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2023年春の統一地方選の投票日を定める特例法が11月11日の参院本会議で可決、成立し、道府県と政令指定都市の首長・議員選挙は4月9日、政令市以外の市区町村の首長・議員選挙は4月23日で、告示は知事、政令市長選挙が3月23日、道府県県議会議員と政令市の議員が3月31日などとなりました。
ところで、11月20日投開票が行われた鳥取市議会議員選挙の投票率が、男38.59%、女39.65%、全体で39.15%と報道され、大変驚きました。住民にいちばん身近な代表を選ぶ選挙で6割を超える人が棄権することは代議制を取る議会制民主主義の危機であり、このところ、かつて国政選挙の投票率で「日本一」を続けてきた島根県のでも投票率は下がり続けています。
投票率の低下の原因は様々にあろうかと思いますが、選挙の投票は参政権の行使という「言わば国民の権利行使」で、それは同時に「国民の義務」でもります。選挙年齢が18才への引き下げがあり、その年代の投票率が20~30%程度となっていることも多少は関係するにせよ、政治のワイドショー化にも要因があるのではないかと思っています。
大方の国会での委員会質疑はわれわれ県議会での質疑同様、国益を意識した真摯な議論が繰り広げられていると思いたいのですが、いままさに審議されている臨時国会での物価対策を盛り込む総額30兆円近い補正予算の予算委員会質疑では、物価高騰やウィズコロナに関わる予算の内容を脇に置いた、週刊誌ネタを題材にした大臣の個人資質に関わるやり取りが延々と繰り広げられており、国会の始まりから統一教会と政治資金のやり取りが続くTVの国会中継には、吐き気さえ覚えるのであり、こうした様に有権者の政治離れや参画意識の低下を感じるのは私だけではないと思います。
私たちが行使する議決権は有権者に代わってのものであり、自信と責任をもって政治に参画するためにも、多くの有権者の投票の結果によるべきであり、この際、関係者は投票率低下の原因をしっかりと究明され、県と市町村の行政、選挙管理委員会、教育委員会が相協調して、学校や社会での有権者教育や啓発など、適切な対応を進めていただきたいと考えますが、知事および選挙管理委員会、教育委員会の見解をお尋ねし、次の統一地方選峡での投票率アップを期待します。
│掲載日:2022年11月30日│
選挙は主権者である国民が政治に参加し、その意思を政治、また政治を通じた行政に反映させるための最も重要な機会であるというふうに考えております。国民や地域の代表者を選ぶ選挙においては、より多くの声が投票行動によって政治に反映されることが望ましく、島根県の投票率が低下の傾向にあることは大変残念な状況であると考えております。
御指摘のとおり、投票率が低い若年層をはじめ有権者の方々の政治への関心や、選挙権を行使する意識の向上を図ることが大切であります。そうした認識の下で、これまでも選挙管理委員会においては有権者に対する啓発に努められ、教育委員会においては主権者教育などに取り組まれているというふうに認識をいたしております。
こうした取組にもかかわらず、この現状、投票率が上がらないという現状を踏まえますと、私の認識といたしましては、これは行政側の取組だけの問題ではなく、私を含めて政治に携わる側が選挙において、有権者に投票に行かねばと思っていただくような訴えを必ずしも十分にできていないという課題もあるのではないかと、自らの反省も含めて考えているところでございます。
劇場にお客さんが少ないのは劇場の問題なのか、役者の問題なのかと、両方じゃないかというふうに考えないといけないのではないかというところが、自らの反省も含めての認識でございます。
学校における主権者教育は、平和で民主的な国家、社会の形成者を育成する上で極めて重要であります。今後とも、小中高校等において社会科や公民科の授業のみならず、他の教科や活動の場面で主権者教育を幅広く実施してまいります。
また、18歳選挙権導入後、有権者となった高校や特別支援学校高等部それぞれの専攻科の生徒に対して、選挙権を行使することの意味を学び、投票行動につながるように促しております。
今後は、例えば投票日当日に部活動がある生徒に対しては、部活動前後の投票を呼びかけたり、試合等で当日の投票が難しい生徒や、休日に家から出る機会のない生徒には、登下校時の商業施設等での期日前投票を促すことで、さらに投票行動につながるように取り組んでまいります。
生徒が投票に行こうという気持ちになり、自らの判断で選挙権を行使することで、有権者として政治に関心を持っていくことの第一歩になるような学びを支援してまいります。
公益財団法人明るい選挙推進協会が実施しました昨年の衆議院議員総選挙に関する全国意識調査において、政治に対する関心と投票参加には高い相関関係があることが示されています。
同調査における、年代別の政治に関する関心について見ますと、年齢層に比例して関心は高まっており、若年層の関心が最も低い結果となっております。
政治に対する関心が低く、投票に参加しない若年層が全体の投票率を押し下げる要因の一つとして考えられ、実際に今年7月の参議院議員通常選挙においても、県内の年齢別投票率において、30代未満の年齢層の投票率は40%未満であり、全体の投票率である56%を大きく下回っております。
こうした状況を踏まえ、県選挙管理委員会としては、若者の政治への関心を高めるため、政治参加に関する活動を行っている県内大学の学生サークルと連携し、団体が主催するイベントでの講師紹介や、そうした活動の報道機関への情報提供を行っております。また、選挙時の啓発内容に意見を取り入れるなどしているところでございます。
引き続きこうした団体と連携し啓発活動を行うとともに、学校への出前講座への講師派遣など、教育委員会とも連携して投票率の向上に向けた取組を進めてまいります。