和而不流(和して流れず)

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夏季ボーナスの平均が93万円と言うけれど

もっと実体経済に目を向けるべき

東証一部上場企業の夏季ボーナスは平均93万円と報じられています。日本経済の回復が言われ、製造業の好調が伝えられていますが、企業収益の増大は徹底したコスト管理による支出の削減によるもので、鉄鋼や自動車など一部を除いて、生産拡大によるものではありません。
バブルによる不良債権処理のため、預金金利を抑制し、手数料を大幅に引き上げている大手銀行の収益は、預金者や利用者に還元されるべきものですが、凍結、返上されたはずの退任役員の退職金を支給するなど、欧米流の「自己利益優先」そのもので、日本流の「共存共栄」という企業理念は見えません。
社会は増大する一方のペーパー(バーチャル)経済によって、証券・金融市場のマネーゲームが実体経済を支配するという最悪の状況に向かっており、汗水たらして生産に従事する「懸命に働くことが尊く、美しい」という価値観の衰退は、日本社会の崩壊に直結するのではと危惧しています。

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