県議会だより

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平成21年11月一般質問(3)

地域の伝統文化資源の継承について

高齢化の急速な進展によって、地域の神楽や獅子舞、民話などの継承が危機に瀕しております。
玉造温泉の検番が廃業して、県内では芸妓が一人も居なくなり地域の歌舞音曲についても継承者がなくなりました。
そこで、地域振興部長にお尋ねします。県内の民俗資料の収集状況はどうなっていますか。また、市町村と協力してさまざまな伝統芸能や民話などを調査し、DVDで記録してはいかがでしょうか。
京都で舞妓や芸妓が居なくなれば、京都の風物詩がなくなるように、玉造温泉で技芸が成り立たなくなるようでは、やがて島根の安来節や関の五本松節、しげさ節などが売り物でなくなってしまうと思います。
私は、芸妓のような職業が存置できるか否かは地域に余力があるかどうか、つまり、潜在的な地域力のバロメーターだと思います。衣、食、住の必要不可欠なものと、それがあることで潤いや癒し、楽しみとなるようなものがあってこそ、業として成り立つ地域であることが、ある面、豊かさなのかも知れません。そうした意味では、島根のもつ力が低下しているように思います。知事の認識はいかがでしょうか。

溝口善兵衛知事

地域力の低下について

ご指摘の面は大いにあると思います。それから、他方で人々の趣向といいますか、嗜好が変化もありますね。そういうものが維持できるような需要があるのかということにも依存しているわけですね。だから、需要がないということは、そういう意味じゃ力が低下しているということにもなるということでありますが、しかしいずれにしましても、芸妓さんという形であれ何であれ、伝統的な芸能あるいは文化といったものは、やっぱり我々の生活なりいろんなものを豊かにする一つの大きなものだということは大勢の人に認識をされてきておるわけでありまして、私もその意見を持っているわけですけれども、そういう意味で芸妓さんという形でなくても、ほかの形で同好者の方がそういうものを引き継いでいくとか、あるいは地域の人がやるとか、そういうことも考えていかなければならないというふうに考えているとこであります。

長谷川真二地域振興部長答弁

地域習俗の伝承保存について

中山間地域活性化計画の中でも、そういうふうな集落が危機に瀕してるというふうな話で、いろいろと地域の歴史とか、文化伝承というふうなものの中、必要に応じて残していかなければならないというふうなことも計画として入れておるところでございます。実際にそういうふうな民俗資料というふうなものを収集した例というふうなことで少しお話をさせていただきますと、市町村では当然地域で郷土史の編さんですとか、伝統芸能を継承するために資料編集なんかが行われておりまして、県としましても、そういうものについては支援をした例もございます。県が直接やった例としましては、地域振興部で平成11年から12年にかけまして、これは地域活性化の観点ということでありますが、県内全市町村で住民の方々の御協力をいただきまして、古くから語り継がれている民話ですとか童歌などを地域資源として調査した例がございます。また、教育委員会におきましても、祭礼行事などの民俗資料の調査研究が行われておりまして、ちょっと古くなりますが、昭和61年には県内各地で伝承されてきました童歌ですとか、盆踊り歌、それから田植え歌など、民謡を800以上調査をしたこともございますし、平成元年には神楽を始めとして民俗芸能200件以上のものを調査したというふうな報告書等もあります。今おっしゃいますようなまだほかにもいろいろと地域にはいろいろな伝統文化というふうなものが地域の貴重な財産として残っておるわけでございまして、これにつきましても今先ほどDVDというふうなことをおっしゃいましたけども、教育委員会のほうでは、平成5年から神楽とか祭りなどを映像記録という形で、これは指定文化財を中心として、先ほど言いました平成元年に調査したものをさらにそれを深めるという形になっておりますが、そういう形で調査をしておるとこでございます。そういうことがありましても、今後市町村とも協力しながら、そういうふうな何か地域の残しておかなければならない、これは何を残しておかなければならないのかというふうな議論もございますし、また地域の御協力も不可欠ということがありますので、教育委員会とも連携しまして、市町村と一緒になって今後考えていきたいというふうに考えています。

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