和而不流(和して流れず)

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島根県の人口が71万人を割り込んだとの報告を受けて

従来発想を超える手法や発想によって窮地を脱してほしい

島根県は4月27日、平成24年4月1日現在の島根県推計人口は707439人と発表し、島根県の人口が71万人を割ったことが明らかになりました。平成23年の出生数が5596人に対し、死亡者数が9354人で自然減が3758人、社会減が1778人で、1年間に5536人が減少、とりわけ、3月の社会動態が転入3934人、転出6361人と2427人もの減となるなど、県内に就職や進学の受け皿が大幅に不足していることが伺えます。
「魅力がない」「働ける職場がない」「医療、福祉が十分でない」「人間関係が保守的で変化を拒む」などのイメージが言われ、「たまに来るのはいいけれど、住みたいとは思わない」などの意見に対し、島根県では「島根には、豊かな自然、伝統的な文化、温もりのある人間関係、ゆとりある生活環境など、これからの成熟した社会の中で求められるものが数多く残されており、地域の特色ある資源、高度な技術が支える独自の産業を活かし積極的な取り組みを行う」と応えていますが、過疎や人口減による県勢の衰退化に歯止めをかけるには至っておらず、U・Iターンの受入れも15年間でようやく1000人に届くかといった水準です。
島根県の人口が80万人を割り込んでから45年が経過しましたが、成人1人あたりの年間消費額を100万円とすると、近年では、島根県では毎年50億円もの消費支出が減となっている勘定となります。空き家の活用や農林水産業の就労支援は国の制度待ち、「街コン」も全国で唯一実践されていない都道府県であるなど「受け身」の行政手法の転換により思い切った人口対策を講じなければ、加速度的な人口減少によって地域社会の存続が困難になることが容易に想像できところまで来ています。PFIの活用によるインフラ整備や産官学野の連携による新産業の創出など従来発想を超える手法や発想によって窮地を脱してほしいと願うばかりです。

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