県議会だより

Reports

平成23年11月定例島根県議会一般質問(3)

子育て支援について

1 保育所の状況について
本年11月1日現在の県内の保育所の定員及び入所状況、および待機乳幼児がありましたらお知らせください。

2 幼稚園の状況について
本年11月1日現在の県内の幼稚園の入園状況と時間外保育、あるいは延長保育、放課後児童クラブなどの状況と長期休業中の保育についてお知らせください。また、保育所の待機状況を解消するために、幼稚園で何らかの対応を考えることはできませんか。

3 子ども子育て新システムに対する意見について
子ども子育て新システムの中間報告が出ました。昨日の新聞を見ますと、こども園は内閣府が所管するようですが、中間報告について県が市町村の意見聴取を行ったと聞いております。現状の懸念点等ありましたらお聞かせください。

4 厚生労働省の標準保育料について
厚生労働省が示す認可保育所の標準保育料表について説明を願います。また、県内の市町村では、保育料を軽減するためにかなりの一般財源をこれに充当していると聞いていますが、その状況についてお聞かせください。

5 県内市町村の保育料について
認可保育所や公立保育所の保育料を引き下げするため、県内19市町村で約24億円の一般財源が投入されている事態は一考を要すると思います。厚生労働省が示す最高で1人10万円を越える保育料の設定や子ども手当の増額分に対する地方負担など、現実と乖離し、整合しない国の子育て支援に対する知事の見解をお示し下さい。

布野典男健康福祉部長答弁

県内保育所の状況について

県内保育所の状況について
県内の認可保育所283カ所における保育の状況を市町村に聞き取り調査したところ、本年11月1日現在で、定員は2万630人、在籍の児童数は2万2,120人であります。また、待機児童数につきましては、同じく11月1日現在で208人となっております。なお、認可外保育施設につきましては、年1回、6月1日に現在の状況を報告いただくことになっており、その時点では、僻地保育所3カ所、保育型児童館4カ所、その他の施設34カ所で、入所児童数は合計で699名となっております。

子ども子育て新システムについて
子ども子育て新システムに関しましては、これまでも市町村担当者との意見の交換会の開催のほか、国における検討状況を逐次伝えるなど、県から市町村への情報提供に努めてきたところでございます。こうした取り組みを通じて、これまで市町村からいただいた新システムに対する主な意見といたしましては、まず市町村において新たに発生する事務に関し負担の軽減を求めるもの、次に、規模の小さい保育所が新システムで経営維持ができるかどうかを懸念するもの、保護者と施設とが直接契約する仕組みについて保護者の戸惑いを危惧するもの、こども園や放課後児童クラブの施設整備の財政措置を求めるものなどがございました。

国の保育料標準について
保育料は世帯の前年の所得税額に応じて市町村が決定するものであり、国がその基準額を示しています。この国が示す基準額は、所得階層別に大きく8つに区分されており、最も多く分布しています第5階層、推定ですが、平均年収では約470万円から640万円の場合であります。保育料の額は3歳未満で年額53万4,000円、3歳以上で年額49万8,000円となっております。県内市町村における保育料の軽減ということでございますが、県内すべての市町村におきまして、保育料を国の基準よりも低い額に設定し、その差額分に市町村の一般財源を充てることなどにより、子育てに係る経済的負担の軽減に取り組まれております。軽減の割合としましては、市町村ごと、所得階層ごとにまちまちではありますが、各市町村が設定している第5階層の額を単純平均して計算しますと、3歳未満で年額37万円、3歳以上で年額31万5,000円の保育料となります。国の基準と比較した場合、年額で約16万円から18万円、3分の1程度の軽減が図られているところであります。平成22年度における実際の軽減額は、私立の認可保育所分で約18億7,400万円、また公立の認可保育所分においても5億2,300万円を超える額になり、合計で約24億円もの保育料負担の軽減が行われています。こうした市町村の取り組みに対しましては、県としても第3子以降の保育料軽減事業により約1億2,000万円の助成を行っております。

今井康雄教育長

幼稚園の入園等の状況について

幼稚園の入園等の状況について
今島根県におきましては、国公立の幼稚園が95園、それから私立の幼稚園が14園、設置をされております。それぞれの11月1日現在におきます定員と在園児数でございますが、国公立幼稚園で定員が1万465名に対しまして在園児が4,141名、充足率は40%でございます。それから私立の幼稚園ですが、定員が1,740名に対しまして660名の在園ということで、充足率は38%でございます。合計で充足率39%というふうな状況でございます。また、幼稚園を設置しております市や町などに聞き取りをいたしました。時間外保育でございますが、二通りあります。1つは、通常の保育時間を挟みまして、おおむね朝7時ないし8時から夕方の6時ごろまでを通して行う時間外保育、それからもう一つが、もう少し短い時間、一時的に預かるといった時間外保育ございますが、この2つをあわせまして何らかの時間外保育を実施しているのが、県内の国公立幼稚園のうち60園、全体の63%でございます。それから私立の幼稚園につきましては、すべての園でこの時間外保育を実施をいたしております。
それからもう一点、長期休業期間中の保育でございますが、国公立幼稚園では42園、全体の約44%でございます。ここで時間外保育が実施をされております。それから私立の幼稚園につきましては、いずれも長期休業期間中の時間外保育が実施をされておるという状況でございます。

