県議会だより

Reports

島根県議会平成28年5月定例会一般質問(3)

HACCPやGAPの導入促進について

島根県版のGAPである美味しまね認証制度が実施されてから8年目を迎えました。市場のバイヤーから求められるGAP水準にあるとの評価を得、大手量販店の参入要件をクリヤーできるステージになったとも聞いています。ただ、美味しまね認証制度は産品の残留農薬除去からスタートしたもので、厳密な生産履歴記録を求めるGAPとは若干性格を異にすると思いますが、現状はいかがでしょうか。(農林水産部長)
ところで、TPPやEU、東アジア包括経済連携協定など自由貿易拡大に伴い、今後の県産品の全国展開や輸出には、美味しまね認証制度から生産管理のJ-GAPや G-GAPの取得への移行が求められると思います。つまり、美味しまね認証制度は次のステージへのスキルアップを求められる時期を迎えたと考えられるのですが、どのようにお考えになりますか。(農林水産部長)

次に、県内事業者のHACCPの導入状況の現状と義務化に向けた対応についてお尋ねします。(健康福祉部長)

国は、HACCP方式の導入義務化方針を示しました。通例ではこうした場合、島根県は「零細事業者が多い」として、当分の間は導入を猶予する例外規定を適用することが多いのですが、HACCPの導入は島根県の食品業界を国際標準に引き上げる千載一遇のチャンス到来であると思います。
県産食品の市場評価を向上させ、「安全・安心」の評価を確たるものにするためにも、全国に先駆けた対応を求めますが、ご所見をお聞かせください。(知事)

溝口善兵衛知事答弁

HACCPやGAPの推進について

HACCPやGAPの推進は、安全・安心な県産品の評価を高め、販路拡大を図る上で有効な手段だと認識をしております。国では、HACCPの義務化等が検討されていますが、県としましては国の動きにかかわらずHACCPの導入を積極的に推進をしていく考えであります。このため、HACCPにつきましては、推進体制を強化するため、全保健所に専門職員を配置をいたします。GAPにつきましては、認証が受けられるよう普及指導員等による必要な支援を実施し、これまで以上に積極的に推進を図る考えであります。

藤間博之健康福祉部長答弁

県内事業者のHACCP導入の状況と今後の対応について

HACCPは、食品の衛生管理を行う上で、食中毒や異物混入等の発生を防止するための最も有効な手法と認識をしております。HACCPには、食品衛生法に基づいた国、厚生労働省の承認制度がございまして、現在島根県では2つの事業者の食品製造施設が承認をされております。また、島根県ではハード面重視の国の承認基準とは別に、製造工程管理のソフト面を中心とした県版HACCP制度を創設をいたしまして、これも現在、2つの事業者から届け出を受けております。この県版HACCPというのは、これ国の指針に基づいて実施しておりますが、現在国の有識者会議において、この義務化について検討をされております。この対応につきましては、先ほど知事も申しましたが、島根県といたしまして食品事業者の衛生管理のさらなる徹底を図るという観点から、こうした国の動きにかかわらず、HACCPの導入をこれまで以上に積極的に推進していくということとしております。また、このために、今年度から全ての保健所に専門職員を配置いたしまして、HACCP導入の推進体制を整えたところでございます。

坂本延久農林水産部長答弁

美味しまね認証制度の現状と今後について

美味しまね認証制度について
食のグローバル化、あるいは取引先からの要求水準の高まりもございまして、農産物につきましても、より高度な生産工程管理が求められるようになっております。例えば青果物の基準項目数で見ますと、美味しまね認証が63項目であるのに対し、いわゆるJGAPが138項目、グローバルGAP、いわゆるGGAPが218項目と、チェックポイントがより細分化されている状況でございます。また、意図的な異物混入の防止手順など、美味しまね認証にはない項目などもございます。一方、この美味しまね認証につきましては、平成21年度から認証品目数や認証農場数をふやしてきております。1つは、基本となる項目、ポイントについて県が公的に認証するという仕組みでございまして、このことによる信用力の向上が得られると。あるいは、2つ目としては、島根県産であることをあわせて表示する機能も持っておりまして、JGAP、GGAPにはない部分の評価もいただいているというふうに考えております。

美味しまね認証のスキルアップについて
県産品の全国展開や、あるいは輸出に当たりまして、美味しまね認証にない厳格な生産履歴の記録を求めるJGAPやGGAPの認証を取得することが求められる場面がふえていくと考えられます。県としては、例えば輸出向けの品目ですとかあるいは6次産業化における原材料の調達、あるいはインバウンドへの対応など取引先などの求めに応じて、それぞれの場面に適した認証制度が活用されるように支援していきたいと考えております。このため、先ほど知事から答弁しましたように、GAPについては、県の農業普及職員を中心に、JGAP指導員などを引き続き養成しまして、研修会や個別指導などを通じて必要な場面での取得を支援していきたいと考えております。

過去の投稿

園山繁の活動日誌