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はじめに、公務員の不法行為に対する懲戒基準について説明してください。
仮に起訴されて、有罪になった場合と不起訴または無罪になった場合の懲戒処分に差はあるんでしょうか。
懲戒処分を科す際、特に懲戒解雇を言い渡される場合は、当事者への弁明機会付与や第三者による聴聞会の機会等は付与されるでしょうか。
ところで、県職員で、今精神的疾患で休職または長期療養、あるいは欠勤の状況にある勤務者はどのような実態でしょうか。また、任用後3年未満の退職者の状況についてお尋ねします。加えて、精神疾患と診断された方が窃盗事犯を行った場合、同様の基準で懲戒処分されるのかどうか、健常者と同じような基準で処分されるのかどうかお尋ねします。
過般、教員の万引き事犯が実名報道されて、懲戒解雇となりました。万引きは窃盗で、してはならない行為であることは間違いありません。しかし、してはならない行為をするのが人間であります。やはり一罰百戒といえども、わずか1回の過ちで30年も教員として勤務を続けてきた者を一発で懲戒解雇するというのは、あまりに厳しいと感じます。社会的に大きな影響のある横綱の傷害事犯は引退で、除名・解雇とはなっていません私は、近隣県の事例からしても、島根県教委の処分基準は厳しすぎるのではと思います。特に教員や警察官は超多忙業務で大きなストレスを抱えており、この処分のあり方について見直しされる考えはないかお尋ねします。
教育委員会が取締期間や監察機関であってはなりません。基本的には職員を守るという組織であってほしいと思います。今後、懲戒解雇をする場合は十分な、慎重な上にも慎重な検討の上で処分をされますようにお願いいたします。
│掲載日:2017年12月01日│
知事部局におきましては、懲戒処分を決定する際には人事院が定めております懲戒処分の標準例、これを基本としております。あわせまして、本県また他県における過去の類似事案の処分例のほか、懲戒事由に該当する行為の原因、結果、影響、また当事者の勤務状況、また過去の処分歴などを総合的に考慮し判断をしてるとこでございます。
懲戒処分は確認した事実を踏まえた上で、公務規律や秩序維持のため、その職員に対して処分をすることが相当と判断できれば、犯罪捜査の結果に関係なく処分することができると解釈しております。そのため、起訴か不起訴かによって処分に差が生じることはございません。ただし、本人がその事実を認めない場合には、裁判結果を待って処分を判断することとなります。
処分を検討する場合、第三者による聴聞等の機会は設けてはおりません。が、当事者に対しましては弁明の機会を設けております。あわせて、上司等にも当事者の日ごろの勤務の様子などを確認をする際に、いろんな情報を集め、公正な判断が行えるように状況把握に努めております。
知事部局におきます本年10月末現在の精神的疾患によります休職者数は13名でございます。そして、休職には至っておりませんが、長期療養として30日を超える私傷病休暇を取得している職員は6名でございます。欠勤者はおりません。そして、任用後3年未満で退職した者でございますけども、平成24年度に任用後3年未満で退職した者は2名、25年度が3名、26年度が3名、27年度が5名、そして昨年度、28年度が7名でございます。
次に、精神疾患と診断された職員が窃盗を行った場合でございますけども、これは国の標準例では免職または停職とされておりますけども、精神疾患に関する規程は設けられておりません。したがいまして、知事部局におきましては、これは過去に事例がございませんが、実際に事案が発生した場合には、他県の事例、また当事者のこれまでの勤務状況、該当する行為の原因、結果、影響、疾患の状況などを見ながら個別に判断をしていくこととなると思います。
教育委員会においては、教育委員会事務局等の職員及び県立学校の事務職員等については人事院が定める懲戒処分の標準例を基本とし、市町村立小中学校の県費負担教職員及び県立学校の教職員については教育委員会が定める懲戒処分の標準例を基本としております。具体的な処分量定の決定に当たっては、標準例だけによるのではなく、非違行為の動機、対応、結果はどのようなものであったか、過去に非違行為を行っているかなどのほか、平素の勤務態度や非違行為後の対応なども含め、総合的に考慮の上で判断しております。
