和而不流(和して流れず)

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2022 年頭所感

凡事徹底

令和4年は新型コロナウイルスの変異株であるオミクロン株の感染拡大のニュースで明けました。コロナ感染から2年が経過して、なお、欧米の国々では1日に10万人を超える新規感染が相次ぐ中で、一定程度ワクチン接種の効能があるにせよ、日本国内の感染が抑えられてきた要因は、国民が「手洗いの励行」や「マスクの着用」、「三密回避」といった基本的な感染防止対策を『あたりまえのこと』として習慣づけていることに外ならず、「凡事徹底」の有用を感じます。
「凡事徹底」は、「平凡で当たり前のことを突き詰めて行うこと」ですが、「基礎的かつ地味なもの、つい軽く見てしまうことを疎かにせず、繰り返して積み重ねることで大きな成果を得ることができる」、「同じことの繰り返しが精進であり、『違い』や『発見』を体感することで『進歩』や『成功』を得ることができる」との意味合いがあるとされています。
笑顔での挨拶やはきはきとした返事、身の回りの整理整頓、履物をそろえるといった生活習慣から学習面での基礎の反復、スポーツでの基礎トレーニングなど、必ずしも直接的なスキルアップに資するとは言えない行為こそが、強い意思や根気を醸成し、習熟化や熟練することで、いままで見えなかったものが見えるようになる、いわゆる『新たな気づき』を生むことが、本質を見抜く力を鍛錬させる基になると考えられます。
今日の仕事を持ち越さないことは、明日の時間を満タンにすることであり、規則正しい生活で体を健康に保つことは、人間の活力の源となります。ワクチンや医薬品の開発が進み、遠からず、新型コロナウイルス感染症はインフルエンザと同等と見做されるようになると考えられますが、日本人の「凡事徹底」を貫く姿勢が、コロナ感染を抑制させた1つの成果として世界中に示すことができれば、かつて松下幸之助翁が説いた「日本人は徳をもって国家経営にあたるべき」との訓に合致すると思います。

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