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年末年始の豪雪や東日本震災は非常時の情報伝達の方法や行政情報のありかたについて様々なことを考えさせた。荒天時や停電時の情報伝達に携帯電話が有効なことや、大災害が発生すると情報伝達は「人伝え」が唯一無二の方法だと言うことがわかった。地域コミュニティがいかに大切かのゆえんである。
さて、県内のITの整備状況、ブロードバンドサービスやインターネットの接続などを可能にする光ファイバーの整備状況はどのようになっているか。また、携帯電話の不感知地域の解消は、いまや定住維持、存続の観点から不可欠の要素となりつつあるが、どのような状況か。また、今後これら不感知地域の解消にどのような取り組みを考えるか。
ところで、6月13日にドクターヘリの就航式典があり、県内を40分でカバーする緊急、救急医療搬送体制が確立されたことは喜ばしい限りである。さて、県立中央病院や島根大学付属病院など県内の主要病院54病院中23の施設が電子カルテを導入または導入の準備中と聞く。国保などの診療報酬に対する請求は、ほとんどがデジタル化(電算化)されたと承知している。
県内のIT普及と医療機関のIT化は医師不足に悩む県内医療のありかたを大きく改善させると思う。県民一人ひとりが1枚の基本カルテとID番号を持ち、それに受診する医療機関の診療記録が書かれれば、かかりつけ医と専門医の連携が自動的に図られるばかりでなく、既往症の治療や健康管理が飛躍的に向上する。また、重複診療や要らざる投薬などがなくなり、医療費の圧縮につながると考える。国民医療費の平均は約28万円。65歳以下は16万円に対し、65才が66万円、70才が75万円、75才が83万円などとされている。
つかみで考えれば、県内の65歳以上で1600億円、未満で800億円の合計、2400億円の医療費がかかっていることになり、これが1~2%圧縮されれば、十分に投資効果があるのである。
小生は、自らがかかわる施設の電力を20%抑制するために、全施設の電灯をすべてLEDに交換、窓をペアガラスにし、天井断熱を強化した。要する経費は約1800万円。しかし、1月あたりの電気料金が10万円~15万円程度低減したため、1年で150万円のコストダウンとなり、12,3年で投資は回収できるのである。一時的に多少のコストを要しても得られるプラスが多ければ検討する価値はあるように感じるが、導入を図る考えはないか。
加えて、病診連携が加速化することによって、出雲、隠岐、石見の医師・医療格差の解消にも大きく寄与し、成人病やがんの早期発見はもとより、何よりも医師の確保に大きく貢献すると考えるが、こうした取り組みを進める考えはないか。
│掲載日:2011年06月23日│
県内の光ファイバーの整備状況と携帯電話の不感地域の解消についてでありますが、光ファイバー網の整備は、平成21年度の経済対策により、82.6%の世帯で実現をしております。しかし、全国平均は91.6%でありまして、引き続き整備を推進することが必要だというふうに考えておるところであります。
また、県内の携帯電話の世帯カバー率は、平成22年度末で99.4%まで進んでおります。今後、残されました不感地域170地区1,691世帯の解消のため、引き続き市町村と連携して整備を進めてまいりたいというふうに考えているところであります。
次に、県内の医療機関のIT化、カルテのIT化が中心だろうと思いますけども、質問がありました。
診断情報のIT化の取り組みにつきましては、これが進みますと病診連携が加速をされ、地域医療の支援、医師の確保、あるいは医療費の圧縮などにもつながるというふうに考えております。こうしたことから、地域医療再生計画の中で、ITを活用した医療ネットワークの構築を盛り込んでいるところであります。現在、事業の実施に向けて、具体的なシステムについて検討を始めたところであります。
ただ、その中で議員は、IDカードのようなものを設けて、県民一人一人ですね、それをカルテ
等と結びつけて、そのIDを出せばどこでもカルテが見られる、そういうような仕組みを考えてはどうかという御示唆だったと思いますけども、それも興味あるアイデアだと思いますけども、情報の保護と申しますか、そういうふうな問題、あるいはコストの問題、あるいは医療機関の考えなどもいろいろあるでしょうから、そういうこともよく聞きながら検討する必要があるというふうに考えておるところであります。