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報道されたとおり、今春、日本の渚百選に選定されている大社の稲佐海岸に大量のアカモクが漂着しました。先年は豪雨災害による流木の漂着もありました。いずれも、海岸管理者である島根県の迅速かつ適切な対応で事なきを得ました。
島根県では、海岸漂着物対策推進協議会を立ち上げ、隠岐や半島部を主に海岸漂着ごみの処理を地域住民と一緒に進めてきたと聞いていますが、現在、海岸漂着ごみの処理体制についてはどのような整備がされているのかお尋ねします。(環境生活部長)
側聞するところでは、国からの交付金をうけて基金が造成され、海岸漂着ごみの処理について、情報提供や平時、緊急時の対応など、海岸管理者や市町村、関係団体(JFや自治会等)との役割分担や協力体制の構築が期待されていますが、現状では必ずしもそのようになっているとは言い難いとのことですが、現状はどのようになっていますか、詳しくお聞かせください。(環境生活部長)
県内の海岸は、国立公園満喫プロジェクトや世界ジオパーク、日本ジオパーク、日本遺産など大きく注目される地域である一方で、海岸地域は高齢化が著しい地域でもあり、できるだけ早く適切な漂着ごみの処理体制を整備する必要があると考えますが、今後の体制構築についてお尋ねします。(知事)
│掲載日:2017年06月22日│
県では、国立公園や豊かな自然環境に恵まれた島根県沿岸地域の景観と環境を保全するため、例えば海水浴場、夕陽百選に選定されている海岸、ごみの漂着の多い箇所を優先し、市町村の意見も聞きながら、計画的に海岸漂着ごみの回収処理を行っております。しかしながら、今回のアカモクの漂着のように計画的な回収処理では追いつかない場合もあるため、一定の基準のもとで海岸漂着ごみを機動的に回収、処理していく方策について、市町村や関係団体等と協議し、実施していきたいと考えております。
海岸漂着ごみの処理につきましては、県が管理する海岸は県が、市町村が管理する海岸は市町村が海岸管理者として環境省の補助事業を利用し、計画的な回収に取り組んでおります。事業の実施に当たりましては、県や市町村等による関係者会議を開催し、地元の要請を踏まえ、回収場所や処理方法等の計画を策定し、円滑な回収処理に努めております。このほか、水産庁の交付金を活用し、漁業者や地域住民が活動組織をつくり、漂流、漂着ごみの回収処理を行っている場合もあります。また、従前から地域住民や企業、民間団体等によるボランティアでの海岸清掃活動も行われており、こうした活動も海岸環境の保全に大きな役割を担っております。一方、一度に大量の流木等が漂着した際には、地元からの通報要請を踏まえ、県と市町村が連携の上、緊急的に回収処理を実施しております。このように海岸管理者を始めさまざまな主体が連携し、海岸漂着ごみの処理に取り組んでおりますが、計画的な回収処理では追いつかない場合もございます。このため、先ほど知事からも答弁したとおり、一定の基準のもとで海岸漂着ごみを機動的に回収処理していく方策について、市町村や関係団体等と協議し、地域と一体となった体制づくりに取り組んでまいります。以上でございます。