県議会だより

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令和3年9月議会一般質問(3)

スポーツ競技力の向上について

昨年の鹿児島国体に続いて三重国体が中止となりましたが、三重県は国体開催を断念したとのことであり、島根県で開催される国民スポーツ大会の開催は当初計画より1年延期となりそうです。昭和57年の「くにびき国体」では、中高生や国体開催前に大量に採用された教員の活躍によって天皇杯・皇后杯の獲得はもとより、かなりの期間、競技を開催した地域での当該競技の定着や指導体制が維持継続してきました。奥出雲町のホッケーや邑智地域でのカヌー、安来地域でのフェンシング、出雲地域での重量挙げや剣道などはその名残ですが、出生数の急減は10年後のスポーツ大会でのジュニア部門の活躍を危うくしかねません。そこで、何点かお尋ねします。

1.くにびき国体で活躍した当時の高校生は昭和40年前後の生まれですが、昭和35年から45年の出生数は。(環境生活部長)

2.10年後の国民スポーツ大会で活躍が期待される平成20年から平成30年の出生数は。(環境生活部長)

3.さきの東京オリンピック・パラリンピックで日本選手団はリオ大会を上回るメダルを獲得しました。日本はかつてオリンピックでメダルが取れない時期がありましたが、ナショナルトレーニングセンターを整備し、ジュニアからシニアまで計画的かつ専門的な強化を実施することで成果を上げてきました。県内のジュニアスポーツは、小学校こそ地域のスポーツ少年団が主体ですが、中高は学校の部活動が主体です。単独校では部員不足で強化や大会参加が困難になってきていますが、こうしたことを補完する方法をどのように考えますか。(環境生活部長)

4.優秀な運動能力を有するジュニア世代の選手を指定し、土・日だけでも良いので、石見と出雲に専門的な知見を有するトレーナーや栄養士が常駐するトレーニングセンターを設置して、強化を実施してはいかがですか。(もちろん交通費多滞在費は強化費から支弁)考えは。(環境生活部長)

5.県体協の理事長は大きく若返りましたが、「くにびき国体」に関係した世代の指導者、教員が引退の時期になっており、社会体育の指導者や競技団体の役員の顔ぶれも高齢化してきています。国民スポーツ大会の開催地の選定や競技施設の整備はもとより大事な問題ですが、大会開催に向けた人的な整備、指導者の確保も大事な課題だと考えますが、今後の対応について知事はどのようなお考えになりますか。(知事)

丸山達也知事答弁

国民スポーツ大会に向けた競技力強化について

昨年度から、県内の各競技団体に対しましてヒアリングを行ってきたところであります。組織、人員体制が必ずしも盤石でないという競技団体が多数ございますことや、指導者が少数であったり、おられなかったりして、指導体制に大きな課題がある競技が相当数あることが判明したところであります。こういった組織体制の整備充実を図るために、組織の核となる強いリーダーを発掘、育成するとともに、国体の先進県に出かけまして、島根と同じような課題をどのように克服されたかという観点から組織づくりに関する情報を収集しまして、人材の育成確保に取り組んでまいりたいと考えております。
また、競技運営に関わる競技役員や審判が高齢化し、この人材不足も見込まれることから、大会準備委員会の下部組織として、競技運営専門委員会を設置をいたしまして、計画的に人材の育成確保に取り組んでいく考えでございます。
指導者につきましては、専門性を持つ人材を民間や教員などから幅広く確保していくことが欠かせません。引き続き、県内企業や団体、教育委員会とも十分に連携しまして、対応していきたいというふうに考えております。

竹内俊勝環境生活部長答弁

くにびき国体世代と次期国体世代の出生数について

昭和35年の出生数は1万4,113人です。翌年以降、順に1万3,198人、1万2,661人、1万2,309人、1万2,136人、1万1,796人、8,630人、1万2,075人、1万993人、1万704人、最後に昭和45年は1万539人でありまして、平均しますと1万1,741人となります。
2030年に開催される国民スポーツ大会で活躍が期待できる平成20年の出生数は5,685人です。翌年以降、順に5,601人、5,756人、5,582人、5,585人、5,534人、5,359人、5,551人、5,300人、5,109人、最後に平成30年は4,887人でありまして、平均しますと5,449人となります。

竹内俊勝環境生活部長

ジュニア世代のスポーツ競技力の強化について

現在、中体連や高体連、高野連が主催します県内の大会におきましては、団体競技に限り部員不足による合同チームが出場できるようになっております。しかしながら、全国大会については、部員不足による合同チームの出場が認められていない場合もあります。今後は、全ての全国大会において合同チームが出場できるよう、教育委員会と連携を取りながら関係機関に働きかけてまいりたいと思います。
また、各競技団体が県内の競技能力の高い生徒を集めて、優れた指導者の下で互いに切磋琢磨します強化練習会を開催したり、県外に遠征して強豪チームと練習試合や合同練習を実施する場合、必要経費の一部を助成しておりますが、今後、拡充について検討してまいりたいと考えております。
さらに、全国大会の活躍が期待される高校生や個人を指定して強化を図っておりますが、今後は、この指定の対象を拡充して強化を図るなど、競技の特性や選手の実情に応じた強化策を進めてまいりたいと考えております。
県内の生徒が減少する中で、優秀な競技指導者の下に県内外から生徒が集まって、競技レベルの生徒を育てていくような環境の整備を目指してまいりたいと考えております。
議員御提案の石見、出雲にトレーニングセンターを設置して、優秀な運動能力を持つジュニア世代の各選手の強化を行う場合、東西長い本県におきましては、センターまでの選手の移動時間、移動方法をどうするのか、また限られた常勤スタッフで様々な競技、選手をサポートすることが効果的なのか、関係者の意見を聞いて慎重に検討する必要があるのではないかと考えております。
現在、県では、島根大学、県アスレチックトレーナー協議会、県栄養士会などと連携しまして、希望する学校や競技団体にスポーツトレーナーや専門的知見を有する栄養士、薬剤師などを派遣する取組を行っております。今年度、スポーツトレーナー63名、栄養士22名、薬剤師34名の資格を持つ方が登録され、派遣に協力いただいております。県としましては、今後、派遣可能な登録者を増やすため、資格取得の支援を拡充するとともに、学校や競技団体にこの派遣制度の積極的な利用を促してまいりたいと考えております。
いずれにしましても、ジュニア世代の選手強化は重要な課題ですので、今後も対策の検討を進めてまいります。

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