待機児解消への取り組みについて
議員御指摘のとおり、待機児童の解消のために、幼稚園で預かり保育を充実していくということは大切なことだというふうに思っております。先ほども申し上げましたが、現在かなりの幼稚園で時間外保育の制度は設けられておりますが、その利用状況が十分ではないという状況にあります。いろいろ聞きましたが、この要因といたしましては、3歳児までに保育所に入所している園児、これが3歳になったときに、やはりなれもありまして、引き続いて同じ保育所で預かってもらうということがあるようでございます。
ただ、これ以外に、幼稚園の預かり保育におきましても、例えば朝の預かり時間、あるいは給食、それから夏期休業への対応、こういったことで課題があるというふうに聞いております。私どもといたしましても、待機児童の解消、これは子育て支援の重要な課題であるというふうに認識をいたしております。今後、幼稚園の設置者であります市や町などから保育の実態について話を聞きながら、先ほどございました国の新システム、これも今中間報告が出たところでございます。こういった動向も踏まえながら、健康福祉部とも一緒になりまして、どういう方法がいいのか検討をして対応してまいりたいというふうに思います。

溝口善兵衛知事答弁

子育て支援について

国の子育て支援について
社会福祉とか、あるいは子育てとか、これは国民に対して非常に大事な行政分野であります。それを国が直接やる場合と、それから地方が行う場合、いずれにしても財源の手当ては、国全体として手当てがうまくいかなきゃいかんと、こういうふうに思います。この児童手当、子ども手当などの内容の現金給付は、国が責任を持ってやるっていうのが一つの考え方として確立をしておりますから、現在予算編成の過程で議論をされてます、地方の住民税が控除を減額することによってふえるんで、それを充てるというような案が出されてるわけですけども、そういうことは全く遺憾であるというふうに思います。
それから、保育とかは、サービスを提供するっていうのは地方が行って、それに対して国が財源手当てをいろんな形ですると。補助金、交付金、それから地方の財源を組み合わせてやるわけであります。保育あるいは子育てにつきまして、そういうものをどこまで全国一律でやるかという問題と、財源の余裕のあるところはそれに付加してやってもいいという仕組みになっておりまして、その仕分けっていうのは、やはり状況が変化してまいりますから、その状況に合わせて国の役割、地方の役割っていうのを不断に見直していかないといかんだろうと思います。
例えば、保育料の軽減、あるいは乳幼児医療の軽減などですと、富裕団体のほうはもっとたくさんやってるわけですね。むしろ、そういうものはある程度もう国一律の制度としてやるっていうような仕組み、制度のつくり方もあるわけであります。やはりそういう問題は、国全体として国の役割、国の役割っていうのは全国一律に国がいろんな財源手当てを保障するっていうことをインプライ、含んでおるわけでありますけども、そういう仕組みにしなきゃいかん。それをどこまでやるかと。だんだんそういう子育てっていうものが大事な課題になってきたんで、国の役割をもう少し広くしましょうということになれば、広くしたらいいわけです。しかし、そのために財源が要りますから、その財源手当てはどうするかっていうことを考えなきゃいかんわけですね。
ほで、今議員の御指摘は、国の基準はこうだけども、地方で自主財源を使ってやってるとこもふえてると。ふえたら、じゃあそれを国の制度として取り組んでいくっていうことも考えなきゃいかんと思うんですね。そういう意味におきまして、今後とも国、地方の協議を通じまして、国、地方の役割分担、あるいはそのための財源手当てをどうするのかということを、国民的な論議を経て決めていかなければならないと思います。常にそういうのは、時代の要請が変わりますし、状況が変わりますから、変化をしますから、変化に対して対応がおくれてるっていうことはいろいろ出てきてると思います。そういう面で考えなきゃいかんと思いますし、それはやはり国全体の財政を、じゃあ一体どうするのかという問題とも関連をしてると。非常に難しい問題でございますが、子育てとか社会福祉保障、これは国民にとって大事な課題でございますから、国全体としてよく議論をして、きちっとした体制をつくるっていうことが必要でありますし、そういうことが今求められているというふうに感じておるところであります。

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