県議会だより

Reports

平成23年2月定例島根県議会一般質問(4)

たくましさと根気の醸成について

心の風邪と言われる心因性の疾患についてお尋ねします。
心の風邪をひく人が随分ふえたと、そういうふうに言われます。考えてみますと私たちが子供の時、小学校の1年、2年のときに、漢字や算数のドリルなど、授業が終わっても、居残りで、泣きながら満点取るまで頑張った、訓練された記憶があります。子供も先生も全部できたときには泣いとるわけです。達成感を味わわせてくれる先生がいて、次の段階に進むことができたわけです。
ところが、近ごろ学校ではこうした光景を見ることが極めて希になってきました。心の風邪を引きやすい体質が、知らず知らずのうちに醸成されているのではないかと思います。与えられたグランドで力が発揮できない子供の環境を変えるなどと言う、一般社会では考えられないことが、わりと普通に行われていることに疑問を感じます。学校で、きちっとした社会性が身につかない、あるいは我慢をする、根気やたくましさが身につかなくなっているのではないでしょうか。
文部省は、たくましさを身につけるためにスポーツをやらせるという方針を打ち出しています。スポーツは同じことを繰り返し繰り返し行うことで、基礎的な体力や根気、たくましさが備わって来るという点では共通項があるわけです。学校あるいは幼稚園、保育所など、幼少のときから、島根県の子どもたち、あるいは一般の人たちも含めて、心の風邪を引かないように、たくましくなっていけるような県民運動をやったらどうかと思いますが、教育委員長の所感をお尋ねします。

北島建孝教育委員長答弁

たくましさを身につけることについて

根気を養い、たくましさを身につける取り組みについての所感でございますけれども、私も、どちらかといいますと居残り組のほうでございましたので、だからというわけではございませんけども、園山議員のお考えには全面的に共感をするところでございます。つまりは、学校だけでなくさまざまな場面で課題を解決したときの満足感や達成感を感じさせることによって、子どもたちに根気や粘り強さを育てることはとても大切なことだと考えております。
現在の学校の指導では、例えば体育の授業では鉄棒や跳び箱などを使って、自分で設定した目標に向かって反復して練習をさせ、達成感を感じさせる方法がとられています。また、算数の授業では計算練習などで適度な負荷を与えた課題に取り組ませることで、わかる喜びを味わわせる指導に努めております。ある生徒の感想によりますと、精いっぱい努力すればできることがわかったとか、スポーツは自分を磨くものだという言葉もあり、指導の効果があらわれているものだと思っております。
また、これら授業だけでなく、宿泊体験活動や部活動などの合宿を通して、困難や自分の思いどおりにならないことをやり抜く根気強さやたくましさを身につけさせるとともに、自分たちの力で問題を解決させることで、仲間意識や連帯感の育成にも努めております。おっしゃるように、体力は我慢強さや忍耐力、知力を支える根幹であると同時に、生活習慣とも大きくかかわりあることは、今や明白であると言えます。したがいまして、幼児期からの基本的生活習慣の確立は非常に重要な意味を持ち、きちんと食べ、十分に睡眠をとり、思い切り外で遊ぶことに家庭や学校でしっかり取り組む必要があると考えております。
今の世の中は我々の子どもの時代と異なっており、テレビやゲームが普及しております。外で遊ぶ機会が少なくなったと思いますが、これらをなくしてしまうということは、今の世の中、不可能ではないかと思います。また、社会情勢が非常に過剰反応しているというふうに考えております。戸外での遊びや激しいスポーツにはけがが伴いますし、遠足で例えば山登りでもすれば、ハチに刺されるようなこともあります。その都度、安全性のみを問題視して、携わる先生や関係者を委縮させてしまってるということは残念なことだと思っているところであります。私は、子どもたちが心身ともに伸びやかに育つことが重要だと考えており、教育委員会では、しまねっ子!元気アップ・プログラムに加え、来年度からは1日1時間以上体を動かそうをスローガンに、子どもの体力向上支援事業に、より力を入れることとしております。今後とも、多くの人の理解をいただいて、子どもたちの基本的な生活習慣の定着を図るとともに、心身ともにたくましい、しまねっ子の育成を目指していくことが必要と考えております。

過去の投稿

園山繁の活動日誌