県議会だより

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平成22年2月定例会一般質問(5)

島根らしさと人口減少について

にほんばし島根館や島根県の観光情報説明会などでは「島根らしさ」という言葉がしばしば使われるが、「島根らしさ」とはいったいどのようなものだろうか。
島根の価値がしっかりと評価されれば、人口減少は防止できるかも知れない。必ずしも市町村合併が人口減少を加速させたとは言わないが、そのようなことはないと言い切れるだろうか。
島根県の人口減少の原因をしっかりと研究・検証し、有効な対策を講じなければ、県の活性化も明るい未来もない。昨年1年間の自然動態は、-3244人(出生数5615人、死亡数8859人)、社会動態が、-1601人であり、出生数を向上させることと、人口流失を食い止め、他地域からの移入を進めなければならない。島根県の住民は従順で、県や市町村の指図に従い、生活してきた。行政の見込み違いによって地域が疲弊し、住民が困惑するようでは、県勢振興と県民福祉の増進を掲げる政治の目的からして本末転倒であり、県民が活き活きと、豊かに、安心して暮らしていけるように、皆で励み、協力したいものである。

溝口善兵衛知事答弁

人口減少について

近年の島根県の人口は、年間大体5,000人ぐらい減っておりますね。10年これが続くと5万人減るということであります。内容は、よく御承知のように、自然増減と社会増減があるわけです。自然増減は、出生数を上回る死亡者の数で人口が減るわけですが、これが大体3,000人近くあるわけです。これは長年かかって高齢者の比率が高まり、若年者の比率が減っておるわけですから、この状況は短期間ではなかなか変わらない、これは停留値として続くということを想定をある程度せざるを得ないと思います。
しかし、政策としてできるのは、社会増減は別としまして、今いる人たちが多く子どもさんを産んで育てるような環境をつくるということがあるわけでありますが、それにつきましては子育て支援でありますとか、午前中の議論でもいろいろお話し申し上げましたが、そうした対策を県として講じてきておる、引き続きこの点につきましても努力をしたいというふうに思います。
それから、社会増減が2,000人程度あるわけであります。これは県外就職などで若い人たちが県外に出る、一方で入ってくる人もいるということの差であります。これは県の産業振興をすることによって、この地に職場をふやす、雇用の場をふやす、そうすると県外に出なくても島根の中で生活できるわけですから、社会流出は減るわけです。そうすると、社会増減は小さくなる。
そういう意味で、県としてやるべきことは、やはり産業の振興を行う。そのためには、企業誘致ということもあります。それから、製造業、物づくり業、IT産業、観光、農林水産業、林業もあります。あらゆる分野で雇用の場をふえるように産業を振興しなければならない。そのためには、どこの企業も競争してるわけでありますから、結局は島根の外のマーケット、大きく拡大するマーケットで喜んで使ってもらえるようなものをつくらないといかんわけであります。品種の改良をする、あるいはコストを下げて安くつくる、新しいものをつくる、そういう努力をしなきゃいかん。そういう中で、ほかもこれも同じようなことをやってますから、島根の持ってる強みを活用するということがそういう中でも大事なわけであります。
強みということにつきましては、先ほど、島根らしさということで申し上げました。そういうものをできる限り使っていくということだろうと思います。
それからさらに、社会増減の中では、Iターンというのがありますね。あるいはUターン。必ずしも職場で働く若い世代に限らず、リタイアされた世代が豊かな自然の中で生活をしたいという方もおられますから、そういう方々に島根に定住をしてもらう。
それから、農業などにおきましても、やはり世の中の価値観というのが随分変わってまいりまして、大都市の発展する世界、華やかな世界よりも、豊かな自然の中で、土と近いところで、自然に近いところで、自然の中で生活をしたいという若者たちもいるわけであります。そういう方をIターンで島根に来ていただく、あるいは職を求めて都市に出た県出身の方がたくさんおられます。そういう方々の中には、島根でいい職場があれば、安定した職場があれば帰ってきたいという人もおられるわけであります。そういう方々に県内の就職情報等を流す、そういうこともやってます。今度の予算におきましても、そういう定住対策を強化をするということも盛り込んでおるわけでございます。

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