和而不流(和して流れず)

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出雲市長・市議会議員選挙を終えて

市民は極めて冷静だった背景に『一体化』と『一体感』の深化がある

新型コロナウイルスで低迷する産業の支援や雇用の確保などを争点に4月4日に告示された出雲市長選挙は、川光秀昭(62)、小豆澤貴洋(46)、飯塚俊之(55)の3人が立候補しました。告示前の3月21日に開催された公開討論会で、川光さんは「新体育館の建設よりもコロナ禍の市民生活の支援を優先すべき」とし、小豆澤さんは「教育や福祉、子育ての充実で人が集まる出雲市にしたい」と訴え、飯塚さんは「オール出雲でコロナ禍を克服し、次代に希望と美しい環境を引き継ぐ」と述べるなど、3人の候補者が思い描く出雲市像には違いがあり、4月11日の投・開票の結果、飯塚俊之さんが49,515票を獲得し、第3代出雲市長に当選しました。
今回の市長・市議会議員選挙の投票率は63.11%で、2年前の知事・県議会議員選挙の62.04%、参議院選挙52.12%と低落を続けてきた状況は、告示直前まで市議会議員選挙の候補者が定員に満たず、無投票がささやかれるなど、低調に終始したことを勘案すれば、ファイスブックやインスタグラムなどのSNSでの発信などの効用もあってか若干回復したように感じます。また、新聞の論評には今回の選挙戦で「2代続けて平田地域から市長が出ることに対する不満が小豆澤さんへの支持につながった」とありますが、12年前に長岡秀人さんが当選した折に旧出雲市在住の候補者2人が獲得した得票数は35,515票で、投票率(78.56%)で加重平均すると28,530票となり、今回、小豆澤さんが獲得した28,955票とほとんど変化はなく、「何となくそういったムードがある」という漠然とした論拠に市民の共感が拡大しなかったのは、合併から16年を経過し、市民の中に出身や居住地を云々しない姿勢、いわゆる地域の『一体化』が進み、市民に『一体感』が深化していることが証明されたものと感じています。
また、過去の選挙に見られた中傷や怪文書などがないクリーンかつ整然とした選挙となったのは、選挙に携わった皆さんの高い見識によるものと感謝と敬意を表するところであり、市長、市議会議員に当選された方々の今後のご活躍と市勢の振興・発展を祈念するところです。

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