県議会だより

Reports

平成23年9月定例島根県議会一般質問(4)

島根原子力発電所について

昨日、山口県上関町で町長選挙がありましたけれども、島根原発の今後について、一つの考えをまとめる必要があると思います。国の政策は、菅前首相は脱原発、野田首相は、一定の原発の存置、稼働を認めて、原子力に対する技術開発や輸出を行うとの方針を先日、アメリカで示すなど、流動的です。私は、島根原発の今後について少し前向きに考えていく、存置あるいは稼働を前提にした対応も必要なのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
私は、知事が「福島の原子力発電所の事故、これは原因がわからなければなかなか対応はできない」と仰ることは良く分かります。しかし、中国電力は島根原子力発電所に対し、いろんな改善をやっているわけです。津波対策や予備電源の対応などは、動かすということが前提になっていると思います。好むと好まざるとに関わらず、原発は存置しているわけであり、稼働を認める時には、安全性の確保はむろんのこと、周辺対策というか、例えば避難の態勢だとか、誘導路などがきちんと用意され、その内容が公表されなくてはいけないと思います。知事は「国の対応に先んじてできことからやっていく」と言われていますが、机上の検討はされてると思いますけれども、半年たっても形として出てきていません。現状どこまでことが進んでいるのか、お尋ねをします。

溝口善兵衛知事答弁

原子力発電に対する対応について

島根原発についての御質問でありますが、やはりこの原発をどうするかという問題につきましては、国が国のエネルギー政策をどうするのかといったことを、きちっと整理をする必要があります。将来におけるエネルギーの需給の見通し、それを確保するためのいろんな手段、資源の活用の方法等々について国内外の意見などもよく聞いて、日本としての基本的な枠組みをつくると。その中で原発をどういうふうに位置づけるかということを、国がきちっと示していく必要があるわけであります。現内閣におきましては、来年の夏をめどにその作業を進めると言っておられるわけでありますけども、早く進めることが期待をされておるということであります。
そういう中で、並行しまして、原発の安全性確保のための対策をとる必要があるわけであります。政府の検討委員会は福島原発の原因の究明に今当たっておるわけでございますけども、まだ状況ははっきりしておりません。これを早く進めるっていうことが必要であります。そういうものに基づきまして、あるいはそれ以前から緊急対策として、国は電力会社等に対しまして、いろんな安全対策を講ずるように指示をしているわけであります。中国電力もそれに応じて必要な対策をとりつつあるわけであります。私どもも、その進行をチェックしておるということであります。
それからもう一つの大きな問題は、やはり万が一っていうことがあるわけであります。福島でああいうことが起こったわけでありますから、その場合の避難の対策等をどうするかという防災対策を、きちっとやっていくということが大事だというふうに思ってるところでございます。いずれにしましても、そういう対応をしながら、県内の皆さんの御意見、県議会はもちろん、そして県のいわばアドバイザーであります県の原子力安全顧問の方々の御意見をよく聞く、あるいは住民の方々、県民の方々の意見をいろんなとこで聞いていく、そういう議論を総合的に勘案しまして、島根原発のあり方について県としての方針を決めていく必要があるというふうに思います。この問題は、立場立場によっていろんな意見があるわけでございますから、やはりそういう意見をちゃんと聞く、専門家のアドバイスをよく聞く、そういうものを丁寧に行った上で決定していくということが大事ではないかというふうに考えておるところであります。
それに関連しまして、周辺対策はどういうふうに進んでおるのかということでありますが、3月末に松江市以外の市町等から、原発の周辺対策、防災対策は広く考えてもらいたいというお話があり、また鳥取県におきましても同様な考え方でありましたから、私どものほうから関係の市町、鳥取県に声をかけまして協議会っていうのを設けて、じゃあどういうふうにして作業を進めるかという検討を行ってきました。また、その過程で福島に担当者を派遣をして、福島の状況等も調査をしたということでございます。
中間報告を先ほどまとめたわけでありますが、基本的に避難先が必要なわけであります。今の福島の例でとりますと、半径20キロ圏内の方が避難をされておると。もちろんその20キロの外でも、放射能の高いところでは避難をされてる方々もおられますけども、とりあえず島根県で言いますと、20キロ圏内の方々が仮に避難するとしたら何人ぐらいおられるのか、あるいはその中で支援を要する方々は何人ぐらいおられるのか、そういう調査をひとつやって、大体24万人ぐらいおられると。要支援の方々が2万人近くおられるだろうというようなことは把握をし、そういうことに基づきまして、30キロ圏外で避難場所としてどういうものがあるかという調査を、既にかなり行ってるわけでございます。1,000カ所ぐらいの公民館でありますとか学校でありますとか、そういうことを調査をしておりますけども、多分そのぐらいでは収容、避難を必要とする数に足らないだろうというふうに考えられます。そうしますと、30キロ圏外あるいは島根県外も当たらなきゃいかんわけであります。そういう作業が今進行中であるということでございます。それに応じまして、今度は避難先が決まりますと、避難ルートをどうするのか、避難の仕方をどうするのか検討をし、今度はそれを市町村ごとにさらに詰めていくという作業を、今行っておるという状況でございます。

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