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環境に優しいと言われる脱化石燃料への取り組みについてお尋ねします。
2年ほど前、宍道湖の夕日観覧の障害になるとして北山の風力発電所事業の反対運動がありました。工事はほとんど終了し、近く営業稼働するとのことですが、静かなことで、あの環境論争は何だったのかとさえ思うのですが、まず知事に、風力発電施設の感想についてお尋ねします。
化石燃料に代わるとすれば、バイオマスで、代表的なものが水素と植物、とりわけ木材だと思います。島根県は全国名うての森林県であり、それこそ山はやまほどあります。そこでお尋ねするのですが、島根県の森林面積とうち人工林の面積と植栽量、そのうち8齢級以上の量はいくらですか。
少し乱暴ですが、木質の持つエネルギーを比較するために、県内の人工林で切時を過ぎている8齢級以上の木材を原油に換算するといくらですか。
日本の原油輸入量は1500万バーレル約2億4000万㌔㍑ですから、その 分の1にはなるわけです。でも、木は切らないと一銭にもなりませんし、活用もできません。ちょうど、政府の雇用対策もありますので、ここは県内木材産業に神風が吹いてきたと思います。建設業とのコラボレーションで作業道の整備もできるそうであり、ここは、徹底した林野政策の転換で森林をエネルギー資源循環の場として整備する千載一遇のチャンスだと思います。知事さん、林業公社のみならず、目前の赤字にとらわれず、この際、転換の舵をきるべきだと思いますがいかがでしょうか。
政府はソーラーや燃料電池について従来からの支援を拡大してこれの普及を図るとしていますが、県の取り組みはどうするのですか。
環境や景観からすれば、これからのインフラ整備には電線の地中化が必要で、計画的な取り組みが必要だと思います。今後どのように進めていきますか。
環境に優しいと言えば、電車で、近ごろ一畑電車はレトロ電車として年間4万人近く一般乗降客が増加したそうですが経営状況はいかがですか。
錦織良成監督の映画BATADENは今春から制作がはじまり、2年後に全国150館で公開されると聞いています。この映画にはデハニ50型という全国最古級の電車が登場するようですが、デハニ50型とはどんなものですか。
知事は一畑電車は地域資源であるとの認識を示されております。私は、一畑電車は住民の大事な生活の足のみならず、宍道湖や斐川平野の自然景観、パノラマを満喫できる観光資源としての活用が考えられると思います。デハニ50型車両が映画に登場し、「それに乗りたい」と全国からお客様がお越しになったとき「もう走っていません」ではいかがなものかと思います。デハニ50型車両は経年劣化いわゆる老朽化で、今月末で引退と聞いておりますが、県として何か手立てを講ずる考えはありませんか。修繕が難しいのであれば、現在の一畑電車の車両は南海電鉄や東武鉄道の中古車両を改造したもので、そろそろ更新を考える時期でもあり、その際、デハニ50型の復刻を検討してはと思うのですがご見解をお尋ねします。
│掲載日:2009年03月03日│
この風力発電は、新しいエネルギーを活用するということで、日本全体あるいは世界全体にとって大事なことでありますし、それからそういう面で大きな役割を果たしていると思います。今後もそういう可能性を追求していく必要があろうと思います。
また、この風力発電所を設置するに際しては、景観についての議論もあったということを聞いておりますが、そこら辺も夕日スポットに当たらないような立地を考えるとか、いろんなことを考えた上でやってこられているというふうに理解をしております。
私もデハニ50形、この車両の魅力、よく承知をしております。できることなら残したほうがいいというふうに思っております。残し方としては、聞きましたところ、1つは今ある車両を改造してやるということ、もう一つは別の新しいものを復刻でつくるというやり方があるようです。改造のほうはもう車両が古いというようなことで、安全性から使用ができないというふうな報告を受けていますが、私は本当にそうなのか確認をする必要があるというふうに言っております。国交省等の基準等からすれば難しいようでありますけども、確認をする価値はあるというふうに考えております。
もう一つは、復刻でつくるということでありますが、これはやればできないことはないと思いますが、多分コストが非常にかかるだろうということのようであります。そうした場合に、一畑電車では経営に大きく影響しますから、今のところではそういうものを建造するという考えはないようでありますけども、それも確認をする必要があります。
他方で、今度錦織監督の映画ができ、またこのデハニ形車両というものが多くの人に関心を持たれる可能性も非常にあるわけでございまして、そうすると一つの観光資源ですね、それは通常の経営の中じゃできないけども、そういうコストを公的な負担等によって可能かどうかというチェックをする必要があります。まだそういう検討が全部終わったと、これでもう結論が出ているということではないようでありますから、どういう可能性があるのか、その研究をやってまいりたいと思っております。その上で皆さんにも御意見をお聞きしたりしまして、最終的に決定してはどうかというふうに考えているところであります。
お尋ねの件は、1つは林業公社の経営に関してでもあります。その点について申し上げますと、林業公社の収支不足が見込まれますから、経営の健全化のために長期伐採を主体とした経営改善が図られておるわけでありますが、その場合でも伐採の時期を80年に延ばしても、その間に全く伐採がないということじゃないようでありまして、46年から60年の間に30%から50%の高率の抜き刈りを2回ぐらい行いまして、バイオマスの利用を含めました木材の生産を図るということになっております。
それからもう一つ、伐採を、間伐等をきちっと行っていくと、これは大事な課題でございます。そうすることによって収益を山元に還元していくというふうに、県としても心がけていっておるところでございます。
