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小生は3歳から6歳まで宍道湖縁で過ごし、斐伊川河口や平田船川、湯谷川の下流域の環境に多少の知見を有すると思っています。河川、宍道湖を問わず、原因はわかりませんが、今年の藻の繁茂は異常です。
宍道湖の管理者である国土交通省出雲河川事務所や宍道湖の流入河川を管理する島根県や松江市、出雲市も相応の努力はされていますが、対策が追いつかない状況で、まもなく宍道湖の藻は腐れ、異臭を放ち、湖底に堆積してヘドロとなることは必至です。
通常、刈り取った藻は一般廃棄物として焼却処理をするのにまた大きなコストがかかるとされ、それは道路や川土手などの除草も同じで、藻や草類の有効活用を考える必要があるのではないかと考えます。
はじめに、今年の宍道湖の藻類について現状認識を伺います。(知事)
宍道湖への流入河川の藻類の繁茂も大きいと聞いていますが、市、県の管理河川の状況はどのように把握されていますか。(知事)
また、刈り取った藻類の処理にはどのぐらいのコストがかかっていると推定していますか。(知事)
藻や雑草を飼料やたい肥化する有効活用策を講ずることで藻類や雑草をリサイクル資源として循環利用できると思いますが、県が主体となって国土交通省や農林水産省、関係市町村と協力して、処理施設を建設してはと考えますがいかがでしょうか。(知事)
│掲載日:2017年09月19日│
最初に現状認識についてであります。今年の宍道湖における水草の状況は、これまでと比べまして、より早い時期からより広い範囲で繁茂しており、県が調査を開始しました平成24年以降、最大の量に達しているということであります。この水草繁茂拡大により、水産業では、シジミ漁場の縮小、漁船の航行障害などの影響が出たり、夏以降、沿岸に打ち上げられた水草の腐敗に伴う悪臭が発生するなど、近年にない状況と認識をしております。
関連し、市及び県管理河川の状況についてであります。宍道湖に流入する河川につきましては、松江堀川、出雲市の湯谷川など、主要な河川で、例年に比べ、繁茂が拡大をしております。これらの河川における8月末までの処分量は、市、県を合わせまして約230トンとされております。このうち6月から緊急対応を行った松江堀川では、処分量が昨年同期の2倍以上の約120トンに達している状況であります。
次に、水草の処理費用についてでありますが、宍道湖及び宍道湖に流入する河川における水草の国、県、市を合わせた処分費用は、8月末で約4,700万円であります。このうち刈り取りや運搬に要する費用は約3,900万円、また焼却等の処分に要している費用は約800万円であります。なお、昨年度の実績は、全体で6,500万円であり、このうち処分に要した費用は1,100万円であります。
次に、水草の有効活用についてでありますが、水草等は、河川管理者や漁業者等により回収され、一部は農地にすき込むなど、肥料として利用されているものの、大部分は廃棄物として処分をされており、廃棄物の減量及びリサイクル促進の観点からは課題があります。県は、国に対しまして、水草等の速やかな回収、処理など、適切な対策を講じるよう求めており、今後も要望を強めてまいりますが、一方で、県としましても、どのようなことができるのか、例えば効率的な回収や、回収された水草を堆肥化するなどの有効利用策も含め、検討していく考えであります。このため、近々副知事のもとに、環境生活部、農林水産部、土木部から成る検討会議を設け、国、関係市等とも連携して検討を行い、宍道湖及び周辺河川の良好な環境保全に努めてまいります。