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予算編成には裏付けとなる財源の確保が必要であり、負担と給付の均衡が基本だが、一般会計の規模は拡大の一途で、民主党政権下で、実に14兆円も増加した。これは東日本大震災や原発事故の復旧費は含まれていない。国政は、政権交代のスローガンである「ムダの根絶」「予算の組み替え」は「社会保障と税の一体改革」にすり替えられ、歳出削減を放置したままで増税が議論されている。このままでは、国民は政治に愛想を尽かしてしまう。
「増税の前にやることがある」というメッセージを議員定数の削減や公務員給与の引き下げで対応しようとするのは、単にマスコミのミスリードに政治家が反応しただけで、状況は何も変わらない。消費税の税率を改定しても国民負担が増加するだけで、福祉の給付財源が安定するなどあり得ないことである。
スピード感に欠けた行政対応と閉塞感の要因は国が地方行政の隅々にまで関与することであり、民主党が掲げた「ムダの根絶」「地方主権」というメニューは決して間違っていない。ただ、人が入らなくなったレストランの経営を交代したものの、経営者に食材の使い方や調理の方法に対する認識やノウハウが全く無いために、営業を続けるためには以前の料理人を呼び戻さざるを得なくなり、結果として二重のツケを支払う羽目になったのである。
23年度の医療費給付の総額は39兆円を超え、年金や生活保護などを含めた福祉給付の総額は100兆円に達するそうだが、どこにムダがあり、どこをどう変えなければならないかを島根県が進める道路行政と医療行政を例にして明らかにするので、地方行政として国に何を求めなければならないのかを考えていただきたい。
県内の高速道路について尋ねる。
1 山陰道の着手は何時からか。(土木部長)
2 ルート別に延長距離と事業採択から着手までに要した時間および予算化されてから供用開始までの年数を示せ。(土木部長)
3 道路公団が建設を行った中国道はどうであったか。(土木部長)
4 新直轄制度となってからの整備時間は従前と比較して整備に要する時間が極めて長いと感じるがどうか。(土木部長)
5 知事は、島根県の「発展が遅れたのは都会地に比べて高速道路などの社会・産業基盤の整備が遅れ、産業立地が進まなかったことが要因の一つ」と述べられている。
山陰道は新たに県内で3つの整備区間が採択されたが、現行手法で整備が進んだとして供用開始は何時と見込むか。(土木部長)
6 国の整備予算の原資は国債である。事業費を細切れに年次配分して整備をするのではなく、第3セクターで整備主体を設立し、民間資金で一気に整備をすべきである。国と自治体は債務負担を設定し、時間をかけて、従来通りに償還すれば良い。
要は、「何年で作るか」と「何年で返すか」で、原資が税収見込みの範囲内で再配分されるのであれば致し方ないが、現状は国が民間資金を一括借り上げし、それを単年ごとに細切れ分配するから、事業の着手から完成までに膨大な時間がかかり、ロスが発生している。予算執行のムダは公共事業ではなくその方法にあるのであるのではないか。(知事)
7 「地方分権」民主党に言わせると「地方主権」だが、地方が自立するためには、地方自らが投資資金を調達し、地域開発を行うべきである。しかし、道路や港湾、空港など日本国内で一定水準、いわゆるナショナルミニマムとでも言うべき水準については、国が一定の関与をすべきある。しかし、その手法が所管する官庁の裁量に委ねられているのは極めて不合理で、早急に改善すべきある。これが「政治主導」であり「地域主権」なのである。(知事)
│掲載日:2012年03月06日│
昭和62年に策定されました第四次全国総合開発計画総合、四全総におきまして、山陰道が高規格幹線道路網に初めて位置づけられ、国や道路公団により整備が始められました。なお、現在の山陰道として位置づけされる以前から、松江道路は昭和47年、浜田道路は昭和53年、安来道路は昭和61年から、国による一般道路として事業が始められております。
山陰道につきましては事業期間が長いというなことで、さまざまな手法で整備がされております。まず最初に、もともと国が整備して無料の道路として開通した区間でございます松江道路、これは10キロメートルでございますけれども、昭和47年に事業着手し、平成13年の開通まで29年かかっております。浜田道路の6キロメートルは、昭和53年の事業着手から平成5年の開通までの期間は15年かかりました。
また、国が先行して整備を行い、舗装などを道路公団で行い、有料道路として開通した区間でございます安来道路19キロメートルは、昭和61年に事業着手し、平成13年の開通までに15年かかり、江津道路15キロメートルにつきましては、平成元年に事業着手してから平成15年の開通までに15年を要しております。
また、その後、道路公団が主体的に整備いたしました松江玉造インターチェンジから出雲インターチェンジまでの区間につきましては、国土開発幹線自動車道建設審議会、国幹審で整備計画を決定後、道路公団が国からの施行命令を受け、有料道路として整備されました。そのうち、松江玉造インターチェンジから宍道インターチェンジ間14キロメートルは、平成5年の施行命令から平成13年の開通までの期間が7年、宍道インターチェンジから斐川インターチェンジ間6キロメートルは、平成9年の施行命令から平成18年の供用までの期間が9年、斐川インターチェンジから出雲インターチェンジ間14キロメートルは、平成9年の施行命令から平成21年の開通までの期間が12年かかりました。
