県議会だより

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平成23年2月定例島根県議会一般質問(5)

国家、校歌の斉唱と服装、スポーツの振興などについて

小学校、中学校、高校で、校歌とか国歌を声を出して唱う子供や教員はそう多くありません。歌っているのは来賓やOBではつまらないと思います。島根県は、隠岐の海関や里見香奈さん、錦織圭さんたちが頑張っています。県民歌でも歌いたい気分がしますが、子供達に国旗や学校の校旗に対して敬意を払う、校歌を唱うという意義を教えなければならないと思います。
いわゆるメリハリ、TPOを弁えない一番大きな原因は、私は小学校の自由服だと思います。入学式や卒業式にジーパンやセーターで参列することに何の感慨も持たない大人の神経はイカれています。自由であればこそ、TPOを弁えた服装が教育できると思うのですが教育長の見解を求めます。
島根県っていうと、国体の成績はくにびき国体のときが最高で、私の高校時代の成績と一緒で下降線の一途です。高校総体だと04が最高。去年、中学校の全中があり、剣道では準優勝とか3位とかベスト8とか、盆と正月が一緒に来たような成績でした。開催地だからと、強化をして一定の成果が上がると言うことは、取り組み次第ではやれるという証です。
小学校などで多用なスポーツの経験をさせ、運動能力の高い子供を発掘し、中学校とか高校で高い専門性を持った指導者が、専門種目で適切な強化、指導を行って競技力を伸ばすというような取り組みが必要だと思います。ある程度は現場の指導者が、主体的に指導ができるように権限と金を与え、全国的な指導者を招聘するとか、計画的な強化遠征を立案するなどの取り組みが可能となるようにすべきだと思いますがいかがでしょうか。
鰐淵寺を国の史跡として申請すべく出雲市が調査を行っています。鰐淵寺は、先年、重要文化財などの盗難がありましたが、中世の島根県の歴史資料となる鰐淵寺文書などたくさんの文化財もあります。南院、北院に分かれていた頃の寺院跡や伽藍の発掘や、周辺のいまパワースポットとして注目されている韓竈神社付近の野たたら跡や銅山跡など注目すべきものもあります。是非、国の史跡として指定されるだけの価値を有すると思いますが、その見通し、あるいは県としてどういう支援をするのかについて教育長の見解を求めます。

今井康雄教育長答弁

国旗・国歌を愛する心、競技力向上、鰐淵寺の史跡指定などについて

島根県では、公立のすべての小学校、中学校、高等学校におきまして、入学式や卒業式などの儀式的行事で国旗を掲揚するとともに、国歌及び校歌を斉唱をいたしております。国歌を斉唱することは、議員からもございましたように、日本人としての自覚を養い、国を愛する心を育てるとともに、児童生徒が将来国際社会において尊敬され、信頼される日本人として成長していくために重要なことと思っております。また、校歌の斉唱は、愛校心あるいは学校への誇りを高めて、学校の伝統や校風の継承、発展などに役立つ大変意義のあることであります。
議員からは、出席をされました式典で生徒や先生の声が大変小さいという御意見をちょうだいをいたしました。大変残念に思っております。各学校では、今申し上げました国歌、校歌の歌うことの意義、こういうことを教えながら歌唱指導をしておりますが、一方では、小学校、中学校、高等学校とだんだん年齢が進むにつれまして、人前で歌唱すること、こういったことはある意味恥ずかしいというような気持ちも芽生えるようでありまして、大きな声でだんだん歌わなくなるという傾向もあるように伺っております。今後とも、国歌、校歌の意義、しっかりと子どもたちに教えながら歌唱指導を行うよう、一層の指導に努めていく必要があると思っております。
あわせまして、卒業式や入学式などの厳かな場面での服装でありますが、規律や気品のある態度で臨む意味からも、その場にふさわしい服装、立ち居振る舞いをする必要があると考えております。現在、県内の小学校の約3割が制服ではなくて自由服であります。そうした学校では、卒業式などの練習を重ねる中でその式典の意義を伝え、服装などについても指導をしていると聞いております。また、保護者に対しましても、そういったことについて理解を得るよう努めていると承知をいたしております。
議員からもございましたように、まずは小学校時代、子どもたちにいろいろスポーツに対する興味、関心を持たせる、その中で子どもの得意とする競技、そういったものを見つけ出して、中学校、高校につなげていくといったことが大事だというふうに思っております。その上で、県におきましても中高校生につきまして、この中高校生ですが、国体の競技得点でも6割を占めております。また、インターハイ等全国大会での活躍、県民に活力と元気を与えるものであります。そういった意味で、この中高校生について重点的な取り組みを進めてきてるところであります。例えば中学校では種目を指定をし、あるいは高校では種目別に学校を指定をいたしまして、県外遠征等に助成をしてるということでございます。それから、指導者の配置につきましても、県立高校におきまして特別体育専任教員あるいはスポーツ推進教員、こういったものを配置をいたしまして、継続的な指導ができるような体制をとってるところであります。
今後も引き続き、こういったことに力を入れて取り組んでまいりたいと思っておりますが、御指摘のように、成績が一過性で終わったりそういうことがないように、さらに効果的で息の長い取り組みが必要だというふうに思っております。これも御指摘がございました各競技団体と十分な連携を図り、あるいは市町村と十分な連携を図って取り組んでいくといったことに加えまして、例えば全国的に実績のあるアドバイザーを招聘をいたしまして、科学的なトレーニング、こういったものを指導を受ける、あるいは中学校の指導者におきましても、より学校の実情を踏まえた適正な配置に努める、こういったことに今後とも取り組んでまいりたいというふうに思っております。こうした取り組みによりまして、島根県全体の競技力の向上、底上げにつなげていきたいというふうに考えております。
鰐淵寺は、議員も御紹介されましたように、飛鳥時代に創建されたと伝わる古刹であります。中世から近世初めにかけましては、出雲大社の関係を深め、出雲の国を代表する有力寺院としての勢力を誇り、境内には多数の僧坊があったとされております。現在でも、それらの跡と見られる石垣や平たん地が残っております。また、鰐淵寺には、古文書や仏像、絵画など、多数の美術工芸品が所蔵をされております。これらは我が国の中世史や仏教史を知る上で欠かせない文化財であります。国指定重要文化財あるいは県指定有形文化財にも指定をされてるものが19件ございます。
出雲市は、こうした鰐淵寺の国の史跡指定を目指しまして、今年度から、鰐淵寺の成り立ちや変遷過程を明らかにするための発掘調査を行ってるところであります。また、島根大学によりましても、出雲鰐淵寺の歴史的、総合的研究を進められてるというふうに聞いております。この出雲市あるいは島根大学の調査研究によりまして、今後、伽藍の配置やあるいは僧坊の年代、あるいは地下に埋蔵されました遺跡の保存状態が明らかになると考えられます。国の史跡指定につながります文化財としての新たな価値が解明されることを、県としても期待してるところであります。
県としましては、これまでもこの出雲市の調査研究に対しまして、発掘調査の方法や出土品の分析など技術的な支援を行ってきたところでありますが、先ほど申し上げました鰐淵寺の歴史上の価値、大変注目をしております。今後とも積極的に助言、支援を行ってまいりたいというふうに考えております。

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