県議会だより

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平成22年9月定例島根県議会一般質問(3)

マツ枯れに対する対処について

松江市では痛ましい地滑り災害が発生しました。被害を受けられたみなさまには心からお見舞いを申し上げます。
今年のマツ枯れは近年最高です。猛暑のせいもあるかも知れませんが、島根半島部西側いわゆる北山は顕著です。空中散布が中止されました。マツから他の樹種に転換すると言われていますが、そのような対策が実施された形跡は全くありません。夥しい枯れたマツもそのまま放置されています。
石垣農林水産部長、あなたは、私に、「自分はマツを守ります。」「北山の景観を守ります」と大見得をきられました。しかし、この3年間、その足跡は全く見えていません。
住民はマツ枯れ後の斜面崩壊におびえ、土石流災害の予兆に備えなければならなくなりました。
県として、マツ枯れ防止の薬剤散布中止を進めた当事者としてあなたには森林を再生させる手だてをきちんと我々に示し、それを遂行する義務があると思いますが、この先、どのように行動され、汗をかかれるのかお尋ねします。

石垣英司農林水産部長答弁

松枯れに対する対処について

今年度の松くい虫の被害状況は現在調査中でありますが、市町村担当者からの聞き取りによりますと、県全体での被害量は前年の約1.5倍の3万立米に達すると見積もられているところであります。御指摘の出雲市北山地域におきましても相当な被害が出ておると認識をしております。この夏の異常高温によりまして、全国的にも被害が増加していると聞いておるところでございます。
島根県におきましては、くにびき松の供給を20年度から本格開始しておりまして、現在のところ、年間6万本を生産しておるところでございますが、残念ながら、要望に十分にはこたえられておりませんため、今後、生産を強化してまいる考えでございます。
今年度の被害の増加を受けて、その対策につきましては、出雲市等被害対策の実施主体であります市や町との県との協議を行っておりまして、この中で、伐倒駆除や薬剤の樹幹注入などの事業の確保を図りますとともに、被害跡地対策といたしまして、くにびき松をできる限り計画的に配付することとしております。また、出雲市大社町の日御碕地区におきましては、漁民の森づくり事業あるいは水と緑の森づくり事業などを活用いたしまして、地域住民による松の植栽が行われておるわけでありまして、県もこうした森林保全活動を引き続き支援してまいる所存でございます。
なお、北山地区においては、ことし3月に県が実施をいたしました森林資源状況の調査によって、荒廃森林や資源の保存量がつまびらかにされましたことから、現在、出雲市においては、この結果をもとにして、地域森林の再生利用を進めるための計画づくりに取り組んでおられているところであります。この計画は、出雲市を含む複数の市や町で策定されているところでありますが、この検討に際しましては、市や町と森林林業関係者や地域住民が一体となりまして、市民整備のマスタープランとしての位置づけが可能な計画として、これにつきまして県も積極的にサポートしながら進めてまいる考えであります。
なお、お尋ねの松以外にも、西部を中心に目立っておりました、いわゆるナラ枯れが東部にまで及ぶなど、その被害が顕著に拡大しておるところでありますが、今後県といたしましては、こうした地域の森林の現況や資源の実態に即して、出雲市などの複数の市町で進められているような市民整備のマスタープランづくりのモデル的な取り組みを県下へ波及していくことに努めてまいりたいと考えておるところであります。

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