それから、木材の需要拡大ということでは、材木として利用する、最近合板用の木材の需要もふえております。それから、バイオマスのための木材需要も今後ふえるわけでございますから、木材の伐採、収集、運搬にかかわるコストを軽減するということも必要な課題となっているわけでございまして、今回のこの経済対策を活用いたしまして、作業道の整備等も進めておるということでございます。
いずれにしましても、森林を木材として有効に活用していく工夫を今後とも続けていきたいと考えているところであります。
まず、島根県の森林面積が52万ヘクタール、そのうちの49万ヘクタール、94%が民有林でございます。
また、民有林の人工林面積は19万ヘクタールで、その資源量が5,200万立方メートルでございます。
また、切りどき、8齢級以上の人工林面積が約10万ヘクタールでございます。人工林の55%に相当します。そして、その資源量は3,500万立方メートルでございます。
この3,500万立方メートル、この熱量を原油に換算いたしますと、約3万キロバレル、490万キロリットルになります。このエネルギー量は、県の総世帯数、26万戸ございますが、この15年分の消費量に相当いたします。
一畑電鉄のお話でございますが、今年度の一畑電車の経営状況については、まず利用者でございますが、昨年のこの一畑電車にお乗りになった方は年間約140万人でございました。これは平成20年度は、これは3月末の見込みでございますけれども、順調に伸びておりまして、最終的には147万人、7万人の増ぐらいに達するのではないかと思っております。理由としては幾つか考えられますけれども、出雲大社の本殿の特別拝観あるいは「だんだん」の放映開始、あるいは一時期ございましたガソリンの高騰などによる通勤の方が電車に転換する、こういったような利用が考えられます。
経営のほうでございますけれども、営業収益がこの利用者の増加に伴いまして年間約3,000万円程度増加する見込みでございます。しかしながら、収支で申し上げますと、19年度が2億5,000万円の赤字でございましたが、この営業収益の増大のもとに、今年度は多分2億2,000万円ぐらいの赤字に縮小されるものではないかと思っています。
依然として厳しい経営状況にございますので、今後も利用者増の取り組みが必要であることについては、変わりはないというぐあいに認識をしております。
もう一つ御質問ございました、そもそもデハニ50形とは何かと、こういうようなことでございますが、これは一畑電鉄が現在2両これを所有をしております。1両は昭和3年製造のデハニ52号、それからもう一両は昭和4年製造のデハニ53号の2両でございます。木製のボディーでございますとか窓枠、それから手動であける扉、それから荷物室といったものが現在も製造当時のままの姿を残しております。現役の電車としては県内で最も古い部類に属しまして、全国的にも大変貴重なものだということになっております。
これは、この2両とも既に定時運行からは引退をしておりますが、車内を改造いたしまして夏のビール電車、あるいはこういった古い電車を目的においでになります団体観光客向けの現在は貸し切り列車として人気を集めております。
とりわけ、昨年の4月に錦織監督がこの電車をテーマに映画を撮ると、あるいはこれが21年3月をもって引退すると、こういったような声が出ましてから予約が急増しておりまして、この1月末までのところでございますけれども、20年度4月からこの1月までのところでございますけれども、7,120人の方にこれを貸し切りとして御利用いただいているというような状況でございます。以上でございます。
最初に、太陽光発電のお話をさせていただきます。
国におきましては、新たに1キロワット当たり7万円を補助すると、こういう補助制度をことしから復活をされました。この募集がもう1月から始まっております。県といたしましては、この事務を取り扱っておられますしまね自然と環境財団、これと連携を図りながら導入が促進されるように努めてまいりたい、このように思っております。
また、民間事業者の皆さん方も随分この太陽光発電の導入機運というのが高まっておりますので、この機会に県内の大規模事業者へ導入依頼を行いまして、導入促進を図っていきたいと思っております。
それから、燃料電池のお話がございましたが、これは発電効率が非常に高くて、CO2の発生量も少ない、環境に優しいクリーンなエネルギーと言われております。ことし5月以降になりますけれども、一般家庭用の太陽電池の発電機の発売が始められるというぐあいに聞いております。そのほかにも自動車を燃料電池で走らせる、こういうような計画もございまして、いろんな部門での活用が期待をされております。
しかし、コストがまだ非常に高いということもございますので、まだまだ普及に向けては課題が多いというぐあいに考えております。今後の技術開発等に注目をしているところでございます。
電線類の地中化のことでございますけども、この電線類の地中化といいますのは景観の向上に加えまして、都市災害の防止や安全で快適な歩行空間の確保という面からも重要なインフラ整備であると考えております。
島根県につきましては、昭和61年度から順次5カ年計画を策定し、計画的に進めているところでございます。今年度は、平成16年度からの5カ年計画の最終年度ということに当たりますが、この5年間で国、県、市町村が管理するそれぞれの道路、合計で23キロの整備が完了いたしまして、平成20年度末までの整備延長は73キロに達する見込みでございます。
現在、平成21年度からの次期5カ年計画を策定中でございますが、その計画におきましても市街地の幹線道路の重点的整備の柱といたしまして、歴史的町並みの保全が必要な地区での整備あるいは街路事業とあわせた効率的な整備手法を用いながら、これまでと同等のペースで引き続き電線の地中化を推進してまいりたいと考えております。