県議会だより

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11月定例県議会一般質問(3)

DXの推進について

DX(ディーエックス)とは、「Digital Transformation

(デジタルトランスフォーメーション)」の略称で、デジタル技術によって、ビジネスや社会、生活の形・スタイルを変える(Transformする)こととされていますが、地域の人口が減り、近隣の商店や利便施設、病院・診療所などが遠隔地の施設と統合されてきていますが、物価が上昇する中で、DXの活用で行政サービスや住民生活のコストが低減すれば大きな助けになるとと考えますが、初めに政策企画局長にDXについて基本的な認識についてお尋ねします。

経済産業省は2018年12月、「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドラインを「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」とし、DXとは、単に業務プロセスをデジタル化・IT化するのではなく、データおよびデジタル技術を活用しビジネスモデルや企業文化などを根本から変革していくことを示しました。

デジタル化とDXの概念は明確な違いがあり、デジタル化は、「アナログからデジタルへ置き換えること、例えば、PCやインターネットが登場する以前、ビジネスにおける情報伝達手段は電話やFAX、書類などが一般的でしたが、現在ではメールやチャット、ビデオ会議システムなどへ多様化しています。これらはコミュニケーション手段のデジタル化ともいえ、時間や場所にとらわれることのないコミュニケーションが可能になりました。デジタル化の目的としては、ITシステムやツールの活用によって業務の負荷を軽減することや、効率性を高め生産性をアップさせることが挙げられます。

デジタル化とは、現在の業務を自動化・システム化し、業務効率化や生産性の向上を目的としています。これに対し、DXはデジタル技術でビジネスモデルそのものを変革して新たな価値を生み出し、企業の競争力を向上することを目的としています。デジタル化とDXは異なる概念といえますが、デジタル化はDXの実現に向けての第一歩であり、欠かせないプロセスであることも事実です。

 ビジネス環境の変化やコロナ禍によってDXの重要性は増しており、DXで変わる地域の姿について、どのように想像し、県はDXの条件整備をいつまでに、どのように進めるつもりなのか政策企画局長にお尋ねします。

出雲市では、コロナのワクチン接種をはじめ市報や市民サービスなどの行政情報をラインを使った市民に発信しており、議会や庁舎内の情報伝達をタブレット端末によって行ってきていると聞いていますが、若年者への県の行政情報を新聞やパンフレット、リフレットなどの印刷物、所謂アナログツールを主とする伝達方法は見直しをする時期に来ていると感じます。

しかしながら、デジタルのいちばん身近なツールは、スマートフォンですが、残念ながら、依然として県内には不感知地域が残存しており、全面的にそうした対応を選択することには抵抗する地域や住民があることも事実です。県内の多くの地域で、未だに不感地域が存在している状況をどう解消するのか政策企画局長のご見解をお尋ねいたします。

 

 

太田史朗政策企画局長答弁

DXとDXによって変わる地域のすがたについて

DXとはデジタルトランスフォーメーションの略称でありまして、デジタル技術を活用し、業務プロセスを変革することで、新たな商品やサービスの提供、新たな価値やビジネスモデルを創出し、社会制度や組織、文化なども変革していくような取組と認識しております。

こうしたDXで生み出される新しいサービスを享受する、そういう地域の姿としましては、デジタル技術の強みを活用し、人口減少によって生じる労働力の補完や移動時間の短縮による時間コストの低減を図るなど、業務プロセスの変革によって、地域の暮らしを支えていくことなどが想定をされます。

例えば、テレワークや一部の診療機能、買物、金融などのオンライン化によりまして、人が移動することなく、日々暮らしている地域にいたままで仕事ができ、各種のサービスを受けることができるようになります。

物流や農林水産業の分野では、ドローンや自動運転技術などを使い、地域で不足する労働力を補完しながら、配送や農薬散布といった業務負荷の軽減、生産性向上を図ることが期待をされます。

また、行政サービスでは、申請上必要な住所や氏名などの基本的な情報の入力がワンストップで完結する、あるいはその手続をオンライン化するなどのサービス提供体制の変革により、住民に対し、より効率的な行政サービスの提供が可能となります。

このように、DXは業務の効率化に限らず、県民の利便性向上や新たなサービスの提供を受けられる取組であり、人々が望む生活環境中で仕事をし、暮らしていける、生活基盤の変革に寄与する可能性がある取組と考えております。

太田史朗政策企画局長答弁

DXの条件整備について

DXを推進するためには、その基盤となる情報インフラの整備が不可欠であります。国のデジタル田園都市国家インフラ整備計画におきましては、光ファイバーについては2027年度末までに、世帯カバー率99%を目指す4G、いわゆる一般的な携帯電話で利用している電波については、2023年度末までに全ての居住地で利用可能な状態を実現する、5Gについては、人口カバー率を2030年度末までに全国99%とするとされております。

一方で、島根県の整備状況を見ますと、光ファイバーにつきましては、昨年度末までに県内全域で光ファイバーの幹線が整備をされており、利用可能世帯率は100%となっておりますが、実際の利用には、これを各家庭に引き込まれることが必要であります。各家庭への引込み整備は自己負担となりますが、市町村によっては支援事業を実施しているところもあり、例えば浜田市では令和7年度末までに、ケーブルテレビ会社のインターネット、現在契約をされている世帯を対象に、引込線の整備を完了させる予定と伺っております。

太田史朗政策企画局長答弁

携帯電話の不感地域解消について

島根県における携帯電話の不感知地域につきましては、居住地域が昨年度末で36地域、世帯にして89世帯、人数にして219人となっており、2020年春から商用サービスがスタートしました5Gにつきましては、人口が集積した地域を中心に整備されており、その人口カバー率は昨年度末で72.3%となっており、全国平均の93.2%を下回っている状況であります。

不感地域の解消につきましては、国、県、市町村で携帯電話事業者の負担を軽減する仕組みを活用しながら、基本的には携帯電話事業者が基地局を整備して対応しておりますけれども、国も整備計画において、2023年度末までに解消を図ることとしており、引き続き市町村と協力して、各携帯電話事業者への働きかけを行い、着実な進捗を求めてまいります。

5Gにつきましても、都市部に遅れることなく整備されるよう、国に要望をしてまいります。

携帯電話の不感地域は居住地域に加えて、沿岸部や山間部などの非居住地域も含めますと、県内多くの地域で不感地域が存在しております。

国におきましても、防災などの安心・安全の観点から、基地局整備の補助金が2020年度から非居住地域も対象とされておりますが、非居住地域の不感地域解消につきましては、例えば山あいの谷筋のような電波の陰となる領域の存在ですとか、またそれを解消するために鉄塔を整備しても電波が相互に干渉する技術的な課題もあると聞いておりまして、基地局整備により県全域を利用可能エリアとすることは困難であると認識しております。

一方で、このような課題を解決する新たな技術として、人工衛星などから地上に電波を届けて携帯電話などに使用する、上空と地上を結ぶ通信網の開発が各携帯電話事業者で進んでおりまして、例えば、KDDIは年内にも法人向けのサービスの提供を目指すとされております。

県としましても、こうした新しい技術の動向を注視しながら、県内において不利な状況が生じないよう、必要に応じて国や事業者への働きかけを行ってまいります。

また、従来からの居住地域での不感地域の解消につきましては、先ほど申し上げましたとおり、市町村と協力しながら、引き続き各携帯電話事業者に着実な進捗と、早期の解消に向けて働きかけを行ってまいります。

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