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県内市町村では、出生数の減少により、ピーク時の昭和30年代から1/5程度まで児童・生徒数の減少が続いており、大方の市町村で学校の統廃合が進んでおります。小中学校は地域との結びつきが非常に濃く、「学校は地域の灯台」と形容されてきました。県内のほとんどの地域で地域スポーツや伝統文化、祭りなどの習俗継承は学校の協力を抜きにしては考えられず、また、環境美化やふるさと学習、学校行事など学校運営も地域の協力なしには成り立たないことも事実であります。。
しかし、このところの教員の負担軽減や働き方改革の掛け声が、地域と学校の結びつきを低下させているのではないかと危惧しています。ある学校では、地域の伝統芸能である神楽の舞い手や囃子方が不足してきており、保存会を組織している方々が神楽の紹介と子どもの舞い手や囃子方を募集するパンフレットを作成して学校に持ち込んだところ、「大変申し訳ないが、学校行事と直接のかかわりがない文書配布は教育委員会からの通達で取り扱いができなくなった」と言われ、当初、近隣の学校に配布する予定で作成した500枚ほどのコピー文書では足りず、自治会を通じて関係地区の全世帯に配布するために必要となる3000枚を印刷配布したそうであります。ことほど左様に、(1)学校現場は雁字搦めにされており、もっと、現場長である学校長の裁量を認めて、地域に相応しい学校運営ができるようにすべきと考えますが、教育長の所見をお尋ねいたします。(教育長)
新聞やTVで教育庁の幹部が、教職員の不祥事を取り上げて、頭を下げる姿ばかりが報道され、「島根県の教職員は悪いことばかりやっている」ように映りますが、不祥事は7000人を超える教職員のうちの僅かであり、大多数の教職員が使命感を持って職務に取り組んでいると思います。ほんの一握りにも満たないごく僅かの不祥事のために、要らざる通達が発出され、研修や調査、再教育、文書報告などが義務化され、その大部分は、何の問題もなく職務を遂行している者に対するものとなり、余分な時間に費やされる時間が肥大・増大化し、相対的に教職員が本来取り組むべき「子供と向き合う時間」を減少させていることは大きな損失で、島根の教育水準を貶めている元凶だと思うのです。そこで、お尋ねしますが、(2)昨年の教職員の不祥事で会見された件数とそれに伴う学校管理上(人事管理上)の発出文書および研修機会についてお聞かせください。(教育長)
教員を委縮させるのではなく、善行事例や成果事例を積極的に外部発信してほしいと思います。評価されていることが分かれば、モチベーションは上がり、そうでなければ、「悪貨が良貨を駆逐する。」の通り、士気が下がります。そこで、(3)教職員の善行を紹介する会見の件数と全国大会の成績優秀や永年勤続および善行での栄誉表彰件数をお聞かせください。(教育長)
学校は、地域とともにあるべきであり、一律の規制は必要なく、規模や地域が違えば取り組みの姿も千差万別で良いのであり、島根の子どもたちが自己実現を果たす人材として逞しく生きていくためには『鍛える』ことが必要です。そのためには教職員が使命感を持って職務に位置込める環境を整備しなければならないと思います。(4)「〇〇をしてはならない」ではなく、県教委は『法3章』の立ち位置を持つべきで、教職員に対する『要らざる指導(指図)』よりも、現場の教職員が『求める必要な支援』こそが大事ではないかと考えますが、教育長のご所見をお尋ねいたします。(教育長)
│掲載日:2021年12月02日│
学校においては、地域に出かけたり、地域の方々と交流したりすることによって、教育活動をより充実したものにするよう取り組んでおります。また、地域においては、地域の子どもたちを学校と一体となって育てるため、文化、芸能活動や社会体育活動をはじめ様々な活動が行われております。このように、学校と地域が相互に協力、連携すること、言わばお互いさまの関係であることが、子どもたちの学びをより充実したものにすると考えております。
そのためには、校長が一定の裁量を持って、地域の実情を踏まえた多様な活動を行うことができる環境を整えていくことが重要だと考えます。県教育委員会としても、御指摘のような視点を大切にしながら、市町村教育委員会に対して、様々な機会を捉えて学校と地域の関係性などについての考えを伝えていきたいと考えております。
昨年度1年間で、教職員の不祥事に関して県教育委員会が記者会見をした件数は6件であります。議員御指摘のように、大多数の教職員が使命感を持って職務に従事している中で、ごく少数の教職員の不祥事のために教育全体に対する県民の皆様の信頼を損なうこととなるのは極めて遺憾であります。
一方で、不祥事は誰でも起こす可能性があり、起こった事案について、その背景や経緯、周囲への影響等について各教職員に自分事として考えてもらう必要がございます。このため、不祥事に対する懲戒処分を行った場合には、基本的に記者会見を行った日に各県立学校及び市町村教育委員会に対し、服務規律の徹底を図るための文書を発出しております。それを受けた各学校での周知方法等については校長の判断に委ねており、朝礼や職員会議など、既存の機会を活用して教職員に対する周知が行われている場合が多いと聞いております。
服務規律確保に係る研修につきましても、各学校で年度当初に年間計画を作成しており、発生した不祥事に応じた内容についても、新たな研修を追加するというよりは、当初の年間計画に基づいた研修の中で取り扱われるのが一般的だと聞いております。
教職員の善行を紹介する会見の件数などについては、昨年度1年間で、県教育委員会で教職員の善行を紹介する会見は行っておりません。永年勤続あるいは善行により教職員個人を表彰した件数は、それぞれ326件と13件であります。今後は、こうした頑張っている教職員を顕彰する際にマスコミ取材をしっかり依頼したり、ホームページに活動を紹介するなどして情報発信に努めてまいります。
また、全国大会で活躍した学校を表彰する制度はございますが、指導教員を表彰する制度はありませんので、これは検討してまいります。
教職員に対する支援については、議員御指摘のとおり、教育の充実のためには、教職員が使命感を持って生き生きと職務に打ち込める環境を整えることが大切であります。そのためには、学校、教職員の裁量を一定程度確保し、教育委員会としては現場が求める支援を行うことを大切にすべきという点についても同様の考えを持っております。
不祥事の防止をはじめ、学校や教職員に対して県の方針に基づく対応を求めていく場面もございますが、先ほどお答えしたように、そのことによって教職員が気づきを得るということも大切な観点でございます。一方で、それによって教職員の負担が過大とならないよう十分配慮してまいります