和而不流(和して流れず)

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今年の漢字は「新」だけれども・・・・・

政治への信頼は政治家が発する言葉の重みに比例する

12月24日の記者会見で、鳩山首相は「すべて勝間に任せていた」と強調し、調査の結果、母親からの資金提供は12億6000万円だったことを明らかにするとともに、政治献金ではなく贈与として修正申告する方針を示した。

しかし、身内からと言え、自己以外の第三者から提供された資金が政治活動に充当されていれば、政治資金規正法上の問題が発生するのであり、贈与税の申告漏れとして処理すれば、違法行為を免れるとばかりの説明、弁明には嫌悪感すら感じた。

鳩山首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」の虚偽記入額は5年間で計約3億5900万円に上り、報告書の個人献金やパーティー券収入の6割は鳩山家の資金で、野党の党首から首相に上り詰めた力の源泉に「鳩山家」の資産があり、手法は違っても「政治とカネ」の関係を見せつけられた。

民主党代表選を控えた2002年夏頃、勝場元秘書が、首相の母に働きかけて実現した資金援助の使途は不明で、鳩山首相は、「不正はなかったと信じている」とするのみで、具体的な説明は避けている。しかし、違法行為を指摘された以上、資金使途に対する詳細な説明責任は免れようがない。

記者会見で首相は「検察の判断を重く受けとめ、責任を痛感している。国民の皆さまに深くお詫びする」と陳謝したが、「政権交代を選択してくれた国民への責任を放棄することになる。政治家としての使命を果たすことが私の責任の取り方だ」と辞任を否定した。

首相は、過去に「秘書の行為の責任は議員の責任で、自分が当事者ならバッジをはずす」と発言してきたことについて「私は私腹を肥やしたり、不正な利得を得た思いは一切ない」と釈明したが、不正行為だからこそ、違法として第一秘書や政策秘書が起訴されたのである。

平成14年3月、鳩山由紀夫民主党幹事長(当時)は、自民党の加藤紘一元幹事長の秘書による脱税容疑について「秘書の罪は国会議員の罪だ」と断罪し、加藤氏は自ら責任を取り、議員辞職した。

麻生前首相は「言葉の軽さ」故に、国民の信を失い、結果として自民党は大敗し、政権交代となった。鳩山内閣発足から100日。ハネムーン期間が過ぎ、予算、税制、普天間など、政権の迷走に対するメディアの批判が高まる背景には、トップリーダーの言葉の軽さ、甘えがある。

政治家が発する言葉の重みは、発した言葉に対する責任とイコールだと思う。政治への信頼は政治家への信頼であり、それはそのまま政治家の発言に対する信頼だと考える。漢研が選定した平成21年の漢字は「新」で、世の中が新しい一歩を踏み出した今、新しいことに期待したいとある。政にかかわる身として、いま一度言葉の重みを感じる年の瀬となった。

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