県議会だより

Reports

平成23年11月定例島根県議会一般質問(2)

県職員の事務執行や危機管理などについて

1 島根県の事務事業の執行体制について
県の行政事務は適切に行われていますか。また、部局の連携あるいは課内、グループ内などでの意思疎通がどのように図られていますか。
仕事に対する事務事業の共通理解、あるいは同僚がどの仕事をどの程度、どういう形で進捗してるのかという共通理解は、どのように図られていますか。それから、チェック体制は整備されていますか。

2 職員間の情報共有について
県庁へ電話しますと「ただいま席空きです」と応対され、「どのようなご用件でしょうか。私は○○ですが、代わってお聞きします。」というのは聞いたことがありません。
東部県民センターの不祥事と職員の処分が発表されました。内容はどんなものですか。

3 東部県民センターの課税漏れについて
8200万円の課税漏れについての課税および徴税事務について説明してください。また、改めての課税対象者への説明とご案内等について適切にされていますか。

4 地下水調査の対応について
10月下旬に報道された県内の地下水調査の内容と経過を説明してください。また、その際、保健所ごとに対応がまちまちで、4カ所の保健所あるいは市町村について違う対応がされたように聞いております。また、環境生活部と健康福祉部から内容の異なる指示が、相次いで行われたというふうに聞いておりますが、部局ごとの情報の共有と一元化が図られていますか。

5 危機管理について
危機管理に及んで一番心がけることは、情報の共有と指示、あるいは対応の一本化、一体化ということが一番大事だと思いますが知事の見解は。

6 ハザードマップについて
先日の本会議で、浅野議員がハザードマップのことに言及をされました。例えば、住民は自然災害とか、あるいは、あってはなりませんけど原子力災害とかに対して非常に敏感です。しかし、例えば雨が降って斐伊川の土手が切れたら、どこまで水が来て、どこへ一時的な避難をしなくてはいけないのか。2次的にはどこへ行くのかなど、原子力のみならず災害ごとにきちんと県民に情報として周知しておくべきだと思います。ところが、まだそういうことになっていません。私は、県がもっと主導的にあるいは主体的に市町村を督励して、ハザードマップによって住民周知を図るべきだ、と思いますが、知事の見解は。

7 サイバーテロについて
報道でサイバーテロが問題になっています。国会や政府機関でも情報の流失があったと言われていますが、島根県はこれに対するブロック、完全になっていますでしょうか。

8 原発テロについて
島根原子力発電所に関してですけれども、自然災害への対応は随分と取られたように思います。ただ、素朴な疑問ですが、北朝鮮からミサイルが飛んできたら大丈夫だろうかと。あのガスタービン発電機は露出しており、ロケットが来たら一発だという話もあります。テロ対策は適切な状況になっていますか。

赤松俊彦総務部長答弁

県の事務執行について

事務執行の状況について
平成22年度、23年度、この2年間をとりましても、例えば不動産取得税の課税にかかわる不適正な事案、あるいは県営住宅の家賃の算定誤りなど、業務点検委員会で調査点検を行った事案が5件ございます。また、懲戒処分事案につきましても2件を発生しているというふうな状況でございます。こういう意味におきましては、県民の皆さんの信頼を損ねることになってございまして、大変申しわけなく思っておるところでございます。

部局の連携について
部局の連携につきましては、幹部連絡会議、あるいは、これは次長級の会議でございますが、企画調整会議などによりまして情報共有に努めておるとともに、主管課の調整機能を通じて行うということにしておるところでございます。また、課でありますとかグループ内での意思疎通でございますが、課においては課長あるいは室長、グループにおいてはグループリーダーが、風通しのよい職場づくりに努めるということになってございます。

所属内での情報共有について
所属内での情報共有ということについてでございますが、これは基本的には所属長の判断で行っていただいてございまして、例を挙げますと、例えば定期的なミーティングを行ったり、あるいはグループ内で朝礼などを行うということにしてございます。その内容については、毎年私ども総務部のほうに報告をしていただいておるところでございます。
続きまして、グループ内でのチェック体制というようなことでございます。これ組織的な対応でございますが、グループリーダーの統括の下に個別業務につきましては、いわゆる主担当と副担当、主務と副務というのを設けて、チェック体制を制度的には整えておるところでございます。しかしながら、このチェック体制が働いていないというようなことが原因となりまして、今年度におきましても複数件の不適正事案というのが発覚をしておるというのは事実でございます。各部に現在、周知徹底を図っているところでございます。

