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今年は、大雪の年明けになりました。出雲市野郷町の金森町内では、1月1日の10時から新年会がありましたが、株ヶ床の3軒の人たちが出てこない。携帯電話をしたら、「雪で木が倒れて通行はできない。停電の上に水道も止まっている。」との返事があったそうです。新年会を終えた翌日朝から、30軒余りの集落の人たちは、500mの山道を倒木を片づけながら、手作業で雪かきをしたそうであります。
私は、島根県の集落が持っている力、コミュニティの深さを再認識しました。とかく、何でも行政に頼りがちな世相の中で、自分でやるべきこと、すなわち自助と、あるいは集落ぐるみでやる共助の範囲は、その場その場で違ってくるのかもしれませんが、公助である行政、とりわけ県庁の役割というのは何が必要なのか、住民の皆さんが何を求めているのかを判断して県政に当たらなくてはならないと、こういうふうに思います。
正月以降、平田から松江へ電車に乗って通うたびに、おびただしい倒木や竹が山肌に散乱しているのを見かけます。雪害から1カ月半も2カ月経過していますが、県庁の人たちには、この情景が目につかないのかなと思った次第です。関係する住民は、年末年始から続く片づけで疲れ果て、もう家を出ようかと話をする人さえあると聞きます。
島根県は観光立県を宣言しました。事業者や県民にホスピタリティーの醸成ということを唱っているわけですが、役所や行政の役割はどうなのでしょうか。他所から来た人たちが「ああ島根県はきれいだな、きちんと手入れがしてあるな」と思ってくれるようにしたいものだと思います。知事にお尋ねしますが、雪害による倒木の片づけ、あるいは山中が現に荒廃しておりますが、行政としてどう取り組まれるのか、あるいは職員をどのように督励されるのか、端的にお答えください。
│掲載日:2011年02月21日│
大雪によります立木や竹林の損壊、これは交通上の安全確保はもとより、観光客の皆さんに島根の誇る美しい景観の中で快適に過ごしていただくためにも、対処しなければいけない課題だというふうに考えてます。私自身も主要道の整備がだんだん進んだころ、松江市の観光地、市内にたくさんありますから、松江市と県一緒になりまして、例えば松江城の周辺でありますとか、そうしたところは多くの観光客が歩きますから、折損木の処理について対応するようにという指示を関係部長に出しておりますし、そのほか道路、河川等、各管理者と連携した倒木の処理についても指示をしてきております。
それから、議員がおっしゃったような竹林ですよね。竹がひわって、いろんなところに出ておるということにつきましても、緊急雇用臨時特例金の事業の対象になっておりまして、これまでも市町村にその基金を活用して、別に大雪による竹林の倒壊だけじゃなくて、ふだんから竹林整備などにも利用できるようになっておるわけです。例えば石見銀山のそばの竹林などを切るとか、そういうものも活用して、観光地において特に目立つようなところは早目にやるようにお願いをしております。資金にも限りがございますし、それからそういうことをやられる人の数もありますから、人通りの多いところから順次始めていくっていうことになりますが、そういうことはやっておるわけでございます。
今回の、今の状況では、現在11市町村におきまして、緊急雇用臨時特例金基金事業を活用して倒木や暴れ竹等の処理に着手をすることになってます。ただ、今年度の執行の中でまだ執行されてないものがありますから、新年度に入る前に今年度事業でそういうものをできるものは、市町村におきまして観光客に目立つようなところを早目にやるとか、そういう調整もお願いをしております。
さらに、今年度さらに必要であれば、これ緊急雇用対策ですからハローワークを通じて募集する必要ありますが、それにも取りかかっておるということでございます。御指摘の点は私も賛同でございますが、こういう問題はやはり地元のまず地区の方々、そして市町村、県とそれぞれ一緒になって、役割分担しながらやっていかなければならない課題だと考えております。