懲戒処分は、教職員の一定の義務違反に対する道義的責任を問うことにより、公務における規律と秩序を維持することを目的としております。確認した事実を踏まえた上で、公務規律や秩序維持のため、その教職員に対して処分をすることが相当と判断すれば、犯罪の捜査の結果に関係なく懲戒処分をすることができます。ただし、本人が事実を認めない場合は裁判の結果を待って処分を判断することとなります。したがいまして、地方公務員法に基づく懲戒処分については、起訴か不起訴かによって差異が生じるものではありません。
処分を科す際、第三者による聴聞等の機会は設けておりませんが、当事者に対しましては事実の確認を直接行うとともに、弁明の機会を設けております。
県教育委員会における本年10月末現在の状況でありますが、精神的疾患による休職者26名、休職には至っていないが30日を超える私傷病休暇を取得している者が21名、欠勤者はありません。任用後3年未満で退職した者でありますが、平成24年度3名、平成25年度5名、平成26年度4名、平成27年度5名、平成28年度4名であります。
そして、精神的疾患のある者が窃盗を行った場合についてのお尋ねでありますが、この場合も標準例を基本にしながらも、非違行為の動機、対応、結果はどのようなものであったか、過去に非違行為を行っているか、さらには職員の状況なども含め、総合的に考慮の上、個別に判断していくことになります。
教職員の非違行為は、教育に対する県民の信頼を裏切るものであります。児童生徒や保護者、地域社会に及ぼす影響は極めて深刻であること、教職員には高い倫理観と厳格な服務規律が求められることなどを考慮し、これまでの数次にわたる改正を経て、現行の標準例に至っているものであります。一般論として、将来的な見直しの仮定を否定するものではありません。ただし、現行のこの標準例は、県教育委員会のホームページなどで公開するとともに、服務規律の徹底のためのさまざまな研修、指導などの機会に参照してきており、広く教職員の知り得るところとなっております。また、最終改正を行いました平成19年から10年を経過し、その間この標準例を基本に懲戒処分を行ってきており、既に県内教職員にとって定着した規範となっているものと考えております。したがいまして、現時点で見直しを行う状況にはないと考えており、仮に標準例を見直すに当たりましては、保護者や学校を支える地域の方々、県民の理解を得られるような合理的な根拠をもとに行う必要があると考えております。
警察における処分につきましては、調査、捜査等により判明した具体的な事案内容、警察長から示されました懲戒処分の指針、全国警察における同種事案に関する先例、警察長の知見等を参考に総合的に検討した上で、島根県警察として決定をしてるとこでございます。
警察における処分については、さまざまな要素を総合的に検討した上で処分の内容を決定してるとこでございまして、起訴、不起訴に左右されるものではございません。
島根県警察における懲戒処分の手続につきましては、島根県警察職員の懲戒等の取り扱いに関する訓令で規定がされており、訓令の規定により、懲戒行為者に口頭審査、すなわち弁明の機会、それから証人の呼び出しの機会が付与されているところでございます。
島根県警察職員につきましては、本年10月末現在、精神的疾患による休職者は4名、休業日数30日を超えて私傷病休暇を取得した職員は2名、欠勤した職員はゼロとなっております。また、任用後3年未満で退職した者の数でございますが、平成28年度は10名、27年度が13名、26年度が19名、25年度が9名、24年度が13名となっております。精神疾患と診断された者が窃盗事犯を行った場合でございますけれども、県警におきましては、調査、捜査により判明した事案内容、警察庁から示された懲戒処分の指針、全国警察における同種事案に関する先例、警察庁の知見等を参考に、総合的に検討した上で処分を決定しているところでございます。