東部県民センターの不祥事と職員の処分について
概要につきまして申し上げますと、平成19年度から20年度に東部県民センターで出雲市分の不動産取得税を担当をしてございました職員が、課税資料の破棄など不適正な処理を行ったものでございます。具体的に申し上げますと、3つの形態での不適切な処理があったものでございまして、1点目は、電算入力前の課税資料を破棄するというものでございまして、前任者から引き継いだ課税資料を電算入力をしないまま、シュレッダーで破棄をしたというふうな形態が1点です。2つ目でございますけれども、電算入力後のデータを削除したということでございまして、これは電算入力後、システムのほうから故意に削除をしたということでございまして、最初から入力をしていない状態にしてしまったということでございます。3点目でございますが、減額処理をする場合については当然決裁を受けて処理をしていかないといけないわけでございますが、決裁を受けることなく不適正に、いわゆる課税の要件というのを適用して、税額をゼロというようなことで減額を処理したというような形態がございました。
不適正事案に係る件数でございますけれども、計の件数として1,031件でございます。関連する税額といたしましては8,200万円でございます。なお、当該職員につきましては懲戒免職処分としたところでございます。また、管理監督に当たった職員につきましても減給戒告の処分を行ってるところでございます。

徴税事務のチェックについて
今回の事案が起こった後に、私どもどういうふうな対応をとったということから御説明をさせていただきますと、まず当該職員、平成19年度から20年度まで東部県民センターで出雲市分の不動産取得税を担当してございましたので、この職員が担当したすべての事務処理について、まず検証を行ってございます。次に、不動産取得税に関しまして、これは東部だけではなしに西部での案件も含めまして、全県で平成18年度から平成22年度の不動産取得税に係る課税処理を検証をいたしてございます。それとともに不動産取得税以外の税目についても、事務処理手続についてどうなっておるのかというのを再度検証をしたところでございます。
検証の結果でございますが、委員御指摘のように進行管理の徹底でございますとかチェック機能の強化、チェック機能というのが不備であったと。職員1人に業務を任せ、それをチェックする体制というのが不備であったというふうな調査結果になったわけでございまして、対応策といたしまして、入力の際の総数管理の徹底でございますとか入力方法の見直し、あるいはデータが削除、職員個人が勝手に削除したのを必ずチェックできるようなシステムの構築でありますとか、進行管理の徹底ということで、進行管理リストというのをシステム上打ち出せるというようなシステムを導入をさせていただいたということでございます。
また、課税対象者の方々への対応というような最後の御質問でございますが、当該事務によりまして、課税時期というのが通常の事務処理を行った場合よりもかなりおくれたわけでございまして、納税者の方々に大変御迷惑をかけることになったわけでございます。一人一人に課税手続の遅延について文書をお送りをいたしまして、御理解をお願いをしたというような対応をとっておるところでございます。

納税者への対応等について
今回チェック後の、再度納税者の皆様に納税をお願いする手続でございますけれども、まず手続から申しますと、書類がなくなっておる案件につきまして、これは承継取得分の不動産でございますが、職員が法務局で登記情報を移してくると。その内容を申請書につけて提出をお願いする文書を出しまして、申告書の提出をしていただいて、それに基づいて納税通知書の発布ということをなすという手続になってございます。今回につきましては、当然複数人でチェックをするというふうな体制をとったつもりではございましたが、御指摘があった案件につきまして再度チェックいたしましたところ、誤りがあって、それをチェックし切れていなかったというようなことが判明をいたしました。なおかつ、そこで、ほかにもこのような事例がないのかということで、再度課税対象の全体について再チェックを実施いたしましたところ、計4件、そういうふうにチェックミスというのが出てまいりました。これらの方々には文書の訂正内容ということでお知らせをし、おわびをさせていただくとともに、再度チェック体制の徹底ということについて文書で指導、通知をしたところでございます。

