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島根県内の各河川や漁港、港湾施設の中にたくさんのプレジャーボートが係留されている。船舶については、法令に則ってきちんと許可をうけたものだが、係留などについては施設管理者の許可を受けないまま、いわゆる不法になっているものも多いように見受けられる。
先日の報道では、中国自動車道尾道松江線の工事区間延伸により、全線開通の日も近くなり、山陽からほとんど日帰り可能地域になると考えられ、海洋レジャーのニーズは一層大きくなると考える。
しかし、河川や漁港、港湾などでの不法係留は、災害や違法操業などの懸念も大きく、放置できない事象となりつつある。
出雲市大社町の堀川では200隻を超えるプレジャーボートの係留が常態化し、また、近隣河川でもたくさんの同種の事例が見られるが、河川や施設の管理者として、ぼちぼち県がしっかりとした対応を執ることが必要だと考えられる。
ただ、やみくもに強硬手段を講じれば良いというものではなく、今まで放置してきた責任もあるように思えることから、係留場所の斡旋や、可能であれば、港湾や漁港のなかに一定のスペースを確保するなどの対応も必要であるように思える。
そこで尋ねるが、
現在、登録されているプレジャーボートの数とマリーナ等係留施設の設置状況は。(土木部長)
うち、河川、港湾、漁港などへの不法係留と思われるものはどのぐらいか。(土木部長)
不法係留者に対する行政指導の状況と今後の対応について(土木部長)
│掲載日:2010年12月03日│
プレジャーボートの係留についての御質問についてお答えいたします。
まず、現在登録されているプレジャーボート数とマリーナ等の係留施設の設置状況についてでございますが、プレジャーボート登録数そのものにつきましては統計がございませんが、プレジャーボートの大半が20トン未満の小型船舶であり、日本小型船舶検査機構によりますと、20トン未満の小型船舶の登録数は、平成21年度末時点において、全国総数37万8,479隻となっており、そのうち島根県での登録数は3,452隻となっております。また、島根県におけるプレジャーボートの係留施設につきましては、公共施設として松江市の佐陀川に1カ所あり、収容可能隻数252隻に対し、現在228隻が収容されております。民間施設といたしましては、出雲市の堀川に2カ所あり、収容可能隻数140隻に対し、101隻が収容されている状況であります。
次に、河川、港湾、漁港などへの不法係留数についてお答えいたします。
不法係留数につきましては、河川、港湾、漁港における今年度の不法係留船調査によりますと、県内の河川では758隻、港湾317隻、漁港に526隻の不法係留の状況となっております。また、議員がお触れになられました堀川におきましては、220隻の不法係留状況となっております。
次に、不法係留者に対する行政指導の状況と今後の対応についてお答えいたします。
行政指導の状況につきましては、警告看板の設置、広報等を利用した船舶所有者への不法係留の周知を行っています。また、河川管理上特に支障のあるもので所有者のわかるものについては、不法係留者へ個別に指導を行い、所有者が不明な場合には、簡易代執行による撤去などを行っております。現時点においては、収容施設が不足していることから、船舶所有者による係留先確保が困難であり、不法係留に対する効果的な対策はとりにくい現状があります。今後の対策につきましては、引き続き自発的な退居を促すことを目的として、警告看板設置、退居要請などを行ってまいります。なお、堀川につきましては、不法係留数の数も多いことから、プレジャーボート等の係留施設、係留スペースの確保等について、今後、出雲市等の関係機関と対応策について協議してまいる所存でございます。