県議会だより

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平成27年11月定例会一般質問(5)

「インバウンド対策について」

インバウンド対策についてお尋ねします。
全国47番だと言われる島根県の外国人観光客ですが、はじめに現状と課題を述べてください。
また、外国人観光客は、日本に何を求めてやって来るとお考えですか。例えば、東アジアの人たちが日本へ求めるものと、欧米の人が求めるものとは全然違うと言われています。欧米の人にとって島根県の魅力は「本物」であり、東アジアの人たちには「割安感」です。
本物を紹介するためには、ガイドが必要であり、割安感を具現するにはLCCを就航させる必要がありますが、ご認識はいかがですか。
観光庁の統計では、本年の来訪者は1800万人とも言われていますが、島根県は、来年度、どこに重点をおき、どのぐらいの誘客を目指しますか。

外国人観光客の対応について鳥取、島根の協調という観点からは、山陰版のDMO設置が報道されていますが、この内容についてお示しください。
また、不足している通訳案内士の養成についてはどのようにお考えになりますか。
島根県が得意とするITを活用した対応、例えば、アパホテルが、フロントにタブレット端末を置いて外国人対応をやっていますが、先日開設されたITOCの開発テーマとしてはどうでしょうか。

安井克久商工労働部長答弁

インバウンドの現状について

島根県を訪れる外国人観光客数がなぜ最下位となっているかということでございます。
1つには、やはり海外での認知度が低いこと。2つ目には、海外からの直行便はなく、成田や関空等の空港のゲートウエイ、入り口、そこからのアクセスが弱いということ。3つ目には、外国人観光客を受け入れていく態勢が十分でないということでございます。したがいまして、県では、これに対応しまして、海外旅行のプロモーション、あるいは貸し切りバスに対する助成などで二次交通の対策をとる。また、クレジット決済の導入に対する補助をすることなどで、受け入れ環境を整備ということを進めており、広域連携を含めて、取り組みを強化していかなくてはいけないと思っております。
日本を訪れる外国人観光客、島根県でも日本全体でも、アジアが中心で、引き続きアメリカ、香港、フランス等となっておりますけれど、いずれも調査したところによりますと、まず食、食べる食、これを求めておられます。それから、国によって違いますけど、次ぐのがショッピング、自然景勝、温泉、歴史等になっております。
島根県では、まさにこういう目的を満たすような観光地がありますので、こうした国ごとの特徴を捉えて、よりいいプロモーションをしなくてはいけないというふうに思っております。
私もタイやインドにも行っておりますけど、タイの観光客ですと、基本的に食がまず十分でないといけないとか、いろんな要素がございますけど、フランスとか欧米では、まず本物の文化とか伝統資産、そういったものに非常に関心が強いということは感じております。
本年の状況を見ますと、1月から9月までの宿泊客数は約3万4,000人ぐらいで、昨年の1.4倍ぐらいになっております。このまま昨年並みに今後入りますと、4万人を超えるような状況ではないかと思っております。
目標というのは、一応31年に8万人の宿泊目標を総合戦略で設定したところですけど、これをできるだけ早く近づけたいと考えております。
LCCでございますけど、全国で誘致の動きが出ており、現在、山陰には就航しておらんわけですけど、おっしゃいますように、低い運賃による海外からの新たな需要喚起、非常に強力な力がございます。山陰にとっても非常に魅力的なものであると思っております。
ただ一方で、一定の搭乗率を確保していくためには、インバウンド、アウトバウンドを含めて双方の乗客の確保が必要であることなどの課題がございます。こうした課題を踏まえまして、今後、LCCの誘致にはどういうふうに対応していくかということを、出雲空港については県庁の中は地域振興部と我々商工労働部、それから米子については鳥取県とも協議をしながら、考えていきたいというふうに思っております。

安井克久商工労働部長答弁

今後のインバウンド対策について

DMOというのは、デスティネーション・マネジメント・オーガナイゼーションということで、国が、観光地が進めています民間の経営手法を取り入れた誘客組織、これを山陰両県で来年4月設立に向けて、準備を今進めております。何をやっていくかということですけど、まさに民間の経営手法を活用するということが非常に大きな柱ですけれど、それによりまして、1つには、外国人観光客の分析、インバウンド戦略等を策定していくということがございます。
それから、2つ目には、海外へのプロモーション、旅行博の出展とか、あるいは旅行会社の招致、あるいはテレビ放送等々のプロモーションを強化していくと。
3つ目には、地元対策ですけど、外国人観光客に対応した、例えば宿泊事業者の皆さんなどのさらなる拡大を仕掛けていかなくてはいけないと。これを民間の経営手法を使いながら、両県でやっていきたいというふうに思っております。
受け入れ対策としまして、ガイドも十分でございませんので、これを強化していきたいと思っております。特に、今般、国から特区として両県で認定されましたエリアを限定した特例通訳案内士、これなど、DMOでやるのか、県で実施するのかわかりませんけれど、しっかり拡大していきたいというふうに思っております。
鳥取県と共同で実施します地域限定の特例通訳案内士ですけれど、非常に大事なのは、島根県の歴史、地理、文化、風土等々をしっかり理解していただくということですんで、広く県内在住者に公募しますけれど、その研修の75時間を予定しております研修のうち、24時間、最も多い時間ですけど、それをそういった地理、歴史、文化、観光名所、特産品、伝統行事等に関する研修に時間を割くようにしております。そうしたことを通じて、質の高いガイドの養成をしていきたいと思っております。
現在、県内で外国人の皆さんで、例えばボランティア活動をしておられるような方がおられますので、そういう方も参加してこられることはあると思いますが、地元の日本人の方ですけど、まず外国人に接する最初の英語とかその辺をしっかり習得していただいて、ガイドの力を上げてもらうようにしようと思っております。
ITのソフト研究センターですけど、まさにそういう課題にも対応しようと思っております。ちょっとお話ししますと、外国語に対応できない宿泊施設等がそうした翻訳や通訳案内等のサービスやシステムを利用して、外国人に即決対応していくと、これ非常に大事なことでございます。御紹介ありましたように、県外のホテルでは、タブレットを使ってそういうサービスを実施しているところもございます。
県では、現在も島根国際観光推進協議会で、観光施設等が無料で利用できる電話通訳サービスなどをしておりますが、それだけではまだ十分でないと思っております。ただいまおっしゃいましたけど、県としましては、まず既存のサービスやシステムの活用について情報提供いたしますが、民間の皆様の意見等もお聞きして、ニーズに応じてシステムを島根向けにカスタマイズする、こうしたことを考えて検討していきたいと思っております。

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