伊藤修二環境生活部長答弁

地下水の調査等について

地下水調査について
県内の地下水調査でございますけども、県では平成元年から、水質汚濁防止法に基づきまして地下水の水質状況の把握と汚濁防止のための調査を実施いたしておりまして、今年度も10月に県内12カ所の井戸を対象に実施をいたしました。分析の結果、10月25日に砒素の環境基準超過が2カ所、鉛の環境基準超過が2カ所、合計4カ所の井戸で環境基準を超過したということが判明をいたしました。このため、健康への影響の未然防止という観点から、環境基準を超過いたしました井戸所有者へ結果を周知するとともに、健康福祉部、保健所、関係市への情報の提供と情報交換を図りまして、10月28日にプレス発表したところでございます。あわせまして、周辺の井戸水を飲料している住民の方々に対して、保健所を通じて注意喚起を行いますとともに、周辺地下水の水質状況を把握するため、周辺の井戸調査を行うことといたしまして、現在12月末にその調査を終えるよう、市及び住民の方々の協力を得ながら実施をしておるという状況でございます。

調査結果の報告等について
まず、法令の基準を超えた場合の市町村への連絡体制ということでございますけど、健康への被害の未然防止という観点から、各保健所を通じて速やかに市町村のほうへ連絡をいたしております。また、その上で追加をして行う周辺の地下水調査、さらには井戸を飲用利用する場合の住民への注意喚起など、そういったことにつきましては、保健所が市町村と協議しながら、それぞれの地域の実情に応じた適切な方法で進めることといたしております。
それで、健康福祉部との連携ということでございますけども、今回の事案を振り返ってみますと、やはり初期対応の段階で県庁内での情報の交換、協議をそういったする中で、両部間の連携が十分ではなかったというふうに私も感じておりまして、一部の市に対しまして御迷惑をかけたという状況でございます。保健所は環境部門と衛生部門、これを一つの部で所管をいたしておりまして、県庁から保健所に対する指導につきましては、環境生活部、健康福祉部、両部で十分に調整をした上で行う必要があるというふうに考えております。今後、今回の対応で得ました経験、とりわけ初動時の対応につきまして関係部局と問題認識を共有いたしまして、一体的な対応ができるよう十分な連携を図りまして、適切な対応となるよう今後の業務の改善を図っていきたいと、このように考えておるところでございます。

布野典男健康福祉部長答弁

部局間の情報共有について

部局間調整について
環境生活部長が申し上げましたが、まず問題点としましては、地下水の基準超過が判明した時点で、その後の対応方針について環境生活部と調整が十分でなかったため、その結果として、一部の市において救急な作業をしていただくことになり、大変御迷惑をかけました。
市と一緒に住民対応を行う保健所におきましても、環境衛生部という中で環境部門、衛生部門ということで、繰り返しになりますが、これを所掌しとるということからこの両部が連携をして対応することが大切であり、そのためにも、保健所に対する指示は、環境生活部と健康福祉部が十分に調整した上で行うことが必要と考えております。今後はこういうことがないように、危機管理事案が発生した場合には、特に初動時の対応といたしまして、両部が問題意識を共有した上でその対応方針を一体的に決定し、保健所や市町村に情報共有を行いたいと思っております。

溝口善兵衛知事答弁

危機管理について

情報の共有、一元化について
やはり災害だとか大きな問題、県民の方々に直接問題が起こる場合、それから行政事務の場合もあります。いずれにしましても、県の前線として情報を集める現場があるわけですね。現場から、ちゃんとそれが組織の中で必要なところに情報が届いていくと。で、その現場のところで情報をきちっと把握をする。現場の中の組織の中で情報の共有が行われる、あるいは職員とその組織におけるトップとの間で情報のやりとりがきちっといく、それがこの県庁内にずうっと伝わってくようにしなければならないと思います。それが一番大事なことでありますね。それで、事案によりますけども、それぞれの部署で処理をするのもあるでしょうし、それぞれの部署で処理ができないものにつきましては、連携っていうことが当然なけにゃいかんわけでありますが、その連携を判断するのもそれぞれの部署の、事案によりますけども、部署のトップがそれぞれ判断をしていかにゃいけん。
それから、もっと大きな問題になりますと、災害のようなことになりますと、これはもう災害対策本部とか防災対策本部っていうのが常設のものがありまして、そこに情報が集まるようにちゃんとしなければならないわけであります。それに基づいて判断を下し、指揮をするということでございまして、いろんな事案によってその対応は違いますけども、関係のところに情報がきちっと届き、それを判断すべきところに情報が届いて判断をちゃんとやる、そして先ほどの課税案件なんか聞いてみますと、県民の方々に対して、きちっとした状況の説明がいくということが大事だと思います。災害等になりますと、今度は市町村等を通じまして、避難の行動がきちっと行われるようにやっていくと。情報をどんどん組織の中でつないで、上まで上げる段階、それで判断して対応する段階、それが円滑に機能するように、組織をきちっとやっていくということが大変大事な課題だというふうに考えてるところであります。

