方法につきまして、地元の関係者の方々とも相談しながら検討を進めたいと思います。
それから、旅館、ホテルなどの設備投資促進のための減税についてどう考えるかというお話がございました。
御指摘のように、昨今の顧客のニーズからいたしますと、大部屋から個人客に対応した間取りへの改装でありますとか、あるいは清潔で快適なバス、トイレの改修など、課題はたくさんあるわけでございます。そういう面におきましては、県の制度としては制度融資を活用していただくというのが一つでございます。税負担の軽減につきましては、観光業に特定して行っておるわけではありませんが、その面でどういうことが可能なのか。これは税の公平性という問題がございますので、なかなか難しい問題がございますけども、市町村を初めどういうことが可能であるのかは検討してまた御報告をいたしたいというふうに思います。
それから、中小企業を取り巻く資金調達環境が非常に厳しくなってることと関連しまして、責任共有制という問題について議論がございました。
国の保証制度、国の制度に基づきまして、県でも保証制度というのがあるわけでございますけれども、全部公的な資金で保証をしますと、リスク管理等について行き過ぎが起こったりするケースがあるということで、近年でありますけども、金融機関も単に資金を貸して保証は全部公的機関で行うということではなくて、金融機関も一定のリスクを負担をするということで、共有の制度が導入されたわけでございます。これが資金の融通に対して一定の●制限をかける●効果は持っているわけでございますけれども、金融が非常に逼迫したときなどは、これが行き過ぎになる可能性があるわけでございまして、そういう観点から、今般の政府の経済対策では、対象業種を非常に拡大をしまして、共有なしの貸し付け、保証を非常にふやすような仕組みにしたわけでございます。
議員の御指摘は、この対象業種を、全く制限業種をないようにしたらどうかということでございます。私も、金融の逼迫する時期でありますし、経済危機が生じておるわけでございますから、特例的な措置を、国に対して、私どもも求めてまいりたいと思いますけれども、それにつきましては、まだこれからのことでございますけども、皆さんとも相談しながら、要請をしてまいりたいというふうに考えているところであります。
ただ、政府の今回の措置で、かなりの業種が共有制度から外れることになります。一部まだ残ってるところがございますから、そういう点は念頭に置きながら対応していきたいというふうに思います。
企業に対する融資に関連をしまして、これまであった債務を一たん返済して新規に借り入れると、それで返済条件を変更するといった場合に信用力の評価が変わらないようにしてもらいたいと、そういう改正をすべきではないかという御指示だったかと思いますけども、おっしゃるように、厳しい経営環境の中で中小企業からの新規融資や借りかえ要望への対応、あるいは企業借入金の返済条件の緩和等につきまして、弾力的な取り扱いが急務、必要な状況になってると思います。
他方で、信用カテゴリというのは全国統一基準で定められておるということで、ルールの改正自体は直ちに難しいのではないかと思いますが、これに関連しましても、関係方面に意見なども聞いてまいりたいと思います。ただ、議員御指摘のように、経営改善に向けて、キャッシュフローの範囲内で返済を認める条件変更は必要であると、貸付条件の変更は必要であると思います。企業の特性に応じて弾力的に対応していただくよう、改めて各金融機関、信用保証協会に対して要請をしてまいりたいと考えているところであります。以上であります。

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