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国道431号は島根半島北岸の主要幹線であり、境港・松江・平田・出雲大社を結ぶ観光、物流の動脈であります。現在、松江以東は地域高規格道路「境港・出雲道路」を意識した4車線化が進み、出雲地域でも東林木バイパスが供用されています。
当初、地域高規格道路は設計速度60kmの立体交差の有料自動車専用道とされていたため、バイパスでのルート検討がされてきましたが、平面交差が許容されたため、事業計画が大きく変容したと聞いており、431号沿線の自治協会や経済でつくる平田地域の道路整備促進期成同盟会では、国道431号を高規格化または4車線化し、ある程度時間がかかっても、現在供用されているルートで改良をし、都市機能や市街地の活力地盤を維持できる整備計画の立案を期待しているところです。
そこで、お尋ねいたしますが、国道431号の役割と今後の整備方針についてお尋ねするとともに、境港・出雲道路についての基本的な整備方針についてお聞かせください。(土木部長)
また、国道431号については、境港・出雲道路の整備と密接不可分であり、2つの幹線を別々のものとして整備することは極めて不合理でありますが、いかがお考えになるのかお尋ねします。(土木部長)
出雲大社周辺は、新年、ゴールデンウィーク、お盆、秋のシルバーウィークなど大渋滞を引き起こします。現在、渋滞が予測される時期には、県や出雲市が中心になって渋滞緩和対策が講じられていますが、出雲大社周辺の431号や県道整備を含めた渋滞緩和、路線整備についてお聞かせください。(土木部長・商工労働部長)
出雲大社の渋滞緩和には山陰道からのアクセスルートを複数にすることが一番有効であり、『斐川インター』を『出雲東インター』に名称変更することが斐川町商工会から提案されています。県として、ネクスコ西日本へ働きかけをする考えはありませんか。(土木部長)
│掲載日:2017年02月28日│
国道431号は、出雲市を拠点として宍道湖と中海の北岸を通過し、松江、境港を経由し米子市に至る産業道路あるいは生活道路の機能をあわせ持つ重要な幹線道路であります。
一方、境港出雲道路は、出雲市から松江市美保関に至る延長70キロの地域高規格道路で、山陰道と一体となって速達性や定時性が確保された高規格な8の字ルートを形成し、宍道湖・中海圏域の連携強化、地域活性化を支援する道路であります。
このように、機能が異なる2路線について、それぞれの機能が果たせるような道路整備が必要であり、国道431号はおおむね2車線で改良が終わっておりますので、局所的に急カーブや幅の狭い箇所での局部改良や、通学路のための歩道の整備等を行っているところでございます。
また、境港出雲道路につきましては、渋滞解消の要請が強い松江市内において、速達性や定時性を確保するため、市街地を迂回するルートの計画を進めているところでございます。残る区間につきましては、周辺道路の交通状況、財政状況、優先度等を総合的に勘案しながら計画を検討していきたいと考えております。
出雲大社への参拝客は、大遷宮や尾道松江線の開通を契機に増加し、特に正月、ゴールデンウイーク、盆、神在月に集中し、周辺道路で渋滞が発生し、遠方の参拝者からの苦情や駐車場の空き情報などの問い合わせが寄せられました。このため、国土交通省、NEXCO西日本、県、市、警察、経済団体から成る大社交通渋滞対策実行委員会において対策メニューが検討され、実施されてきたところでございます。
これまでに行った対策は、大社周辺に臨時を含め12カ所の駐車場の確保、また大社への流入車両を抑制するため、浜山公園や出雲ワイナリーとの無料シャトルバスの運行、それから雲州平田駅周辺の駐車場に駐車してもらい、一畑電車で大社まで行くパーク・アンド・ライドの取り組み、またこれらを周知するための情報発信などでございます。
これにより、大社につながる東西と南方向からの道路上の観測点4カ所で、取り組み前の平成25年度には1キロメートル以上の渋滞が38回発生しておりましたが、平成28年度は14回と4割まで減少しております。平成25年度には勢溜交差点から南方向に山陰本線内まで続き、16キロメートルありましたが、ことしの1月には東方向に3.5キロメートルが最大で、南方向は3.1キロメートルで、平成25年度の2割程度と大幅に減少しております。
しかしながら、渋滞が解消されるまでには至っておらず、取り組みの周知、大社への流入車両の抑制が不十分であることが課題であると考えております。そのため、渋滞対策を広く周知するための新聞広告、県、市、縁結び観光協会のホームページによる情報発信について強化するとともに、新たに特定の駐車場に集中する交通を周辺駐車場に分散させるために、一般車両を対象とした駐車場予約システムの開設を実施する予定で、渋滞対策のための道路計画はございません。
従前は出雲インターからの流入車両による渋滞が顕著で、流入分散が課題となっておりましたが、ことし1月は東方向の渋滞長が3.5キロメーター、南方向が3.1キロメーターと適度に分散が図られていると考えております。したがいまして、大社へのアクセスルートは複数になっているものと考えており、繰り返しになりますが、渋滞は大社近傍の駐車場にとめようとするため発生しているものであり、根本的な解決策は、大社近傍への流入を規制し、流入総量を減らすことでありますが、まずは周辺駐車場からのシャトルバスやパーク・アンド・ライドの利用を促進することで、渋滞緩和につなげていきたいと考えております。