ハザードマップについて
御指摘のとおりだと思います。ハザードマップにつきましては、洪水、土砂災害のハザードマップは17市町で作成されております。残る2町村が来年度中にも策定をするという状況でありますが、こういうものも、それは早くやるっていうことが大事でございますから、県も関係市町村と連携をして、よくやっていきたいと思いますし、それできた後は、今度住民にちゃんと説明をして、訓練をしなきゃいかんわけです。あるいは練習をしなきゃいかんわけでありまして、そういうことがなされるように、県としてもよく対応をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
それから、県は市町村に対する関係もございますし、県民一般の方々に対しても、啓発でありますとか情報の提供、これにも努めていかなければならないというふうに思います。いろんな問題、関係するところはありますので、その連携がうまくいくように、私どもとして努力をしてまいりたいというふうに考えておるところであります。

原子力発電所の安全に対する事業者対応について
事業者の対応につきましては、原子炉等規制法に基づきまして、原発全体について防護措置を行うということになっております。しかしながら、今回の福島第一原発が全電源喪失から事故に至ったと、電気が切れて事故に至ったというような経緯がございます。従来の措置といたしましては、核燃料自体を守るというような観点からの防護措置が、制度上中心であったわけでございますが、電源設備を防護を強化するというようなことの重要性から、現在国において、制度改正について検討がなされておるというふうな状況にございます。
自然災害に対するものとは異なりまして、テロに対する対策については、その性質上、取っておる措置っていうのはなかなか明示をしづらいというような事情があるというふうに伺っているところではございますが、可能な限りで、県民の皆さんに情報提供というのがどういうふうにできるのかについて検討していきたいというふうに考えております。

今岡輝夫地域振興部長答弁

サイバーテロ対策について

サイバーテロ対策について
コンピューターウイルスなどのサイバーテロ対策につきましては、技術的になかなか難しく、職員対応だけでは困難な面もございますので、専門的な知識を有しております専門の民間会社等の支援を受けて対応してるところでございます。
具体的には、職員のパソコンやサーバーに最新のウイルス対策ソフトをインストールした上で、それらの機器がウイルスに感染していないかどうか、定期的に監視を行っているところでございます。また、万が一ウイルスが侵入した場合には、パソコン上に警告画面が表示されるようになっておりまして、その際は、あらかじめ整備しております対応マニュアルによって職員が対応することにしております。初期的には、LANのケーブルをすぐ抜きなさいとか、県が委託している専門業者に連絡しなさいとか、課内の情報化リーダーに連絡を行って適切に対応しなさいといったようなことを示しておりまして、全庁的に拡大しないように、直ちに防止される措置がとられるようにしているところでございます。

高瀬隆之警察本部長答弁

原子力発電所のテロ対策について

テロ対策について
平成13年に発生いたしました米国の同時多発テロ事件を受けまして、テロ等の攻撃をされる事態に対処し得るよう島根原子力発電所に、機関けん銃、それからライフル、防弾仕様の特殊な車両等を装備いたしました銃器対策部隊を常駐させて、関係機関とも連携して、24時間体制で警戒警備に万全を期しているところでございます。
また、議員御指摘のように、福島第一原子力発電所の事故によって、原子炉の安定的な冷却に不可欠な枢要設備の脆弱性が明らかになったといった状況もあり、警察といたしましては、関係機関などとのさらなる連携強化を図りながら警戒要領の見直しなどを行うとともに、テロに関する情報収集の強化及び各種訓練を反復実施して、テロの未然防止はもとより事案発生時に備えた対処能力の向上に努め、警備の万全を期しております。

過去の投稿

園山繁の活動日誌