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昨年、小生の小学校時代の担任をしていただいた先生がお亡くなりになりました。
死因は口腔ガンの一種である舌ガンで、口内炎がなかなか治らず、黒く変色してきたために受診したら、すでに他臓器に転移していたとのことで、入院から僅かな時間で臨終となってしまいました。
人間、生まれたら、必ず死にますから、致し方の無いこととは言え、誰しも、1日でも元気に長生きがしたいと思うのは一緒です。
先日、定期の歯科検診に行き、歯周病の予防となる歯石除去等を行っていただきましたが、掲示板に松江市と出雲市で実施される無料の口腔ガンの集団検診の告知で、「なかなか治らない口内炎 それはお口のがんかも知れません 『口腔ガンは早期発見できれば90%以上が治る病気です』」と書かれたポスター・チラシが目につきました。
聞くと、人間ドックや成人病診断に歯科検診が付加されていないため、歯周病や口腔ガンの発見が遅れていのちをなくす人がかなりあるとのことでした。
島根県は80・20運動を奨励する歯の健康条例を制定していますが、学校を卒業した後の社会人の歯科健診受診率は、依然として、きわめて低く、政策的な誘導がほしいとの指摘がありました。
そこでお尋ねするのですが、県内の口腔ガン検診の状況と発症状況および治癒・死亡率などについて明らかにしてください。(健康福祉部長)
私は、毎年2回、春と秋に定期健康診断に出向き、また、年1回の歯科検診に行きますが、成人病検診や人間ドックに歯科(口腔ガン)検診が付加されれば、口腔がんの早期発見につながると思います。せっかく歯の健康条例を制定した本県であり、歯周病や口腔ガンの早期発見・早期治療を図る上からも、歯科検診の徹底を図ってはいかがでしょうか。また、できれば、医療機関の連携によって、健診に歯科を付加させる取り組みを検討いただきたいと思いますが所見をお聞かせください。(健康福祉部長)
│掲載日:2016年12月01日│
口腔がんは、舌や歯茎、頬の内側など口の中に発生するがんを総称したものでありまして、がん全体の約1%を占めております。この口腔がんの発見には、歯科健診が有効であります。
現在、各市町村では、40歳、50歳など節目年齢の人、また妊婦や後期高齢者を対象とするなど、それぞれの実情に合わせてさまざまな形で歯科健診が実施されておりますが、受診率は対象者の約1割と低い状況にあります。
県内での口腔がんの発症状況を見ますと、年間およそ50人の方がかかっております。また、死亡者は毎年15名前後となっておりまして、人口10万人当たりの死亡率は、男性が3.3、女性が1.64となっております。
がんの治療効果につきましては、一般的に5年生存率で評価をしておりますが、平成25年の5年生存率で見ますと、口腔がんと咽頭がんを合わせた数字ですが、59.4%となっておりまして、これはがん全体の5年生存率62.3%よりやや低い状況にございます。
口の中にできるがんは、直接目で見て確認することができ、年1回口の中をチェックすることで早期発見が可能であります。歯周病や口腔がんの早期発見のためにも、さまざまな形でチェックの機会が持てるよう取り組みを進めることが有効であると考えております。
一部の市町村では、定期健診の項目の中に歯科健診を組み入れて実施する、また定期健診や健康教室において歯科衛生士による相談コーナーを設けて、必要に応じて歯科受診を勧奨するといった取り組みを実施してるところがあります。こうした好事例が他の市町村でも実施できるように、市町村対象の研修会などを通じて普及していきたいと考えております。
また、各保険者が実施しております人間ドックや健康診断に歯科健診を付加することができないのか、各保険者、歯科医師会、健診の実施機関に対し働きかけていきたいと考えております。加えまして、歯科医を定期的に受診して口の中のチェックを行っている割合は3割と低いことから、かかりつけの歯科医を持ち、定期的に受診するように、歯科医師会、また歯科衛生士会等と連携しながら、県民への啓発を強化してまいります。以上であります。