和而不流(和して流れず)

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いったいこの国はどうなってしまったのでしょうか

乳幼児の放置や高齢者の所在不明が「異常」でなくなっている

大阪で乳幼児2人が白骨化死体となった事件に戦慄を覚えた刹那、40399人と発表された100歳以上高齢者数のうち所在不明とされる案件が続出している。もはやこの国に「常識」が通用しない国になってしまったとさえ言える状況に絶句する。児童虐待には「児童相談所が十分な対応をしていない」、高齢者の所在不明には「福祉事務所は何をしているのか」との批判はもっともではあるにせよ、その前に、「地域社会は」「家族は」と問いたい。個人情報保護法の施行によって、警察官の地域巡視が難しくなり、核家族化の進展により介護や子育てに対する社会化要求が増大する一方で、家族の絆や地域社会との関わりが希薄になってきたように感じる。国防はアメリカに依存し、支払った額の2倍以上のサービスを当然視する日本社会が行き詰まって崩壊することは必然であり、国政にあたる議員各位、政党指導者の皆さんに国家経営の大本をどうするのか問いたい。「自助」「共助」「公助」のありかた、言い換えれば公・共・私の役割と負担区分を再検討し、人として当然持たなければならない倫理や権利には義務を伴うことなどについて「公教育」として取り組む必要性を痛感する。もうすぐ盂蘭盆を迎える。「自分がいま生存していること」を意識すれば、先人への感謝が手を合わせ頭を垂れるというかたちに顕れることはきわめて自然である。「当たり前のこと」として日本社会が長く伝えてきた節会などの機会は、「人としての立居振舞」を身につけ、「勝手」を慎む社会教育の場であることを認識したいものである。

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