県議会だより

Reports

平成29年11月定例会一般質問(1)

出雲空港の機能強化について

はじめに、ここ数年の出雲空港利用者の状況についてお聞かせください。
2点目は米子空港からの東京便利用者の推移あるいは今年度の見込みについてお聞かせください。
出雲空港の空港の機能の現状についてお聞かせください。
また、出雲空港は、空港ターミナルビルの改良や着陸帯の拡幅、滑走路の延長、駐車場の整備、運用時間の延長などの機能改善が求められており、駐車場の整備については、昨年の建設環境委員会で平成29年度に立体化を含めた改善を検討すると答弁をされておりますが、現状と今後の取り組みについてお聞かせください。
観光利用者からは機材の大型化による運賃低廉化、ビジネス利用者からは朝晩1時間程度の早発あるいは遅着が求められております。大型化や運用時間延長には着陸帯の拡幅や空港周辺の住民理解が必要です。
過去、住民の皆さんの御理解をいただいて、運用時間は延長されてきましたが、県は、さらなる運用時間の延長には消極的に見えますが、運用時間の変更について、今までの経緯、取り組みについて伺います。
知事は、過般に開催された観光施策懇談会で、空港の運用時間延長について、関係の住民理解を得るために出雲市に斡旋をお願いしたと述べられ、出雲市長も、後日、これをお認めになりました。私たちは、運用時間延長に対する期待を持っているわけですが、今後の取り組みの方向や運用時間延長に対する知事のご所見をお聞きします。
着陸帯を150mから300mにして、民家を(移転などにより)空港・滑走路から遠ざけるような取り組みも必要だと思います。運用時間の延長は、産業界などさまざまな方々から求められており、観光利用についても、米子と運用時間が大きく異なる状況が長期化すると、主な部分が米子に移るという危惧もあります。鳥取県はLCCの誘致を進めておりますが、出雲と米子が競うことは事実上のダブルトラックが実現するということで、圏域の利便性は格段に向上するわけです。
島根県の伯備線あるいは山陰新幹線の整備や石見、隠岐を含めた航空路、隠岐航路などの交通政策は、地域振興部や土木部、商工労働部の3部が担っております。出雲空港のやりとりだけでも、地域振興部と土木部が交互に答弁をされるという状況です。これではスピード感が出ないと思います。やはり、こうした取り組みや課題解決に当たっていくためには、交通政策の一元化という観点から次長級の交通対策監を設置をし、所管を超えて所管をする必要があると思いますが知事の所見を求めます。

溝口善兵衛知事答弁

出雲空港の機能強化と交通政策の一元化について

御指摘のように出雲縁結び空港は、民家に近接をしているため、離発着時の航空機騒音等は、空港周辺の住民の方々の安寧な生活に大きくかかわる問題であります。運用時間の延長に関しましては、空港周辺住民の方々の生活環境に十分配慮して、理解を得ながら進めていくということは大変大事でございます。
部長が申し上げましたように現状は、滑走路の拡幅がされておらず、騒音は変わらないわけであり、朝、夕の時間延長には、住民の方々に対する対策あるいは理解を得ることが、先ず、先決で、私としては「急がば回れ」と言う姿勢が大事だろうと考えております。
航空路や海の航路、鉄道など交通に関する施策は、複数の部局がかかわっております。交通対策につきましては、迅速に進める必要があるため、関係部局が情報を共有しながら取り組んでおりますが、さまざまな課題解決に当たっては、関係各方面の理解と協力を得ながら進めていく必要があり、時間を要する場合もあります。これまで特定の課題に対しては、部局を超えた職員のチームを設け、副知事や部長、次長などをリーダーに検討するという方法を取っております。

穐葉寬佳地域振興部長答弁

空港の利用状況について

出雲縁結び空港には、現在東京、大阪、福岡、隠岐、そして名古屋の5路線で、1日15往復、30便が運航しています。このほかに季節運航便として8月に札幌線の週3往復運航があります。出雲縁結び空港の年間利用者数は、平成24年度が69万5,775人、平成25年度は出雲大社の平成の大遷宮の影響で大きく伸び、83万4,378人と初めて80万人を超え、平成26年度は78万4,679人と落ち込んだものの、名古屋線が就航いたしました平成27年度は82万9,111人となり、さらに名古屋線が2往復運航となりました昨年、平成28年度は過去最高の89万1,889人と、90万人に迫る利用者数となりました。今年度は10月末現在の時点で利用者数は55万2,232人と、昨年度同期に比べ1万6,553人増となっております。
米子鬼太郎空港の東京線の年間利用者数、同じく平成24年度から申し上げますが、平成24年度44万1,941人、平成25年度54万3,947人、平成26年度49万6,255人、平成27年度54万9,029人、平成28年度57万1,815人であります。今年度10月末現在の利用者数は35万7,809人と、昨年度同期に比べ1万4,440人増となっております。今年度の米子鬼太郎空港東京線の利用者見込みにつきましては、今後の利用が昨年度同期の実績よりも今年度10月まで並みに伸びると仮定をいたしますと、59万人余となります。
出雲縁結び空港の運用時間につきましては、開港当初は日の出から日没時までとしておりましたが、昭和44年8月に9時30分から17時30分までの8時間と定めて以降、これまで3回延長してきております。昭和54年7月に8時から18時までの10時間へ2時間延長し、昭和60年11月には8時から19時30分までの11時間半へ1時間半延長、そして平成10年7月に7時30分から20時30分までの13時間に1時間半延長をし、現在に至っております。運用時間の延長は空港周辺の生活環境に影響を与えることから、その都度地元の皆様の御理解を得ながら進めてきております。
また、滑走路延長につきましては1,200メートルで供用開始し、昭和45年12月には1,500メートル、平成3年3月には2,000メートルに延長してきておりますが、着陸帯の幅については150メートルのまま変更しておりません。

佐々木孝夫土木部長答弁

出雲空港の整備について

出雲縁結び空港は、中型ジェット機の離着陸に対応できるよう、滑走路延長は2,000メートル、着陸帯の幅は航空法の規定に基づき150メートルとなっております。また、駐車場の台数は利用者の増につれて東側の公園部分などに増設をしてきており、現在は1,299台となっております。運用時間は、現在午前7時30分から午後8時30分までの13時間となっております。
平成29年3月に、出雲縁結び空港利用者利便向上協議会交通駐車場部会を設置し、検討に着手しました。その後、現地調査、利用者へのアンケート調査、障がい者団体への聞き取りなどを実施しております。調査結果の速報ですが、利用者が多く見込まれる金曜日、土曜日について調査をした結果、駐車場の数はおおむね足りている、有料化や立体化についての肯定的な意見は少ない、障がい者等への配慮が必要であるなどの意見が出ております。
今後についてですが、12月14日に第2回目の部会を開催する予定であり、ここでの意見などを参考にしながら改善方針を策定し、来年度の実施を目指していきたいと考えております。

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