その後、平成15年の道路公団民営化により、有料道路から無料の道路として山陰道が見直されたことから、国による一般国道の自動車専用道路として整備された区間につきまして、益田道路4キロメートルは、平成8年の事業着手から平成22年開通までの期間が14年かかりました。また、いまだ開通しておりませんが、国が開通予定を公表している区間につきまして、仁摩温泉津道路12キロメートルは、平成16年の事業着手で平成26年度の開通予定まで事業期間が11年となっております。
それぞれ中国道、縦貫道、横断道につきまして、まず中国縦貫道は全長543キロメートルで、全線につきましては、昭和41年の施行命令から昭和58年まで17年間で開通しております。また、区間別に見ますと、大阪万博に合わせて早期整備された吹田宝塚間17キロメートルを除くと、各区間ごとの事業期間を延長で加重平均いたしますと、10年間の事業期間となっております。
中国横断道広島浜田線につきましては全長71キロメートルで、全線につきましては昭和48年から平成3年までの18年で開通いたしました。各区間の事業期間を加重平均いたしますと、12年ということになっております。
また、中国横断道岡山米子線につきましては全長107キロメートルでございまして、全線は昭和48年から平成9年までの23年間で開通し、各区間の事業期間の過重平均は13年となっております。
また、中国横断自動車道尾道松江線が山陰道と分岐するジャンクションから三刀屋木次インターチェンジまでの11キロメートルの区間につきましては、平成5年から平成15年までの9年で開通をしております。
道路公団民営化に伴い、平成16年度から全国36区間865キロメートルが新直轄方式として国で整備され、平成24年3月末までに15区間189キロメートルが開通する予定でございます。それぞれの事業の期間を加重平均いたしますと、13年で開通しております。
また、尾道松江線の新直轄区間は、三刀屋木次インターチェンジから尾道ジャンクションまでの111キロメートルでございまして、平成9年に着手し、平成26年までの17年で開通予定であり、各区間ごとの平均的な事業期間は15年となっております。
また、道路公団により整備された中国道の平均期間が先ほど申し上げたとおり10年である、横断道路につきましては、浜田道が12年、岡山米子道が13年と比較すると、15年はやや長い期間を要しているということでございます。その要因は、地形の状況やトンネルや橋梁等の比率、また新直轄事業として国への引き継ぎが行われたなど、さまざまな要因が原因であると考えられます。
山陰道の全線開通の見通しにつきましては、従来より県といたしまして国に対し、2020年までの全線開通を図るよう強く要望しておりますが、いまだ未事業化区間が2カ所存在することから、厳しい状況にあると考えております。今後も、山陰道が一年でも早く全線の開通が図られるよう、事業区間の着実な整備と未着手区間の事業化に向けた手続を早期に進めるよう、国に対し強く要望してまいります。
御指摘のように、できるだけ早く開通することが必要でございます。他方で、国の直轄事業は、国の事業として国の予算措置を伴うわけですね。民間資金を使ったらどうだと、それも一つのアイデアだと思います。他方で、民間資金を使う事業もなくはないんですね。PFIでありますとかBOTとか、建てて運営して、それから、民間が建てて運営して国に売り渡す。あるいは民間が建てて、ほで、国にあるいは公共団体に売り渡して事業を請け負うと。こういうようなやつは、島根県内でもこころの医療センターとか、あるいは給食センターとか、あるいは島根あさひ社会復帰促進センターとか、あるんですね。
それで、こういうやつは財源を節約するというよりも、工夫ですね。いろんな箱物っていいますか、施設ですから、民間の工夫を活用しようっていうことで意味ありますが、道路なんかになりますと、結局民間に、例えば民間でも県でもいいですわね、借金して早くつくっちゃうと。しかし、金利がかさみますから、それは国が借りてもらわなきゃいかんわけですね。だから、それは日本全国でそういうことにすると、結局国全体、国が予算で買い取らなきゃいかんわけですから、公共事業の予算に制約があるとそれはなかなか難しいっていう、基本的な問題は、国の直轄事業だとか基幹道路とかにつきましては、毎年の予算の予算制約があるから細切れになってくるんだと私は思います。結局どこも早くやってほしいですから、ちょっとでもいいから進めてほしい、ほでこっちも進めてほしいということになるんですね。
だから、道路のようなものは日本は非常にコストが高いんですね。だから高くて、国の予算に占める割合も、ほかの国と比べると非常にシェアが高いと思います。谷あり川あり山ありで非常に建設コストが高いっていうことが、基本的に工事の細分化につながってると思います。あるいは、もう少し早く、まだ財源があったうちにそういうものをやるといったことはあるいは考えられたかもしれませんが、今の時点になりますと、結局県が例えば借金して建っても、結局運用する収入は入ってこないわけですから、それはやっぱり国が買い取るほかない。ほで、管理をするほかない。そうすると、国の予算がその分だけ要るっちゅうことになる。
しかし、議員がおっしゃるように、道路に限らず民間のいろんな経験なりを活用できる分野では、まだまだPFIといったようなことで民間資金を使う。しかし、その後国が買い取るわけです。で、事業は運営するとか、あるいは国自身が事業をやるとか、いろいろあると思いますが、そういう工夫の努力はしていきませんが、道路については非常に難しいことではないかと。しかし、いろんなアイデアもありますから、よくまた研究もしていく必要があるとは思います。